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はじめに |
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平成23年(2011)1月2日(日)、岩手県花巻市(はなまきし)胡四王山(こしおうさん)(176m)山頂に鎮座する胡四王神社(こしおう・じんじゃ)(杉山昌之すぎやま・まさし宮司)で蘇民祭(そみんさい)が開催され、胡四王神社蘇民祭保存会の全面支援により、密着取材を行った。 |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示 |
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Google Earth |
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▲▼ 東京駅から東北新幹線に乗ると、約3時間で田園に囲まれたJR新花巻駅に着く。駅から歩いて15分ほどで胡四王神社の社務所に着くが、早朝の準備の模様を取材するため、元旦に新花巻駅西方徒歩5分のペンション「ケンジの宿」に一泊した。 |
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
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Google Earth |
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冬の |
胡四王山 |
2011.1.27 08:24 |
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
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拡大写真(1600X900)187KB |
撮影:菊池寛一 |
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▲▼ 胡四王神社は、新花巻駅から西南西
約1.2kmにある胡四王山(こしおうさん)山頂(176m)に胡四王地区の鎮守社として建てられている。蘇民祭前日の元旦、地元の氏子たちが総出で表参道の除雪を行った。 |
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胡四王山 |
表参道の除雪 2011.1.1 09:40 |
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
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拡大写真(1100X1200)207KB |
撮影:菊池寛一 |
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▼ 1月2日(日)朝8時過ぎに胡四王神社蘇民祭保存会の菊池寛一さんがケンジの宿に迎えに来られ、一緒に圧雪の上を歩いて社務所に向かった。表参道の入口に蘇民祭の案内標識が立っており、TBSテレビが取材していたので、幸運にも松明(たいまつ)が燃えているところを撮影することができた。 |
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表参道入口に立つ |
胡四王 |
神社 |
蘇民祭 |
の案内標識 2011.1.2 08:18 |
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
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拡大写真(1800X1430)655KB |
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▼
間もなく、石造りの一の鳥居が見えてきた。そばには、「鎮守
胡四王神社」と彫り込まれた立派な石碑が立っている。鳥居の奥に見える赤鳥居から胡四王山(こしおうさん)山頂(176m)に鎮座する胡四王神社まで、約400mの山道が続いている。赤鳥居の手前を左折すると社務所がある。 |
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一の鳥居は、胡四王神社拝殿前から始まる蘇民袋争奪戦のゴール地点である。蘇民袋の口を掴んでこの鳥居を通過した選手が取主(とりぬし)となり、優勝旗と取主半纏を手にする。 |
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社務所に着くと、広場の入口に「胡四王蘇民祭 蘇民参加者受付」の看板が設置され、胡四王蘇民祭保存会の半纏を着た役員が応対していた。奉賛金500円を払って選手名簿に住所氏名を登録すると、蘇民袋争奪戦に参加することができ、今年は82名が選手登録された。 |
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
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社伝の古文書によれば、大同2年(807)、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が東征の折、将兵の武運長久・無病息災を祈願して兜に納めた薬師如来の小像を安置して開山。稗貫(ひえぬき)氏時代は、天台宗・医王山胡四王寺(いおうざん・こしおうじ)と称し、末寺18ヵ寺を擁して大いに栄えた。 |
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
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南部藩時代の文化15年(1818)に別当が祀官(しかん)となってからは、薬師如来を医薬の神「大己貴命(おおなむちのみこと)」(別名「大国主命」)と「少名彦命(すくなひこのみこと)」に代え、矢沢神社となった。町村合併で花巻市となった昭和29年(1954)、社名を矢沢神社から胡四王神社に変更し、今日に至っている。 |
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
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胡四王神社の蘇民祭は、花巻地方に原因不明の難病が流行したことから、蘇民将来の説話に基づき、今から150年ほど前の慶應元年(1856)から始まったと伝えられている。 |
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この伝統ある蘇民祭も戦後の混乱期に衰退し、中断の憂き目に遭ったが、昭和49年(1974)に復活し、平成2年(1990)には「胡四王神社蘇民祭保存会」が発足、平成7年(1995)には「花巻市無形民俗文化財」に指定され、磐石の体勢となって今日に至っている。 |
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
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▲▼ 菊池さんに案内されて宮司宅そばの支度部屋に行くと、参加者たちが褌を締めていた。一反の白晒木綿を使い、手慣れた手つきで、あっという間に前袋式六尺褌・腹巻姿の裸男ができあがった。 |
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
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拡大写真(1400X1050)115KB |
撮影:菊池寛一 |
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男たちは、褌の上に「まわし」と呼ばれる注連縄(しめなわ)をつけるのが胡四王蘇民祭の特徴である。白鉢巻を前結びに締め、白足袋を履いて身支度が整った。 |
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
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▼
この日、TBSの男性記者が体験取材のため、褌一丁になった。この後、蘇民袋争奪戦までがビデオ録画され、1月4日(火)16:53〜19:00の間に、NスタNトク「裸に罵声に泥相撲!?仰天!新年の奇祭密着」というタイトルでセンセーショナルに放映された。 |
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
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拡大写真(1600X1300)248KB |
撮影:菊池寛一 |
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▼ 社務所前の広場では、参加者たちが焚き火を囲み、暖を取っていた。晴天に恵まれた2日の外気温は-5℃と冷え込んでおり、地面は全て雪に覆われ、焚き火も圧雪の上である。身支度を調えた裸衆は、防寒着をはおり、足袋だけでは寒いので、藁束に乗ったり、サンダルを履いたりしている。 |
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暖を取りながら社務所広場で待機する参加者たち 08:50
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
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拡大写真(1800X1150)413KB |
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▼ 社務所の玄関を入ると、賽銭箱とカラフルな鈴紐があり、奥の遙拝殿(ようはいでん)に向かって参拝できるようになっている。幸運にも毎年参加する家族が二礼二拍手一礼の作法により参拝しているところに出会えた。奥の少年は、平成20年(2008)のクボタのカレンダーに登場して話題となった。 |
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遙拝殿に向かって参拝する親子の参加者/社務所玄関 09:00
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クボタのカレンダー |
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
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▼ 社務所玄関の奥は、そのまま遙拝殿(ようはいでん)となっており、奥の祭壇には、蘇民袋が安置されていた。 |
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
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▼ 麻布で作られた蘇民袋は、縦35cm・横18cmの大きさがあり、中には、境内の桜の木で作られたコマ(コマギ)156枚(十二支の焼印のもの12組、今年の干支/卯 12枚)と親札(おやふだ)1枚が入れられ、こぼれ出ないように口紐で結わえられている。
袋の表面には、「国家安穏 四王蘇民袋 五穀豊穣」と墨書されていた。 |
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
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▼ 午前9時になると、社務所に隣接する胡四王研修館で、審判長会議が行われ、中島秀樹保存会会長の挨拶のあと、最後の打ち合わせや段取の最終確認が行われ、列席した14人が今年の審判をつとめることになった。 |
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審判長会議で挨拶する |
中島秀樹 |
保存会会長/胡四王研修館 09:02 |
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鎌田清孝審判長 |
佐藤昭男実行委員会会長 |
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中島秀樹保存会会長 |

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拡大写真(2000X1500)480KB |
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▼ 午前9時過ぎから、社務所前広場で4人の褌衆による恒例の餅つきが行われた。1辺が2.3mの餅搗場(もちつきば)の四方に注連縄(しめなわ)が張り巡らされており、その中心に稲藁が穂の部分を中にして丸く敷き詰められ、その上に木臼(きうす)が置かれている。 |
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褌衆 |
による餅つき/社務所前広場 09:10 |
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
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拡大写真(1800X1350)428KB |
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▼ 千本杵(せんぼんぎね)を持つ3人の男たちが蒸し上げた餅米を練り合わせ、やがて交互に木臼に杵を打ち付けながら餅を搗(つ)きあげる神事が執り行われた。 |
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
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拡大写真(1800X1350)422KB |
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
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拡大写真(1350X1800)504KB |
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
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拡大写真(1800X1600)616KB |
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もちをつく せんぼんぎねの ふどししゅう |
Men of loincloth, pounding steamed rice with a mallet. |
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
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拡大写真(1800X1350)471KB |
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
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拡大写真(1600X1500)274KB |
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