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■■■ 「見付天神裸祭・浜垢離」速報! ■■■ |
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平成22年(2010)9月8日(水)、昨年に引き続き、日帰りで静岡県磐田市(いわたし)で行われた見付天神裸祭(みつけてんじん・はだかまつり)の浜垢離(はまごり)を密着取材した。朝4時起きしてJR青梅線の一番電車で東京駅に出て新幹線こだまで浜松駅まで行き、東海道線で磐田駅に着いたのが午前9時前。私と一緒に取材することになった曽根由香さん(さいたま市)の車で見付天神裸祭保存会事務局長の福代陽一(ふくよ・よういち)さん宅に行き、地元関係者のお世話になりながら感動写真を多数切り取ることができた。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
松原 |
放生会 |
祭/遠州灘福田海岸(静岡県磐田市) 2010.9.8 10:14 |
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パノラマ写真(2800X1200)602KB |
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▲▼ 今年の輿番(こしばん)を担当する権現(ごんげん)(東区)のチャーターバスで福田海岸に行き、関係者の準備の完了を待って予定通り松原放生会祭(まつばら・ほうじょうえ・さい)が催行された。ここで放生(ほうじょう)される命之魚(みょうのうお)は、何時の頃からか大原の大杉家の当主が捕獲して献上するのが習わしとなっている。大杉家では「かけ魚(うお)」と称し、必ず奇数匹の鯔(いな)(鯔ぼらの子)を献上する。去年は大きな篦鮒(へらぶな)だったが、今年は正規のボラの子だった。 |
今年 |
放生 |
される |
命之魚 |
(奇数匹のボラの子) |
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拡大写真(1400X1050)286KB |
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▼ 昨年と同じ小川に鯔(いな)を放流した後、神職ら祭事関係者は福田浜に移動し、祭壇を設営したあと、海浜の修祓(しゅばつ)が行われた。台風9号が三陸沖を東進しており、空模様が心配されたが、神のご加護か、祭事中に雨は降らず、無事に予定の神事が終わった。 |
鈴木俊彦宮司による |
祝詞 |
奏上/海浜の |
修祓 |
2010.9.8 10:40 |
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拡大写真(2200X1200)563KB |
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▼ いよいよ浜垢離(はまごり)が始まった。最初は、鈴木宮司ら神職が鉢巻と越中褌一丁の裸形になり、沖に向かって拝礼したあと、強風と荒波寄せ来る遠州灘に入水し、垢離(こり)を取った。 |
強風と荒波の遠州灘で垢離を取る鈴木宮司(右端)ら神職たち 10:51
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拡大写真(1600X1200)296KB |
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▼ 宮司ら神官たちの禊ぎが終わると、長老を肩車に御輿先供係(みこしさきともがかり)と書かれた浜印(はまじるし)を持つ旗手を先頭に、六尺褌一丁になった先供(さきとも)たちが氏子一番乗りで海に入り、禊をしたあと、荒波に洗われて丸くなった小石12個を拾い、浜砂と海水を桶に汲み取った。浜砂と海水は御大祭(ごたいさい)前日の「御池(みいけ)の清祓(きよはらい)」に、小石は御大祭の「御輿出御祭」に使われる。 |
海水・浜砂・浜石12個を採取する御輿 |
先供 |
係 |
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拡大写真(2000X1500)419KB |
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▼ 続いて黒烏帽子(くろえぼし)・白丁(はくちょう)上下・白足袋(しろたび)・草鞋(わらじ)姿の輿役(こしやく)たちが権現(ごんげん)の浜印を掲げ、一団となって海に入り心身を清めた。輿番だけは裸にならず、神輿を担ぐときと同じように上衣の袖を肩までたくし上げて背中で止め、袴の股立(ももだち)を取った勇壮なスタイルである。権現は、東区の觸番(ふればん)でもあるため、觸鈴(ふれすず)を打ち鳴らしながら垢離を取った。 |
浜印を掲げて垢離を取る御輿番/ |
権現 |
(東区) 10:57 |
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拡大写真(2050X1400)400KB |
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▼ 去年は西区の一番觸(いちばんぶれ)が祭組の先頭を切って海に入ったが、今年は西区の水陣(すいじん)が先陣を切った。去年、初めて取材して見事だった水陣だが、今年も大人から子供まで一人の衣装違反もなく、全員、祭組の鉢巻と褌を締め、模範的な美しい浜垢離を披露してくれた。 |
模範的な |
水陣 |
の美しい浜垢離(西区) 11:06 |
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▼ 続いて、西中区の舞車(まいぐるま)・元藏社(げんぞうしゃ)・天王(てんのう)・二番觸(にばんぶれ)の四つの祭組が一団となって垢離を取った。肩車の上で鈴を打ち鳴らしているのが二番觸の警固長の松本直希さん。保存会副事務局長をつとめられており、去年以来、大変お世話になっている。このグループも衣装統一が完璧で、素晴らしい浜垢離だった。 |
西中区は、四つの梯団(ていだん)のうち最小なので、今年から11の祭組を擁して最大規模を誇る東中区と行動を共にすることになった。御大祭では、四梯団三グループ、「西中区・東中区合同」で堂入りする。 |
舞車・元藏社・天王・二番觸(西中区)の浜垢離 11:08
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▼ 満を持して登場したのが大島秀敏警固長率いる西区の一番觸(いちばんぶれ)である。昨年の堂入りでは、最高の鬼踊りを披露し、また「おわたり」では山神社から出発する素晴らしい勇姿を見せてもらった。入水前から既に盛り上がっており、写真を撮る立場から見ると、常に絵になるパフォーマンスをみせてくれるため、見付天神裸祭の看板的存在である。 |
海に入る |
一番觸 |
(西区) 11:09 |
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拡大写真(1800X1300)305KB |
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たいふうの どとうよせくる はまのこり |
The beach purification, the surging waves of typhoon. |
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拡大写真(2000X1200)426KB |
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▼ 石川会長にお聞きすると、浜垢離に足を運んだ人たちは二千人は下らないという。磐田市の見付地区の人たちだけの祭りであり、しかも台風の荒天下にもかかわらず、平日にこれだけ多くの人たちが集まる熱意は、とても頼もしく、羨ましい。 |
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パノラマ写真(2900X1200)553KB |
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▼ 時間が経つにつれて、風雨が強くなり、浜垢離を早めに切り上げ、松原のお祭り広場で、御大祭の鬼踊りの練習を兼ねて、肩車をし、押し合いへし合い、「オイッショ、オイッショ!」の掛け声も勇ましく、地団駄踏んだ裸練りが繰り返し行われた。写真下は、裸祭の品位を汚(けが)すパンツ姿が隠れて見えなくなった瞬間で、ナイスショットである。常時、このような光景を目にすることができることを期待したい。 |
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拡大写真(2000X1550)663KB |
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▼ 浜垢離が終わり、お祭り広場での裸練りが終わると、祭組ごとに設営されたテントの下で、酒食をとりながら歓談する直会(なおらい)が開かれた。生憎の雨ではあったが、年に一度の家族と近隣との楽しいピクニックであり、ご馳走が沢山あり、このあと私もご相伴にあずかった。 |
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拡大写真(1600X1200)392KB |
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▼ 福代さんが所属する御瀧車(おんたきぐるま)のテントに石川大造会長がおられたので、楽しく歓談させて頂いた。写真下は今年から大きな助っ人となった曽根由香さんが私のカメラで撮影してくれたもの。皆さんの笑顔が素晴らしい! |
見付天神裸祭保存会・石川大造会長を囲んで/御瀧車(東中区) 12:07
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↓マウスのポインターで画像のどこかに触れると説明が現れます。 |
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拡大写真(2000X1450)418KB |
撮影:曽根由香 |
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パンツで神事の浜垢離に参加する子供たち |
エース的存在の祭組のあとは、衣装を気にしないグループが海に入ってきた。去年よりは格段に減っているように思えるが、私にとっては神聖な神事を汚(けが)す破廉恥(はれんち)な行為と映る。毎年全戸に配られているガイドブックの21頁には「禊(みそぎ)の身なりは町印手拭いのはちまき、晒布(さらし)の褌(ふんどし)とすること。」と明記されているが、今年もこの掟(おきて)を守らない若者や子供たちが目についた。 |
「学校は制服」と決まっているのに私服でやってくる生徒と同じである。祭りは義務教育ではないから、ルール違反者の参加を禁止してもまったく構わないが、保存会の石川会長や鈴木宮司は、忍耐強く、本人や親の自覚を促しておられるのだろう。違反者は、国から指定された重要無形民俗文化財の品位を傷つけているという認識がないのだろうか。 |
その親は、社会生活を営むために必要な躾(しつけ)を我が子にしなければならないときにその義務を放棄しているように思える。ルール違反をしても大目にみてもらえるとなれば、その子は世の中を侮(あなど)り、身勝手な自由を主張するようになるだろう。祭りは、子供たちにとって大事な社会教育の場である。祭組の長老や保存会の責任者、そして最後に神職から直接指導されない限り、守れないというのでは余りにも悲しい。このままでは、社会に出て初めてその厳しさを思い知ることになるだろう。そうなっては後の祭りである。 |
見付天神裸祭は、28の祭組が全て水陣のように衣装統一を果たした暁には、一人の装束違反者もない美しく統制の取れた博多祗園山笠(福岡)や西大寺会陽(岡山)、国府宮はだか祭(愛知)と共に日本四大裸祭として名乗るにふさわしい一流の祭として評価されると思われるので、もう一度褌を締め直し、一致団結して、美しい裸祭を披露して頂きたい。
2010.9.10 和田義男 |
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▼ 9月6日(月)、Wa☆Daフォトギャラリー・トップページのアクセスカウンターがうなぎ登りに増え、いつもは1日1万件程度だったのが、2倍の20,393件を記録した。 |
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1日のアクセス件数20,393件!/トップページ 2010.9.6 |
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▼ 原因が良く分からず、ランダムに調査中、この日、11,179件のアクセスを記録した「日本裸祭全集」の仕業だと分かった。この全集は、普段は多くても数百件程度だったのが、その50〜100倍ものアクセスとなった理由は、「2ちゃんねる」などで、誰かが「日本裸祭全集」の存在を紹介したものと思われる。 |
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1日のアクセス件数11,179件!/日本裸祭全集 2010.9.6 |
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その後も「日本裸祭全集」の異常アクセスが続き、9月7日(火)は9,801件、9月8日(水)は2,659件を記録。9月9日(木)には正常値に戻った。そのお陰でトップページのアクセスも9月7日(火)は18,659件、9月8日(水)は12,089件を記録した。 |
スイス氷河特急の事故に伴うアクセス急増と今回のアクセス増のお陰で、7月2日(金)に総計1,400万件を達成以来、68日間で71万4000件のアクセスがあり、1日1万件のペースよりも更に3万4000件ほど上回っているのが嬉しい。 |
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