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毎年4月から
LOM (ロム)大会と呼ばれる地区ごとの予選大会が全国200箇所を超える地域で始まる。LOM大会と呼ばれるのは、各地方の青年会議所が中心になって行われ、その地方青年会議所のことを LOM(ロム)
Local Organization Member
と呼ぶため。 |
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LOM大会で勝ちあがると、ブロック大会と呼ばれる都道府県代表を決める最終予選大会が開かれる。(活発でない都道府県(のJCI)では開かれない。)ここで代表に選ばれた最大150チームの選手たちが、東京は両国国技館の大相撲と同じ土俵にあがり、各学年のトーナメント形式の取組が行われる。地方大会からの参加者は、総勢約40,000人。まさに、日本の小学生力士の晴れ舞台である。 |
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ちなみに、選手や引率者たちの旅費・宿泊費は全て大会関係者が負担し、わんぱく力士たちは、都内の相撲部屋に宿泊する。相撲道を志す彼らにとっては、素晴らしい体験であり、夢舞台である。 |
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わんぱく相撲のロゴマーク「わんぱく小僧」 06:49
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個人戦の各学年の優勝者には、大会実行委員会から「わんぱく横綱」の称号が贈られる。わんぱく横綱は、翌年の全国大会で大相撲の横綱とほぼ同じ横綱土俵入りを披露することができる。わんぱく横綱のうち大相撲入りした主な者には、普天王水(ふてんおう・いづみ)(熊本県)、豪栄道豪太郎(ごうえいどう・ごうたろう)(大阪府)などがいる。 |
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このたび、わんぱく相撲全国大会の一部始終を撮影できたのは、静岡県チームを応援するために両国国技館に来られた杉浦弘さんから事前にお誘いがあったからで、強豪・静岡県チームの密着取材が実現した。 |
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杉浦さんとは、朝7時の開門時に正面玄関で落ち合った。「國技館」の扁額が掲げられた正面玄関(東面)は、開門時、ラッシュ状態で撮影できなかったので、後刻、撮影した。(写真下) |
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▼ この日の入場は無料。7時の開門時、リュックサックなどを開けて所持品検査を受け、無事にパスして中に入ると、フロント・ロビーでガイドブックと団扇をもらった。 |
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フロント・ロビーでガイドブックと団扇をもらう 07:12
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▼ ガイドブックの表紙に描かれたイラストは、漫画家・ちばてつやが描いたもの。今年のスローガンは、「夢への挑戦〜強い心と感謝の気持ち〜」。
"Challenge the Dream"- Have a strong mind, and be grateful - |
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第30回わんぱく相撲全国大会のガイドブック/両国国技館
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資料:東京青年会議所 |
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ガイドブック
に掲載されたこの日のタイムスケジュールは、12時間もの長丁場だった。撮影する筆者にとってもかなりな重労働だったが、大会関係者にとっては更に大変な負担で、頭が下がる。 |
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資料:東京青年会議所 |
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わんぱく相撲全国大会のガイドブックにおさめられている成績表には、最近では青森県の「五所川原」や熊本県の「宇城(うき)」、鹿児島県の「奄美大島」などが強豪チームである。その中に、一昨年の第28回大会で5年横綱(下橋颯斗くん)と団体優勝に輝いた静岡県の「富士山静岡」の名があった。 |
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時代を遡(さかのぼ)れば、第4回大会で「浜松」の姫野充雄くんが5年横綱に、第9回大会では「三島」の礒部洋之くんが6年横綱になっている。礒部くんは大学卒業後角界入りして磋牙司(さがつかさ)を名乗り、2011年9月場所で、西前頭9枚目になった。過去に関取を輩出している静岡県勢は、誰もが認める強豪チームだった。 |
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資料:東京青年会議所 |
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両国国技館のフロント・ロビー左(北)側の壁を飾る絵は、織田信長の上覧相撲を描いたもの。「信長公記」によると、元亀元年(1570)3月3日、信長は、近江国常楽寺で国中の相撲取りを集めて上覧相撲を催し、勝者の鯰江(なまずえ)一郎・青地与右ェ門に熨斗付(のしつき)の太刀・脇指を授け、両者を御家人に召しかかえたという。 |
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フロント・ロビー左(北)側の壁画「信長の上覧相撲」/両国国技館
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フロント・ロビーの右(南)側には、わんぱくグッズ販売カウンターがあり、わんぱく小僧をあしらったバスタオル(2000円)、ポロシャツ(2700円)、Tシャツ(2000円)などが売られていた。 |
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わんぱくグッズ販売カウンター/フロント・ロビー右(南)側
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フロント・ロビーには、座席表が掲示され、各チームに枡席が割り振られていた。今回、密着取材することになった静岡県の富士山・浜松城・美保の松原・駿河湾の4チーム12人の控席は、正面・報道席の東(実際の方角は北)隣りにあり、有り難いことに、筆者は美保の松原の枡席に三脚を立て、最良のポジションで撮影することができた。 |
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館内には、参加チームの一覧表が張り出されており、今年は高知県と島根県を除く45都道府県とモンゴル(初参加)から132チーム396人が参加している。各都道府県のチーム数は、1〜4とばらつきがあるが、これは地方の青年会議所(JCI)の活動が活発かどうかで決まる。地方大会の開催や東京への派遣には労力と資金が必要なので、他の行事を優先するところは、派遣が無いか少ないことになる。 |
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静岡県は、最大枠の4チーム12人を派遣している。残念なのは、私の出身地で相撲が盛んな高知県が47都道府県の中で唯一今までに一度も参加していないと聞く。高知のJCI諸君、おまんらぁ、いままでなにしよったぜよ! |
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各チームは、東西の支度部屋に割り振られているが、支度は枡席で行い、支度部屋はウォーミングアップに使われる。残念ながら関係者以外は立入禁止となっていたので、支度部屋の様子は撮影できなかった。 |
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わんぱく相撲に情熱を燃やす静岡県(のJCI)は、4月から6月にかけて三島市立錦田中学校を皮切りに磐田市営相撲場や静岡市城北運動場相撲場など9箇所でLOM
大会を開催したのち、6月22日(日)、浜松市遠州灘海浜公園にてブロック大会を行い、各学年ともベスト4までの4人、総勢
3x4=12人が4チームに分かれて全国大会に臨んだ。各学年の優勝者が「富士山」チームで、その他の選手は、「浜松城」「美保の松原」「駿河湾」の3チームに振り分けられた。 |
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館内に入り、静岡県チーム「美保の松原」の枡席に陣取り、三脚を立て、ベストポジションから撮影を開始した。なお、一階は全て指定席だが、二階は自由席となっているので、誰でも無料で観覧することができる。 |
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静岡県チーム「美保の松原」の枡席に陣取る 07:25
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▼ 静岡県磐田市福田(ふくで)にお住まいの杉浦茂さん(72歳)は、平成23年(2011)9月、見付天神裸祭の取材で静岡県磐田市の大孫(だいまご)に宿泊した際にお会いしたのが御縁で、交流が始まった。 |
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合併して磐田市になる前まで福田町の文化財保護審議会長を務められた杉浦さんは、相撲史跡研究と相撲資料蒐集の大家で、ご自宅に相撲博物館があり、internetで
相撲古美術
のサイトを運営する相撲通である。かつては、自ら土俵に上がり、子供たちに胸を貸して、磐田市の小学生たちの相撲指導に当たり、わんぱく相撲全国大会の副審判長を務められたこともある功労者である。 |
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磐田市の大孫でお会いした際、相撲古美術の収蔵品の中から、私の関心が高いと予想して平安朝相撲絵巻を持参されたので、撮影させて頂き、Wa☆Daフォトギャラリーに発表した。
ふんどし談義 / 066 平安朝相撲絵図 |
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奈良時代、聖武(しょうむ)天皇(在位724-749)が天平6年(734)7月7日に相撲をご覧になり、これ以降、宮中では、国家安泰と五穀豊穣を祈願した「相撲節会(すすまいのせちえ)」として秋に相撲を取るのが年中行事化したという。俳句で「相撲」が秋の季語となっているのは、そのためである。 |
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▼ 枡席で選手たちがまわしを締め始めた。参加人数が多いので、支度部屋ではなく、衆目の集まる土俵のまわりで更衣することになったのだろう。 |
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選手たちは、肌の上に直接白まわしを締める。杉浦さんによると、地区大会では参加者を増やすためにパンツの上にまわしを締める「パンツまわし」を認めるJCIもあるそうだが、磐田市では認めておらず、また、浜松市で行われるブロック大会も禁止しているという。もちろん、相撲の聖地・両国国技館で行われる全国大会は、伝統文化に反するものは一切認められない。 |
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▼ そして、わんぱく力士たちは、前褌(まえみつ)にチーム名と各学年ごとに1から132までのどれかに割り振られた選手固有の番号を手書きしたゼッケンを付ける。 |
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わんぱくの なつのせいちや こくぎかん |
Kokugikan, the
sacred place of naughty boys in summer. |
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▼ 今年、磐田市から全国大会に出場できたのは、6年生の藤井励士くん只一人。応援に駆けつけた杉浦さんや磐田市民の期待を一身に背負って立つ藤井くんは、見るからに頼もしい。大相撲の土俵を背景に記念写真を撮ったが、彼にとって貴重な1枚になったことだろう。 |
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「美保の松原」6学年117番の藤井励士くん 07:36
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