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 感動写真集

2006年10月1日改訂
♪祝詞・越天楽

拡大写真(1400x933)267KB

            神楽宿神の降り立つみどり糸  北舟

2006年9月26日作成

神迎えの神事

神迎えの神事(高千穂の夜神楽/宮崎県西臼杵郡高千穂町)

国指定重要無形民俗文化財

高千穂の夜神楽

神庭

降臨

神庭 巡幸 地固 岩潜 地割 舞開 雲降 上平 明
 
下川登神楽宿しもかわのぼりかぐらやど
   この度訪れた下川登神楽の神楽宿は、下川登公民館である。かつては、高千穂町内いずれの地区も、集落の民家を順番に神楽宿にしていた。
 神楽宿に指定されることは大変な名誉であるが、神楽の舞台である神庭(こうにわ)の準備など、家主や家族に大きな負担がかかることから、徐々に公民館などで奉納される機会が増えてきた。平成17年度は、夜神楽が奉納された19地区中、公共施設で行われたのは7地区にのぼった。
神楽宿になった

下川登しもかわのぼり

公民館

神楽宿になった下川登公民館

 下川登神楽は、昭和54年(1979)に27年振りに復活したあと、7年間は民家で行われたが、昭和61年(1986)から公民館で行われるようになった。
下川登公民館の裏側

下川登公民館の裏側

神 庭こうにわ

 神庭は、神楽宿の中央の部屋に設けられる広さ二間四方(13.2u)の神楽を奉納する場所である。四隅には竹と榊を立て、注連縄と彫り物(えりもの)が飾られ、天井の中央には高天原(たかまがはら)を象徴する雲が吊られる。
 神庭は、神楽宿の中で最も神聖な場所とされ、部外者が足を踏み入れることは固く禁じられている。写真下の中央に、氏神を運ぶ揚輿(あげこし)が置かれている。神は天に近い外注連(そとじめ)に降臨し、みどりの糸を伝わって神庭に舞降りるという古来の神事形態で神楽が奉納される。
神楽宿の

神庭こうにわ

神楽宿の神庭

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 神庭は、神座(こうざ)を東とし、太鼓や笛などの楽(がく)の座が南、外注連(そとじめ)が西となる。神座には天照皇大神(あまてらす・すめ・おおみかみ)を祀る皇大神宮*(こうたいしんぐう)の筥宮(はこみや)を中心に神面(しんめん)(おもて様)を置き、神酒(みき)や米・野菜・餅等の神饌(しんせん)が供えられる。
*皇大神宮:伊勢神宮・内宮(ないぐう)の正式名称。外宮(げぐう)の正式名称は、豊受大神宮(とようけたいしんぐう)
神庭の右側(南)

神庭の右側(南)

飾り物えりもの

 彫り物(えりもの)とは、神庭(こうにわ)の聖域を示す注連(しめ)などに取り付けられる切り絵細工などの紙飾りである。中央の鳥居、陰陽を表す日・月、子授安産豊穣の湯襷(ゆだすき)、自然界の中央の土徳神、四方の木・火・金・水徳神、十干十二支等の切り絵が配され、神仏習合の陰陽五行説*の影響がみられる。
*陰陽五行説:中国伝来の宇宙観で、宇宙万物は相反する陰陽二気のバランスであると考える陰陽説と木、火、土、金、水の五気が万物を組成するという五行説が合わさったもの。
和紙でできた 飾り物えりもの

飾り物

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雲(

天蓋てんがい

 四方を彫り物(えりもの)に囲まれた神庭(こうにわ)の天井の中央には、高天原(たかまがはら)を象徴する雲(天蓋)が下げられている。
飾り物えりもの に囲まれた雲(

天蓋てんがい

彫り物に囲まれた雲(天蓋)

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みどりの糸
 外注連(そとじめ)と内注連(うちじめ)(神庭)を結ぶ4本の細引き綱を「みどりの糸」といい、「道の注連(しめ)」とも呼ばれる。神の降臨や昇天の際の通路とされ、半開きの日の丸扇や日(赤い円盤)月(緑の円盤)の飾(え)り物が下げられている。
東西に延びるみどりの糸(道の

注連しめ

東西に延びるみどりの糸(道の注連)

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外注連そとじめ

 外注連(そとじめ)は、榊(さかき)で囲まれた一間四方のヤマ(杜)であり、祭場の中央地を示す。外注連の西側の柴垣(しばがき)に立てられた注連柱(しめばしら)と呼ばれる三本の青竹が神が降りてくる依代*(よりしろ)で、下部に円形の飾り(浮輪)と多数の御幣(ごへい)が飾られている。今回は、雨が予想されたので、御幣を護るためにビニール袋で覆われていた。
*依代:憑代。神霊が招き寄せられて乗り移るもの。樹木・岩石・人形などの有体物で、これを神霊の代りとして祭る。かたしろ。

外注連

4筋の「みどりの糸(道の注連(しめ))」が外注連の正面(東側)から神庭(こうにわ)(内注連)に導かれている。

外注連そとじめ

本体

外注連の本体

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  神楽宿神の降り立つみどり糸 北舟 
 

A kagura lodge,
Midori strings
the Gods descend to.

 
 

かぐらやど かみのおりたつ みどりいと

 

龍の飾り物

 外注連内側の南北両サイドには稲藁(いなわら)でできた龍の飾り物がある。山の神と水源神との関係を表すもので、高千穂地方の妙見(みょうけん)信仰*の根強さを表すものだとされる。
*妙見信仰:妙見は北極星のことで、北辰妙見信仰ともいい、北極星や北斗七星を祀る信仰で、俗に「妙見さん」と呼ばれる妙見菩薩は、北極星が神格化されたもの。

龍の飾り物

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神庭固めこうにわかため

 1448*
 神庭や外注連など、神楽宿における夜神楽の準備が全て整ったので、午後3時前から御祓や太鼓の打ち始めなど、宮へ行く前の儀式が始まった。  *1448:イベントの開始時刻。以下同じ。

神庭固め 1448

 神庭の儀式のあと、氏子たちは御神酒を酌み交わし、役割分担や段取りの打ち合わせを行った後、下川登地区の氏神である逢初天神(あいぞめてんじん)へ向かった。

御神酒と打ち合わせ

御神酒と打ち合わせ

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逢初天神あいぞめてんじん

 逢初天神は、下川登地区の氏神を祀る神社であり、木花咲耶姫*(このはなのさくやびめ)が祀られている。逢初天神という名から天神様(菅原道真(すがわらのみちざね))も祭っているともいわれる。

*木花咲耶姫:日本神話に登場する女神。一般的には木花咲耶姫と記される。また古事記では木花之佐久夜毘売、日本書紀では木花開耶姫と表記する。コノハナサクヤビメ、コノハナサクヤヒメ、又は単にサクヤビメと呼ばれることもある。オオヤマツミの娘で、姉にイワナガヒメがいる。ニニギの妻として、ホデリ(海幸彦)・ホスセリ・ホオリ(山幸彦)を生んだ。

逢初天神

 ここで「神迎えの神事」を行ったあと、氏神を揚輿(あげこし)に迎え、村々を巡幸(じゅんこう)した後、神楽宿に渡御(とぎょ)する。

神迎えの神事

神迎えの神事

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神迎えの神事が行われた後、神前で、2人の小学生による宮神楽が奉納された。

逢初天神での宮神楽

逢初天神での宮神楽

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神楽笛を吹く少女たち

神楽笛を吹く少女たち

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神楽奉納のあと、参加者や観客に重箱に入った豆腐一切れと御神酒が振る舞われた。

豆腐と御神酒の振る舞い

豆腐と御神酒の振る舞い

降臨

神庭 巡幸 地固 岩潜 地割 舞開 雲降 上平 明
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