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午後10時、いよいよ鬼の登場となった。最初に、荒縄で体を縛られ、朱色のオーバーオールで身を包んだ災祓い鬼役の僧侶が社務所からホンガイシャク(本介錯)に背負われて講堂に入場した。鬼は講堂以外は歩くことが出来ないので、背負われて移動する。 |
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鬼役の僧侶が鬼になるには、社務所で鬼絡げを受けなければならない。胴から足首までと、右手首から左手首までの両腕12ヵ所(旧暦の閏年は13ヵ所)をヘラノキの樹皮で編んだ荒縄で網状に縛る。人によってはスパイダーマンに見えるという。 |
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公衆の面前で鬼面を付ける |
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災祓い鬼役の僧侶は、僧侶の補助により、公衆の面前で四角い座布団状のクッションを頭に載せ、その上に赤い鬼面を付け、下紐を口に噛んで固定した。鬼の頭にはシャグマの毛ではなく、オンダマ(ユリ科の多年草である蛇の鬚(竜の鬚)の現地名)の葉が結わえられている。 |
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赤い鬼面を被った僧侶 |
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修正鬼会に登場する鬼は、害悪をもたらす悪い鬼とは逆で、「鬼に姿を変えた神様・仏様・御祖先様」であり、良い鬼である。そのため鬼の面には角が無い。この考え方は平安時代以前の一般的な考え方であったという。 |
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角の代わりに耳の大きな鬼面 |
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資料 |
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準備が整うと、僧侶が口に含んだ水を鬼の面に吹きかけて「鬼招き」が始まった。この時点ではまだ鬼が出てきておらず、付き添いのホンガイシャク(本介錯)が鬼を招く役割を演じる。 |
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その所作は子どものケンケンパーの遊びに似た踊りで、本介錯と鬼役の僧侶とが一緒に飛んだり跳ねたりして呼吸を合わせる。両者の呼吸が合うと鬼が僧侶に乗り移り、コダイと呼ばれる小松明が本介錯から手渡される。 |
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拡大写真(1200X1100)276KB |
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左手に火のついたコダイ(小松明)、右手に斧を持った災祓い鬼は、小松明を振り回し、本性をあらわにした。 |
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堂内を徘徊する赤鬼 |
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災祓い鬼は、本介錯により、ニワと呼ばれる堂内の袖(回廊)に招き出されると、三々九度の法や二十一飛行などの鬼走りの秘法を披露しながらコダイを振り翳し、カイシャクを引き連れて観客を追いかけ、堂内を暴れ回った。 |
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怖くて柱にしがみつく老人 |
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堂内はコダイ(小松明)の火の粉と煙でむせかえるような状態となった。近くの老人は、災祓い鬼の予想外の激しさに恐怖心を抱いたようで、思わず目をつぶって柱にしがみついた。 |
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堂内を暴れ回る赤鬼 |
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松明の火の粉と煙で騒然となった堂内 |
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拡大写真(1400X1100)198KB |
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