シャモニに一泊した後、ツアー６日目の７月12日（水）は、レマン湖畔のシオン城に行った。中世の名城シオンは、モントルー Montreux のそばにある。モントルーは丁度ジャズ・フェスティバルの最中だった。

　湖に浮かぶ要塞のように見えるシヨン城は、９世紀にイタリアからアルプスを越えてやってくる東方商人たちに通行税や関税をかけるための関所として造られ、13世紀までに現在の形になったという。

　カトリック信者であったフランスのサヴォワーヴ公がこの地を支配していたとき、ジュネーブの宗教改革者フランソワーズ・ボニヴァルがここに幽閉されていた。バイロンは、彼を主人公に叙事詩「シヨン城の囚人」を詠った。

　日本人女性ガイドの三輪（みわ）さんに案内され、シオン城内を見学。絞首台のある牢獄や武器・鎧などが展示されており、中世の城がどういうものか、十分に知ることができた。売店では貴重な白ワインが販売されていた。

　メインストリートのど真ん中で1218年から時を刻み続けてきた時計塔は、ツィットグロッグの愛称で市民に親しまれている。かつてはここが町の西端で、この塔が西門だったという。

　アーレ川 Aare がＵ字型に屈曲した部分に形成された旧市街は、世界遺産に指定されている美しい街である。

　ベルン見学後、ツアーバスはベルンの南方に広がる高地ベルナー・オーバーラント Berner Oberland （ベルン州高地）に入り、アイガー北壁の麓にあるグリンデルワルト（1,034m）に到着。グリンデルワルト駅前の五つ星ホテル「グランド・ホテル・レギーナ」に二泊して、スイスが誇る世界自然遺産を堪能した。