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裸押合大祭を終えた裸男たちは、一斉に社殿を飛び出し、雪蛍の舞う道を駆け足で交流会館に帰っていった。 |
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交流会館を出発する前から降り始めた雪は裸男たちの火照った身体を冷やし、褌もビショビショになった。 |
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男たちは石油ストーブで温められた支度部屋に戻ると、着替えを始めたが、濡れて固く結ばれた褌は一人で解くには難しく、世話役の助けが必要だった。 |
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ふるさと交流会館の玄関ホールの奥に「撒与景品交換所」が設けられており、裸男たちの着替えが終わってから3つのグループに分けて景品交換が始められた。 |
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写真の男性は、福札を5枚獲得していた。270枚を50人で争ったので、平均すれば一人5枚獲得できることになる。豪華な景品が沢山用意されているので、景品を楽しみに参加する人もいるという。 |
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かつては、地域の男衆がみんな参加していたようで、多い年には200人近くが集まり、本殿に入りきれなかったこともあったという。時代が移り、娯楽が溢れるようになった現代は、過疎化もあって参加者が少なくなっている。豪華な景品が沢山用意されているのは、全国の祭り愛好者の参加を期待しているからだろう。 |
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最初に一等賞5万円の授与があり、今年の年札「2008」は、東京都足立区の新妻俊一さんが手にしていた。新妻さんが前に出ると一斉に拍手がわき起こり、ご夫婦が愛犬と共に喜びのポーズをとって祝福に応えた。 |
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一等賞5万円の2008番札をゲットした板橋区の新妻さんご夫妻!
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次いで市長賞の金杯や、刈谷田川ニューホテルのペアー宿泊券など、高額景品の授与が行われたあと、3つのグループに分かれて福札が景品に交換された。 |
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景品交換が終わって全ての行事が終わると、お祝いのきな粉餅を食べる習慣がある。新尺さんのグループとはこの会場で別れたが、このあとドライブイン刈谷田の星野幸男さん宅で、きな粉餅をご馳走になったという。 |
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全部で270もの景品があり、全てを交換するのに時間がかかるので、午後9時頃携帯で送迎車をお願いし、ホテルに帰った。大橋支配人のご配慮で、遅い時間にもかかわらず、隣の部屋に夕食の用意が出来ていて、温泉旅館並みの豪華な食事を楽しむことが出来た。支配人の差し入れがあり、栃尾名物の油揚げも賞味できた。 |
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翌朝、一晩降り続いた雪も止み、ホテルの周辺は新雪に覆われ、一面の銀世界だった。 |
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4〜5cmの積雪があったので、午前8時過ぎに除雪車が2台やってきて、道路や駐車場の除雪が行われた。 |
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朝風呂を浴び、午前8時過ぎ、20人ほどの宿泊客といっしょに食堂で朝食を取ったが、霧が晴れて青空が見え始め、食堂の広い窓から美しい雪山が姿をあらわしたので、あわててカメラを取りに戻って撮影した。 |
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午前9時頃、宿泊料金1万円を支払ってチェックアウトを済ませた後、大橋支配人の運転でJR長岡駅に向かった。 |
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送迎車の助手席に座らせていただいた筆者は、45分の道中、車窓の風景をカメラに収めながら、大橋さんから栃尾市と長岡市との合併や、去年の7月に発生した新潟県中越沖地震のことなど、栃堀について色々とお聞きし、過疎化に悩みながらも逞しく生きておられる様子を知ることができた。特に、栃堀米は、魚沼産に並ぶ評価を受けていると聞き、道理でご飯が美味かったと思った。 |
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車窓から見る朝の栃堀は綿菓子のような新雪に覆われ、東京では見られない雪国の美しい情景が広がっていた。 |
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撮 影
2008年2月9日
☆★☆彡
OLYMPUS E-3
12-60mm
1000万画素 1,350枚 2.8GB
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雪国の素晴らしい冬祭りだった。雪蛍の舞う雪燈籠の参道を褌一丁のままで往復し、社殿で裸押し合いと福札争奪戦を繰り広げるという、とても素朴な祭りだが、江戸時代から続く裸文化を変質させることなく今に伝えている。チョンマゲが無いだけで、あとはまったく同じ祭り衣装であることに、感動する。 |
刈谷田川ニューホテル支配人の大橋さんによると、栃堀地区はとてもまとまりが良く、地域文化を誇りに思う人たちが大勢いて、祭りを支えているのだという。ここには、地域の助け合いと温かい人情が満ちあふれており、私もその恩恵にたっぷりと浸ることが出来た。 |
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大橋支配人によると、祭りに参加するグループがいれば、JR長岡駅や栃堀ふるさと交流会館まで送迎してくれるという。栃堀の裸押合大祭は気軽に参加できるお勧めの裸祭りだが、アクセスに難があると云われていた。しかし、刈谷田川ニューホテルを利用すれば、一泊2食付き1万円と格安料金の上に送迎付きなので是非お勧めする。何より、暖かくて人情溢れる歓待が嬉しい。 |
謝 辞 |
このたびの取材に当たり、刈谷田川ニューホテル支配人の大橋茂雄さんには、大変御世話になりました。事前の下見のみならず、酒井区長への紹介や取材の許可申請、車の送迎など、大橋さんのご支援がなければ、この作品は生まれなかったことでしょう。ホテル支配人の立場を超えた大橋さんの暖かいご歓待は、終生忘れることはありません。心から感謝申し上げますと共に、刈谷田川ニューホテルの今後益々のご発展を祈念しております。
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作品発表後、地元・栃堀の方々から励ましや感謝のお言葉を頂戴し、大変光栄に思います。特に、「ドライブイン刈谷田」の星野幸男さんには、種々ご教授を賜り、正確に解説することができました。また、佐藤義一さんが撮影された守門岳の素晴らしい写真をご提供いただき、作品に深みと彩りを加えることができました。お二人のご厚意に対し、心から御礼申し上げます。有り難うございました。 |
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日本の祭り第100集/日本の裸祭り第73集 「栃堀裸押合大祭」 |
撮影・制作 : 和田義男 |
平成20年(2008)2月24日 作品:第6作 画像:(大80+小25) 頁数:6 ファイル数:203 ファイル容量:41MB
平成12年(2000)〜平成20年(2008) 作品数:277 頁数:9596 ファイル数:32,820 ファイル容量:4,669MB |
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ゆきのよる しろふんどしの はだかおし |
Night and snow,
Jostling together
wearing white loincloth. |
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▼
平成26年(2014)4月5日(土)、「栃堀裸押合大祭」の原画とスライドショーファイルを格納した永久保存版CD写真集「寒中みそぎ祭り」が完成し、後日、大祭委員長の島正康・栃堀区長に寄贈した。 |
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CDをMS-Windows対応パソコンのディスク・ドライブに挿入するとBGMが流れるなか、解説文を含む234枚の画像が5秒毎にディスプレー一杯に映し出されるスライドショーを楽しむことができる。画面にはコントローラーが内蔵されているので、好きなところで止まったり、スキップしたりして、自由に閲覧できる。 |
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また、ホームページにアップしていない原画を同梱しているので、サービスサイズから最大A3サイズまでプリントすることも出来る。この感動を多くの方々に味わって頂き、蔵書版として永久保存してもらうため、頒布価格2000円(リピーター価格1500円)にてお分けするので、希望者は
master@wadaphoto.jp
へご連絡頂きたい。 |
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