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ケチャックダンス
Kecak & Sang Hyang Dance |
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▼ ケチャック kecak とは、インドネシアのバリ島で行われる男声合唱をいうが、呪術的な踊り サンヒャン Sang Hyang を伴う舞踏劇である。ケチャともいうが、バリ島では K は発音しないので、単に チャ という。 |
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ケシマンのケチャックダンス会場
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▼ デンパサール北東部のケシマンにあるウマデウィ劇場 Stage Uma Dewi で催行されているケチャックダンスは、午後6時半に始まる。A4一枚の日本語パンフレットには、Kecak & Sang Hyang Dance (ケチャ&サンヒャン・ダンス)と表示され、日本語でケチャックダンスと書かれていた。 |
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ケチャックダンスを上演するウマデウィ劇場
Stage Uma Dewi / ケシマン
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ケチャックダンスは、バリ島の数あるダンスの中でも最もユニークな踊りである。猿に扮した50〜100人の半裸の男性による「チャッ、チャッ、チャッ ・・・」という大合唱の中で物語が進行する。ガムラン楽器による演奏はないので、完全なアカペラによる舞踊である。猿に扮する男性が大勢いることから、「モンキーダンス」とも呼ばれることがあるが、本来は猿とは関係がないという。 |
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ポレン Poleng が飾られたステージ
/ ウマデウィ劇場(ケシマン) 18:04
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ポレン
Poleng |
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▲▼ バリ島を訪れると、寺院の神像や儀礼の祭壇、神木などに、白と黒の格子模様の布ポレン Poleng が巻かれているのをよく見かける。 |
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バリ・ヒンドゥーの宇宙観は、この世には善なる神々とともに、悪しき神々や悪霊たちも存在し、未来永劫終わることのない二極間のバランスの上に世界は成立していると見る。すべて自然は光と闇、善と悪、生と死という対になり、それらが複雑な波動を発し、濃密な場を生み出しているという。 |
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白と黒は、この二極をシンボライズしたもので、白色はイスワラ神を象徴し、黒色はヴィシュヌ神を象徴する。ヴィシュヌ神は、豊穣をもたらし、あらゆるものを悪から守る神であることから、ポレンは、魔除けとして使われる。 |
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写真上のように、寺院入口の両側に立つ像にもポレンが巻かれている。この像は、魔物が入ってこないように寺院を守るシンボルとして置かれている。写真下の男たちは、全員、魔除けのポレンを纏っている。 |
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ゆうやけて けちゃっくだんすの いにそえり |
The evening glow, just as wanted for the kecak Dance. |
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▲ 中央から現れた白衣をまとった人がブマンクと呼ばれる僧侶である。手に聖水の入った瓶をもっており、最初に清めの儀式が行われる。日本の祭の始まりに神職による御祓いがあるのとよく似ている。 |
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ケチャックダンスは、『ラーマーヤナ』物語を題材としたバリ舞踊が円陣の中央の空間で行われる舞踊劇である。男達はリズムを刻むだけでなく、劇の進行に伴い合唱することもある。また、手や体の動きで、劇の雰囲気を盛り上げる。 |
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シータ姫(左)とラーマ王子(右)が遊ぶ広場に黄金の鹿(上)がやってくる 18:42
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▲▼ ラーマ王子とシータ姫、王子の弟ラクサマナ王子が広場で戯れていると、黄金の鹿が現れる。シータ姫は王子に鹿を捕まえるよう依頼する。ラーマ王子が鹿を追ってその場を離れると、悪の大王ラワナが現れ、シータ姫をアレンカ宮殿へ連れ去る。 |
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シータ姫が宮殿の庭で嘆き悲しんでいると、白猿ハヌマーン(ハノマン)が現れ、ラーマ王子がいつも身に付けている指輪とメッセージを見せる。シータ姫は、助けて欲しいというメッセージと髪飾りをハヌマーンに渡し、ラーマ王子に届けるよう依頼する。 |
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シータ姫の前に白猿ハヌマーン現る 19:00 |
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▼ 助けにやってきたラーマ王子と弟のラクサマナ王子は、悪の大王ラワナの息子であるメガナダと闘うが、魔法の矢に討たれて、囚われの身となってしまう。 |
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大王ラワナの息子メガナダの魔法の矢に討たれたラーマ王子(右)とラクサマナ王子 19:05
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▲▼ そこへガルーダがラーマ王子と弟のラクサマナ王子を助けにやってくる。更に、猿の王であるスグリワが猿の援軍を引き連れて現れ、メガナダと戦う。 |
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▲▼
決戦の末、猿の援軍が勝利し、ラーマ王子と弟のラクサマナ王子が解放されると、白猿ハヌマーンがシータ姫とともに現れ、王子と再会を果たす。 |
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▼ ラーマ王子は、シータ姫と弟のラクサマナ王子と共にアヨディア宮殿に凱旋し、いつまでも幸せに暮らした。 |
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ケチャックダンスは、バリ人と共にバリ芸術を開花させたドイツ人画家ヴァルター・シュピースが、男声合唱のみによる『ラーマーヤナ』の物語を組み込んだ舞踊を提案し、1933年にプドゥル村民がボナ村民と共に、総勢160名で試みたのが嚆矢(こうし)であるとされる。 |
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その2年後の1935年に、ボナ村民が更に発展させたケチャックダンスを上演し、これが原型となり、1950〜60年代には、観光用に上演される舞踏劇としての様式が確立した。現在では、ケチャックダンスはバリ島のみならず世界中に広がり、日本では芸能山城組が公演している。海外旅行のガイドブック「地球の歩き方」では、「ケチャ」として解説されている。 |
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アヨディア宮殿で幸せに暮らすラーマ王子とシータ姫
19:17
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サンヒャン・ドゥダリ・ダンス
Sang Hyang Dedari Dance |
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▼ 続いて、サンヒャン・ドゥダリ・ダンス Sang Hyang Dedari Dance が披露された。サンヒャンとは神聖、ドゥダリは天使の意である。バリ島の伝統的な舞踏で、疫病が蔓延したときなどに、初潮前の童女を媒体にして祖先の霊を招き、加護と助言を求めるものであった。 |
儀式は寺院で行われ、村の男女の合唱が始まると、トランス状態になった処女である二人の童女が取り憑かれたように踊る。プマンクと呼ばれる白装束の僧侶が少女たちに聖水を振りかけると、二人は正気に戻る。 |
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サンヒャン・ジャラン・ダンス
Sang Hyang Jaran Dance |
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▼ サンヒャン・ジャラン・ダンス Sang Hyang Jaran Dance は、トランス状態に入った少年がジャランと呼ばれる馬の模型にまたがって、燃え盛る椰子の塊の上で踊るダンスである。 |
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▲▼ 篝火(かがりび)に導かれてトランス状態になった少年は、火の熱さを感ぜず、踊りながら炎の中に飛び込む。 |
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▲▼ 舞踊と云うより、修験道の火渡りのように、炎の中に生身で飛び込む度胸試しといった感があり、別名を「火渡りのサンヒャン」と呼ばれるのに納得する。 |
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▲▼ 公衆の面前で、生身のまま、火に入る動作を三度繰り返す。写真は三度目の模様で、最後に炎の中に座り込んだ男性は、背後から二人の男性に救出される。舞踊とは言い難いものの、火傷覚悟のパフォーマンスであり、圧倒される。 |
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▼
乾燥させた椰子の実の殻に油を注いで火を着けるので、危険防止のため、観客席は、舞台からかなり離れている。舞台に煙が立ちこめる中、オールキャストによる挨拶があり、約55分の公演は無事終了した。 |
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終わった後、観客たちは舞台にあがり、踊り子たちと記念写真を撮ることができる。一足先に舞台にあがって踊り子たちを接写したが、衣装が艶やかでとても美しかった。 |
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▼ ケチャックダンスを観賞した後、サヌール Sanur に移動して「レゴン・レストラン」という店で、レゴンダンスを楽しみながら遅い夕食を取った。
メニューは、ロブスターなどの魚介類を中心としたバリ料理である。 |
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レゴンダンスを見ながら夕食 / サヌール
20:08
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▲▼ ステージでは、若い女性が宮廷ダンスのレゴン Legong を惜しみなく披露してくれた。演奏のガムランはCDのようだったか、音響効果が良く、生演奏のように思えた。このコースがバリ観光で最も人気のある「バリ島達人ツアー」であり、これで大人一人99ドル(約8000円)では、申し訳ないほど安く、満足感の高いツアーだった。 |
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