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大神(だいじん)は、荒神(こうじん)の神威を大幣(おおぬさ 麻)として表し、麻緒(あさお)の力によって魔祓(まばらい)をして福を招来する力のこもった願神楽(がんかぐら)である。 |
神楽歌 |
○千早振(ちはやぶ)る 山田の原の 榊には 心の注連(しめ)を かけぬ日はなし |
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天照大神が天岩戸から出現したことを祝福する神楽。外注連(そとじめ)の前から舞いだして神庭(こうにわ)に入る。 |
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神楽歌 |
○ うれしさに われはここにて 舞ひ遊ぶ 妻戸もあけて 御簾(みす)もおろさず
○立ちかへり 立ち戻り 後ろの都の ふしぎさよ いわそそ川の 流れたへず
○岩戸いで 西の光の やわらかに しりくめ縄の しるしなるべし |
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祭り担当の神様、太玉命(ふとたまのみこと)が天香久山(あめのかぐやま)の榊を根ごと引いてきて、岩戸開きの神事のために岩屋の前に飾る舞。「伊勢」とともに「岩戸開き」の前提をなす重要な舞である。 |
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写真下は、太玉命が天香具山で榊を根ごと引き抜いているところ。天香具山は、高千穂町三田井浅ヶ部にあり、昔は女人禁制とされた霊地のひとつで、この地方の夜神楽に用いる榊は全てこの山で調達される。 |
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太玉命が裁着袴(たっつけばかま)に神面を着け、赤の肩だすきをかけるのは山の神を表すため。神話に着想した岩戸開きを展開する「柴引」から「二十九番 舞開(まいびらき)」までを「岩戸五番(実際には六番)」という。 |
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七段しばりの岩戸幣(約1メートル)を持って舞う。岩戸を探る舞で岩戸開きの準備である。 |
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神楽歌 |
○青にぎて 白にぎてたぶさの枝を 折りかけて 舞えば開く 天の岩窟戸 |
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天照大神が隠れている天岩戸を探し当てた手力男命が、岩屋の内部をさぐり天岩戸を押し開くために思案するさまを表現した神楽。鈴と岩戸幣を持って舞う。 |
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天鈿女命(あめのうずめのみこと)が天岩戸の前で調子面白く舞った舞で、神楽の起源ともいわれる。ウズメ(鈿女)とは巫女のことで、踊り狂いながら神を降ろすシャーマンだったという。日本神話では、天岩戸に隠れた天照大神を引き出すために性器もあらわに神懸かりの舞を見せた女神として知られる。 |
神楽歌 |
○いにしえの 天の岩戸の 神かぐら 面白かりし 末はめでたし
○千早振る 神のいわきに 袖かけて 舞えば開く 天の岩戸や |
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しかし、神楽では赤頭巾に笑みをたたえたオカメ(お亀)の女面をつけ、三段切りの御幣と扇を持ち、素襖(すおう)の袖を広げて優雅に舞うウズメである。基本の神楽腰をとらず、腰を伸ばした女性的な舞なので、男性の舞手にとってはとても難しいという。男神の力強さを象徴した手力男命の戸取(ととり)とは対象をなす神楽である。
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ウズメは、古事記の中ではわずか2つの場面に登場するだけだが、神楽、能、白拍子、遊女、歌舞伎に登場し、お多福(おたふく)やお亀(おかめ)の起源となり、日本の文化にとって非常に重要な役割を果たしている。昔はこのようなふっくらしている顔が美人とされていたという。 |
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手力男命が岩戸を取り除いて天照大神を迎え出す舞で、三十三番の中で最も力に満ちた男性的な舞である。手力男命が天岩戸を開いて岩戸を投げ捨てた場所は、「日向国・小戸(おど)の檍ヶ原(あわきがはら)」(現在の宮崎市阿波岐原町(あわきがはらちょう) )であるとされるが、「伊勢国・山田ヶ原」という説もある。 |
同じ手力男命の舞でも「二十六番の「手力男」での面は白面であるが、「戸取」では赤面となる。これは、渾身の力を込めるため、面が紅潮した状態を表している。 |
神楽歌 |
○榊とは いつの時日に 植えそめて 天の岩戸の 口と定めし
○青白の にぎてを枝に 折りかけて 舞うてぞ開く 天の岩戸を |
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天岩戸が開いた喜びの舞で、岩戸開きのフィナーレを飾る手力男命の舞が見事である。 |
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A village kagura
wearing God mask
with dancer's mind's eye. |
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しんめんの しんがんでまう さとかぐら |
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神主は、舞の中頃に、おごそかに天照大神が納められた筥宮(はこみや)の扉を開き、光が大地に充ち満ちたさまをあらわす。天照大神は、日本神話に登場する神で、現在では一般に女神とされることが多いが、元々は男神だったという説もある。太陽を神格化した神であり、皇室の祖神(皇祖神)とされる。古事記では天照大御神*、日本書紀では天照大神と表記されている。 |
*天照大御神:伊勢神宮においては、通常は天照皇大神(あまてらす・すめ・おおみかみ)、又は皇大御神(すめ・おおみかみ)といい、祭事の際、神前にて名を唱えるときは天照坐皇大御神(あまてらします・すめ・おおみかみ)という。学術的な文書ではアマテラスと片仮名書きされることが多い。 |
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神主は、筥宮(はこみや)の扉を開いた後、日月の鏡を手力雄に手渡す。 |
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手力男命は、日月の鏡を持って歓喜の舞いを披露し、奉仕者(ほしゃどん)全員が御幣を手に賀歌(ほぎうた)を歌う。 |
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「天の戸を押し分け出づるゃー 天の戸を」
「月と日を 双手にもちてゃー 舞あそぶ 月こそまされゃー 宵も照らしゃる」 |
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引き続き神楽歌に合わせ手力男の舞が続く。 |
神楽歌 |
○日向なる 逢初川の 畔にこそ 幾世結びの 神ぞまします
○今日の氏の 御祈祷さを鹿の 黄金の箱に 収めまします
○君が代の 久しかるべく 祈りして 今日は日月 納めまします |
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