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中島屋の奥さんに地図を書いてもらい、歩いて5分ほどで萬学院に着いた。里山伏といわれるだけに、普通の民家と変わらず、玄関には田村昌法という表札が掛かっていた(写真下の右側の家)。奥に廻ると見覚えのある高張り提灯があったので萬学院であることが直ぐに分かった。
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引き戸を開けて中に入ると、清水の坂之下家でお会いした最長老の快蔵院雲尾さんが夜の大護摩に備えて身支度をしておられる最中で、目が合ったので会釈すると、座敷に上がるよう促された。 |
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民家にある萬学院 |
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斎主の萬学院昌法さんも清水の坂之下家でお会いしていたので、二度目の対面であり、気持ちよく写真撮影と密着取材を了解していただいた。中島屋の奥さんに出会わなければ、ここに来ることもなかった訳で、「袖すり合うも多生の縁」というが、本当に縁あって多くの出会いが生まれたことを神に感謝した。 |
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正装の萬学院昌法さん(59歳) |
祭壇の前で正装の昌法さんの写真を撮らせていただいた。滝行のときとは違って大きな頭巾が印象的だった。 |
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斎主の昌法さんは、私と同い年であることにビックリ。滝行とは違って非常ににこやかで、好感が持てた。奥様が出てこられたので、名刺を渡して挨拶したところ茶菓子の接待を受け、大変お世話になった。 |
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夜の大護摩の準備 / 萬学院(午後4時20分) |
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夜の大護摩も紫の房の結袈裟(ゆいげさ)をつけた雲尾さんが取り仕切るという。雲尾さんは最長老だけあって、総てに通暁されていて貫禄がある。結袈裟の房の色で階級が分かるそうで、山伏の最高位は赤。雲尾さんの紫はそれに次ぐ高位とのこと。最下位は白だという。
参考:修験道・山伏/もっと詳しいはなし |
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萬学院の出発式(午後4時30分) |
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雲尾さんによると、昌法さんの御尊父、故・田村空観さんは新潟の修験寺院のリーダーとして活躍された大変偉い修験僧だったそうで、internetで調べると、終戦間もない昭和29年(1954)に栃窪護国観音の建立を発願され、28年後の昭和57年(1982)に建立されたという記事があった。祭壇に不動明王像と共に観音像が祀られているのはそのためと思われる。 |
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怪蔵院雲生さんを先頭に中島屋の前を行く山伏一行 |
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やがて大護摩の打ち合わせも終わり、今日の主役を務める山伏一行12名は、出発式を済ませた後、午後4時40分、雲尾さんを先頭に一列縦隊となって萬学院を出立した。
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巻機権現として崇められる霊峰・巻機山に向けた
雁木通りの雪の祭壇 |
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山伏の聖地は紀州の熊野、葛城(かつらぎ)、大和の金峯山(きんぷせん)。熊野を中心として活動した天台系グループを本山派、金峯山を中心に活動した真言系グループを当山派という。このニ派が主流で、地方的組織として出羽三山、日光ニ荒山など霊山と呼ばれる全国各所で修験道の各派が存在する。 |
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現在、本山派は八つ橋や大根で知られる聖護院(しょうごいん)を中心とする本山修験宗、当山派は醍醐寺を中心とする真言宗醍醐派と呼ばれる。これに天台系の金峯山、修験本宗を加えた三派が修験の主流だという。 |
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雪の祭壇で祈祷(午後4時50分) |
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昌法さんの巻機山萬学院は本山修験宗に属する。国内の檀信徒は千〜5千人。仏神二道を融合し、顕密二教を学び、修験の修行で心身を練り、真俗一貫の菩薩道を体得顕現することを目指す。崇拝対象は不動明王、蔵王権現、役行者(えんのぎょうじゃ)など。教典は大日経、不動経、法華経、般若経などがある。 参考:本山修験宗 |
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昌法さんのように寺院を持って活動する山伏は少なく、大半は職業を持ちながら修験道を実践しているという。 |
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蝋燭神輿を先頭に入場する山伏一行(午後5時7分) |
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メインイ・ベントの |
百八燈大護摩 |
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百八燈大護摩の主役を務める山伏一行は市内の牧之通り(ぼくしどおり)で蝋燭神輿(ろうそくみこし)と合流し、午後5時10分に会場に到着。間もなく本日のメイン・イベントである百八燈大護摩が始まった。 |
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百八燈大護摩は、百八煩悩(ひゃくはち・ぼんのう)(心身を悩まし悟りを妨げる一切の欲望や迷い)を焼き払うという趣旨で、最初は108本の蝋燭が点されたと思われるが、寄進される蝋燭が増え、千本蝋燭となったのであろう。 |
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霊峰・巻機山を背に祈祷する斎主・萬学院昌法さん(午後5時21分) |
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巻機権現(まきはた・ごんげん)として信仰を集める南の霊峰・巻機山を背に、斎主・萬学院昌法さんが北の祠に向かって開式の祈祷を行い、マイクを持った快蔵院雲尾さんの明快な解説が流れるなか、行事が進んでいった。 |
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