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平成27年(2015)2月21日(土)、広島県三原市久井町(くいちょう)に鎮座する久井稲生神社(くいいなりじんじゃ)(羽田浩彬はだひろよし宮司)において、はだか祭が開催されたので、感動写真集同人・吉田好幸さんと共に密着取材した。 |
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【凡例】
▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 ●:筆者の私見 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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広島県 |
三原市久井町 |
江木の位置 |
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拡大写真(1343x889)351KB |
画像:Google Earth |
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▲▼ 人口約5,500人を擁する久井町は、かつて広島県御調郡(みつぎぐん)に存在した町で、平成17年(2005)に三原市・賀茂郡大和町・豊田郡本郷町とともに合併し、三原市久井町となった。岡山の西大寺会陽と同じ2月第三土曜日に広島県最大の裸祭が開催されることで知られる。 |
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画像:Google Earth |
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久井稲生神社周辺マップ
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画像:Google Map |
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三原市久井町(くいちょう)江木(えぎ)に鎮座する久井稲生神社は、今から約1400年前の用明元年(585)に京都の山城伏見稲荷大明神(宇迦之御魂神うかのみたまのかみ)を勧請したことに始まる。戦国時代に勇気と知略で西国を統一した毛利元就は、神仏への崇敬の念も厚く、弘治3年(1575)に本殿を造営し、3年後の永録3年(1560)に元就の三男・小早川隆景によって社殿が造営された。三原城主であった小早川隆景は、天正13年(1585)稲荷神社に「紙本墨書大般若教六百巻」を奉納。この御経は広島県重要文化財の指定を受け、今も神社に大切に保管されている。
久井稲生神社公式サイト
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明治初期までは「稲荷」の字を用いていたが、国学的解釈により「稲生」に替字して今日に至っている。主祭神・宇迦之御魂神は伊勢神宮の外宮(げぐう)豊受姫神(とようけひめのかみ)と同じ神様で、五穀を始め衣食住の祖神様(おやがみさま)として、また、商売繁昌、交通安全、縁結び安産等の守護神として崇められている。
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三原市久井町江木 |
に到着 2015.02.21 17:02 |
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拡大写真(2000x1333)520KB |
撮影:吉田好幸 |
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▲ 毎年岡山市・西大寺会陽と同じ2月第3土曜日に久井稲生神社で開催されるはだか祭は、公式には「御福開祭(おふくびらきさい)はだか祭(まつり)」という。しかし、地元民は、伊勢神宮の祭礼が新明祭(しんめいさい)と呼ばれていることから、同じ祭神を祀る久井稲生神社の例大祭を神明祭と呼び、地元商店街は神明祭と書かれた大提灯を奉納し、普段から「しんめいさん」と呼んでいる。 |
久井のはだか祭は、前日までに回収した籤紙(くじがみ)3000枚から御福品約400点が当たる御福開祭の抽選が午後7時から行われる。それと並行して、まわしと呼ばれる褌一丁の裸男たち約300人が御調川(みつぎがわ)で禊をしたあと、午後9時から神社境内で陰陽一対の御福木(おふくぎ)を奪い合う。それぞれの御福木収得者には、陰は7万円、陽は10万円の賞金と玄米1俵が贈られる。各御福木投下後には、合計800点の御福品が当たる御福餅の餅まきが行われる。 |
御福開祭は、明治の中頃から始まったもので、約130年の歴史がある。当時、境内で牛の取引が盛んで、馬喰(ばくろう)たちの寄進による感謝祭であった。はだか祭は、西大寺会陽に倣って大正8年(1919)に始まったもので、96年の歴史があり、広島県最大のはだか祭として知られる。
御福開祭・はだか祭公式サイト
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久井稲生神社参道入口
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拡大写真(2000x1300)478KB |
撮影:吉田好幸 |
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▼ 平成27年(2015)2月21日(火)朝5時半に起床、空路羽田から福岡空港に飛び、到着ゲートで吉田好幸さんの出迎えを受け、吉田車で九州自動車道〜山陽自動車道を利用して午後5時ころ久井町に到着。石段そばの駐車場に車を置き、取材後は深夜の高速道を引き返し、翌早朝、吉田屋に戻った。 |
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久井稲生神社の石段 17:28
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拡大写真(2000x1330)494KB |
撮影:吉田好幸 |
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石段を上がる
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拡大写真(1400x2000)646KB |
撮影:吉田好幸 |
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▲▼ 石段を上がった赤鳥居の手前に、地元商店街が組織する久井商栄会が奉納した「神明祭」と書かれた巨大な赤提灯が掲げられていた。「神明祭」という表示はこの提灯だけで、正式呼称ではないので、境内では見られなかった。 |
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拡大写真(2000X1450)743KB 撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1700)920KB 撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1700)706KB 撮影:和田義男 |
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御福開祭 |
の御福品420点が積み上げられた拝殿 |
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拡大写真(2400X1600)613KB
撮影:吉田好幸 |
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写真下は、新嘗祭(にいなめさい)の記念写真。中央の赤い衣冠姿が羽田浩彬(はだひろよし)宮司、その左隣の紺の衣冠姿が羽田昌弘(はだまさひろ)禰宜(ねぎ)(宮司の実弟)。 |
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新嘗祭 |
の記念写真 1999.12.12
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拡大写真(1800X1400)489KB 久井稲生神社資料 |
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▼
拝殿と社務所の間にテントが張られ、身体を温める甘酒や豚汁が無料で供される。「厄分けふるまい酒」という表示があったので、羽田宮司にお聞きすると、結和会(ゆうわかい)がやっていることなので、どういう趣旨か分からないという。「厄除けふるまい酒」の誤字ではないということなので、字面からすれば、振舞酒を飲むと厄を分けてもらうことになるので、飲みたくなくなる。
( 笑 ) |
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拡大写真(2000X1333)390KB
撮影:吉田好幸 |
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八重垣神社
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▼ 拝殿に向かって右隣に鎮座する八重垣神社は、須佐之男命(すさのおのみこと)を祭神とする境内社(けいだいしゃ)で、祗園さんと呼ばれ、氏子八字(うじこ・はちあざ)(8地区)より奉納されたもの。毎年7月に祇園祭(ぎおんまつり)が催行され、ぎおん踊と獅子舞が広島県無形民俗文化財の指定を受けている。 久井稲生神社祗園祭
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拡大写真(2000X1333)616KB
撮影:吉田好幸 |
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▼ 御調川(みつぎがわ)で禊をした裸男たちは、注連縄(しめなわ)が張り巡らされた四本柱(しほんばしら)で地押し(じおし)を行って身体を清めた後、拝殿で参拝し、社務所ではだか祭の参加申込(無料)をした後、午後9時から紅白幕の櫓(やぐら)から投下される陰陽一対の御福木を奪い合う。四本柱は、争奪戦が始まる前に撤去される。 |
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陰陽一対の |
御福木 |
争奪戦が行われる広い境内 17:30
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画面のどこかをポイントすれば説明があらわれます。 |
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パノラマ写真(2400X1200)815KB 撮影:和田義男 |
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拡大写真(2000X1440)425KB 撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1800)839KB 撮影:和田義男 |
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吉田さんと二人で境内の実地踏査を行った後、社務所に行き、羽田宮司にお会いして、事前に文書と電話でお願いしていた密着取材の許可をもらい、久井稲生神社の白法被を二着借り受けた。 |
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羽田禰宜から祭の説明を受けていると、午後6時半に結和会(ゆうわかい)の樽神輿が老人福祉センターを出発することが分かり、
急遽、そちらに向かうことにした。 |
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拡大写真(2000X1333)511KB
撮影:吉田好幸 |
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▼
老人福祉センターに向かう途中、御調川(みつぎがわ)をせき止めた禊場を下見した。裸男たちが出入りする禊口のある土手は立入禁止なので、写真手前の対岸では、多くのアマチュア・カメラマンが三脚を立てて場所取りをしていた。私は、白法被を着ているので、禊口にも立ち入ることができた。 |
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御調川 |
を堰き止めた |
禊場 |
18:10
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拡大写真(2400X1600)600KB
撮影:吉田好幸 |
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▼
車で前を通った覚えのあるコンビニ店・ポプラの対面に建つ三原市久井老人福祉センターに着くと、既に、裸男たちの更衣が終わり、腹ごしらえをしている最中だったので、褌を締めるシーンを撮ることができなかった。 |
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三原市久井老人福祉センター/久井町下津 18:20
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拡大写真(2400X1800)672KB
撮影:和田義男 |
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▲▼
結和会は、はだか祭の参加者が減り、その存続が危ぶまれた昭和52年(1977)に久井中学校のOBたちが祭を盛り上げるために立ち上げた睦会で、毎年42歳の厄年に当たる卒業生が参加する。今年で38年目となり、平成2年(1990)の第18回卒業生たちが樽神輿を担いで町内を練り歩き、はだか祭を盛り上げる。
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拡大写真(2400X1800)691KB
撮影:和田義男 |
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さかだるの ふんどしみこし ふゆまつり |
Winter festival, mikoshi of a sake cask wearing fundoshi loincloth. |
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拡大写真(2400X1650)616KB
撮影:和田義男 |
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▲▼
結和会・盛り上げ隊の隊長に羽田禰宜の紹介でやってきたことを告げて密着取材の許可を取り、早速、出陣式の様子を激写したあと、神輿に同行して彼らの活動を取材した。 |
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神輿差しで意気上がる |
結和会 |
盛り上げ隊 |
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拡大写真(2400X1750)589KB
撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1950)654KB
撮影:和田義男 |
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ポプラ |
御調久井店 |
の商売繁盛を願って神輿練り!/久井町下津 18:38 |
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拡大写真(2400X1800)592KB
撮影:和田義男 |
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拡大写真(1800X1400)305KB
撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1550)635KB
撮影:和田義男 |
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拡大写真(2000X1420)344KB 撮影:和田義男 |
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拡大写真(2400X1750)539KB 撮影:和田義男 |
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