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▼ やがて男たちは、歳戸木(さいとぎ)の燃えさしを引き出し、地面や拝殿に叩き付け、飛び散る火の粉で邪気を払
い始めた。このシーンは、黒石寺蘇民祭でお馴染みである。 |
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歳戸木 |
の燃えさしを叩き付けて火の粉で参道を浄める |
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拝殿を守っている長老がいた。邪気払いの所作を見て、「まだまだ」、「やり直し」などと言いながら、燃えさしの木を踏みつけたり、押し戻したりして邪魔をする。これも黒石寺蘇民祭と同じで、すんなり通さないところが面白く、見所の一つとなっている。 |
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はつはるや やけぼっくいの じゃきばらい |
Early spring, exorcism by a half-burned stick. |
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▲▼
拝殿内部の壁や床は、長期間に
わたって邪気祓いの燃えさしが打ち付けられてきたために、焦げ跡があり、墨が塗りつけられたように黒ずんで汚れている。 |
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▼ 井桁に組まれた歳戸木(さいとぎ)が燃え上がると、その火力に圧倒され、全員遠巻きになって暖を取ることになった。歳戸木(さいとぎ)の炎上は、「岩手の火まつり」を象徴する美しい光景で、さすがに元気な褌衆も早々に退散してしまった。 |
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▼ 火たき登りの余韻が覚めない頃、四角(しかく)登りと同じように、角灯(かくとう)と手木(てぎ)を持った褌衆の邪気祓いの行列に続き、別当の菊池与(きくち・あとう)さんが蘇民袋や法螺貝の山伏、神楽、保存会員たちと共に拝殿に登り、厄払いと五穀豊穣を祈願した。 |
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▼ 午後11時頃から鬼子(おにご)登りが始まった。この行列は、全員、黄色の鉢巻を締めるので直ぐに分かる。父親に背負われた7歳の男の子が麻衣(あさぎぬ)に鬼の面を身につけて神社に登り、無病息災を祈念する。 |
蘇民袋争奪戦を撮影するのに最適な拝殿・中二階の場所取りのため、拝殿から離れることができず、鬼子登りの鬼子や鬼の面などは撮影できなかった。 |
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▲▼ 拝殿の中二階に陣取っていると、黄色の鉢巻をした鬼子登りの一行が拝殿に入ってきたところを撮影することができた。魔除けの梵天は、竹製のものが持ち込まれた。 |
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黒石寺蘇民祭と同じように、鬼子登りから蘇民袋争奪戦へと途切れなく続くので、争奪戦の渦の上に飛び降りるため、はやばやと拝殿の格子に取り付き、気勢を上げる男たちが現れた。 |
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▼ やがて御神火から移された松明(たいまつ)の火で拝殿(外陣)が清められ、蘇民袋争奪戦の準備が完了した。 |
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▼ 蘇民袋争奪戦は、五穀豊穣と無病息災を願い、故事に習って疾病の護符である将軍木(かつのき)で作った小間木(こまぎ)(蘇民将来そみんしょうらい)が入った蘇民袋を奪い合う行事である。小間木と蘇民袋を手にした者は、災厄を免れるという。 |
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蘇民袋は平安時代の蝦夷(えみし)の酋長・アテルイ(阿弖流為)の首にみたてたものといわれる。アテルイは胆沢(いさわ)地方に勢力を持った蝦夷(えみし)の首領で、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)率いる大和朝廷軍と戦って敗れ、後に処刑された。 |
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▲▼
1月17日(日)午前零時前、黄色の鉢巻をした保存会の役員が格子に取り付き、口に小刀をくわえて裸の群衆の中に飛び降り、蘇民袋に切口(きりくち)を入れて、小間木を取り出せるようにした。
争奪戦の端緒となるこの大事な儀式は、保存会では「刃物入れ」と呼んでいる。ちなみに、黒石寺蘇民祭では「刀入れ」と呼び、全裸の親方が行うが、熊野神社では、役員や一般参加者の祭り装束は、白晒の腹巻・前袋式六尺褌に統一されている。 |
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▲▼
刃物入れをした役員は、一度格子に退避し、小刀を安全な場所に移した後、再度渦に乗り、気勢を上げていた。佐藤由吉(さとう・よしきち)保存会会長に聞くと、人によりやり方が変わるといい、刃物入れは、保存会の役員の中から交代で行っているという。 |
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▲▼
蘇民祭のフィナーレを飾る争奪戦は、熱気を帯び、小間木の争奪が一段落して、袋が空になったころ、蘇民袋を奪い合う人の渦が拝殿から境内に移動し、雪上で激しい揉み合いが続いた。 |
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びゃっこんの うずさんどうに ゆきよかな |
A night of snow, a human vortex of white loincloth appeared on
the approach to the shrine. |
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▲
午前1時半頃、決着が付き、審判により取主(とりぬし)が決まった。終了時、蘇民袋の縛り口に最も近い場所をつかんでいた人が取主(1位)に認定され、3位まで表彰される。そのほかに、努力賞もある。 |
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住居:埼玉県さいたま市(旧 大宮市)
趣味:写真撮影、MyCarスプリンターの 車内で生活する事 |
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特技:何処でも寝れる事、運転免許第一種は制覇(第二種は普通二種と大型二種 のみ取得) |
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最近は急に寒くなってきました。これから冬の雪景色が楽しみな反面…怖いですね。
岩手県の伊手熊野神社蘇民祭に、大阪から向かっていた時はちょうど北陸が大雪・吹雪の中で…命がけで現地到着した感じでした。大阪→岩手コースならば、関東首都圏を経由すれば、大雪・吹雪の中を通過しなくてもすんだのですが、関東首都圏を通過しないで行けば、高速代も安くすむため(金曜日→土曜日に行ったので)に北陸に向かい走行し、命がけのETC割引になってしまいました。
大阪から…阪神道→名神道→中央道→上信越道→北陸道→磐越道→東北道で岩手県と移動しましたが、暗くなってから走行していた上、信越道・北陸道・磐越道は本当に大雪・吹雪で大変でした。妙高や磐梯山あたりは命の危険を感じました。
高速走行してる車はほとんどありませんでしたが、スピンしてぶつかって動けなくなった車はいたるところにいて、上信越や北陸道は、私が通過したあとから、通過してきた場所は次々に通行止めになってました。(ハイウェイラジオより)雪で通行止め直前の高速道路は本当にやばいです。
途中で家族に電話して“もしかしたら事故るかもしれない”と連絡した位ですから。何かある前に家族の声を聞いておこうと思い… 雪は綺麗ですが本当に怖いです。
はだか祭りに参加される方々も寒い雪の中ではだかで耐える精神は素晴らしいですね。風邪をひいたり、風邪をこじらせて肺炎になどなったりしない様に…頑張ってもらいたいです。
今年も冬の雪国を思い出しながら、11月末に冬タイヤ+冬ワイパーに交換します。 |
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こゆきまう ひたきのぼりや しろふどし |
A light snowfall, white loincloth of climbers on the smoking
piles of Hitaki lumber of holy fire. |
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編集子の選ぶ傑作 |
火たき登り( |
柴燈木登 |
)の晴れ姿! 21:33 |
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本日、曽根由香さんの第4作が完成した。蘇民祭といえばセクハラポスター事件で全国的に知られた奥州市水沢区(旧水沢市)の黒石寺蘇民祭が有名だが、今回は、神社の蘇民祭を作品化することができた。 |
保存会のパンフレットによると、岩手県では、かつては20を超える寺社で蘇民祭が行われていたが、時代の趨勢で廃絶するところが相次ぎ、現在では10箇所で蘇民祭が行われているという。そこで、internetで検索してみると、8箇所を確認することができた。 |
このうち、完全に古来の裸褌姿で行っているのは、黒石寺と熊野神社以外では、花巻市・胡四王(ごしおう)神社蘇民祭(1月2日)と岩手県胆沢郡金ヶ崎町の長岡蘇民祭(1月31日)だけだった。後者は、20年ほど前から始まった町おこしのイベントなので、古来の伝統を受け継ぐ裸祭りは、胡四王神社蘇民祭だけということになる。 |
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あとの4箇所は、ズボンと上半身裸が混じって行うところが2箇所、裸にならないところが2箇所と、すべて変質している。熊野神社蘇民祭保存会の佐藤由吉会長も、高齢化と参加者の減少で、この先どうなるか分からないという。黒石寺蘇民祭の山本グループのような都会に住む元気な青年たちが加勢すべきときにきているといえる。 |
謝 辞 |
このたび、ウチノメ屋敷 レンズの目 を主催する及川寿郎さんから 2010奥州市伊手・熊野神社蘇民祭 に収録されている写真の中から7枚を使わせて頂いた。お陰様で、伊手熊野神社蘇民祭の全体像を再現することが出来、この作品に変化と奥行きが生まれたことに感謝申し上げたい。
なお、奥州市にお住まいの及川さんが激写された東北の祭りは、祭りアラカルト にあるので、 推奨させて頂く。及川さんは、これまでに8箇所の蘇民祭を収録されており、残り2箇所も来年早々に取材し、10箇所全部の蘇民祭を網羅したいという。これは及川さんにしかなしえない素晴らしい試みであり、日本の歴史民俗学の貴重な映像資料になることだろう。私も及川さんの作品を見て、来年1月2日に行われる胡四王神社蘇民祭を取材したいと考えているので、ご期待願いたい。〈 完 〉 2010.11.19 監修 和田義男 |
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感動写真集第145集 / 日本の裸祭り第122集 「伊手熊野神社蘇民祭」 |
撮影
・原作 :曽根由香 監修:和田義男 |
平成22年(2010)11月15日 作品:第34作 画像:(大36+小1) 頁数:2 ファイル数:81 ファイル容量:17MB
平成12年(2000)〜平成22年(2010) 作品数:382 頁数:1,466 ファイル数:60,886 ファイル容量:9,063MB |
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お便りコーナー(抜粋) |