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松本城を一周半して、満開の桜を堪能したあと、時間があったので、市内を散策した。お城の近くにある松本市の観光案内所で一番のお勧めが擬似洋風建築の旧開智學校だった。
日本で最も古い小学校の一つで、明治6年(1873)5月に開校後、明治9年(1876)女鳥羽川(めとばがわ)沿いに新築され、昭和38年(1963)までの90年間使用された。現在は、お城の北側に移築されて保存されている。国の重要文化財に指定されているだけあり、とても立派で、和洋折衷の珍しい建物である。 |
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明治のハイカラな旧開智學校 |
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次に行ったところが白壁土蔵が店として使われている中町通り。いずれも地図を頼りに歩いて行った。中町は江戸末期から明治にかけて再三火災により多くの家を焼失したことから、商人たちがなまこ壁の土蔵を建てて火事に備えた。現在、約50棟の蔵造りの商家が軒を並べている。 |
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白壁土蔵の店が並ぶ中町通り |
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この後、タウン・スニーカーという一律料金100円の市内循環バスが来たので、松本駅前まで乗り、ホテルにチェックインし、夜桜会に備えてしばし休憩して、暗くなるのを待った。
松本城の夜桜会は無料で、2007年は4月4日から11日までの午後5時半から8時半まで本丸庭園(本丸御殿跡)で開かれた。午後6時15分ころ会場に入ったが、まだあたりは明るく、ライトアップの効果が分からなかったが、やがて暗くなるにつれて、天守閣が夜空に浮かび上がってきた。
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松本城(東面)の夜桜会 |
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拡大写真(1600x1300)590KB 三脚使用 |
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事前計画のとおり、午後6時15分ころから枝垂桜の下に三脚をたて、天守閣が浮き上がってくるのを待った。誰も場所取りをしていなかったので、最良の場所を選ぶことができた。
この付近は通行が激しく、また、枝垂桜をバックに記念撮影する人たちが後を絶たず、撮影機会が極端に少なかったが、僅かな間隙を捉えて、写真上のベストショットをものにできたのが午後6時43分。この後もひたすらシャッターを切ったが、空が暗くなりすぎて、満足する写真は撮れなかった。気がつくと、私の左右と後方は三脚が乱立していたので、早々に場所を譲り、次のスポットに向かった。この位置で63枚の写真を撮ったが、ベストショットは37枚目だった。 |
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月見櫓↓ |
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内部照明の光りが溢れている月見櫓では、琴やフルート、雅楽の演奏が行われており、スピーカーから美しい日本の調べが城内一杯に流れており、何処にいてもよく聞こえる。日本の名曲を聞きながら満開の夜桜を楽しむという素晴らしい趣向で、松本市の文化レベルの高さに感動した。 |
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清正公・駒つなぎの桜のライトアップ |
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メブキショウジョウ(カエデ科)のライトアップ |
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拡大写真(1400x1050)368KB |
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松本城(北東面)と駒つなぎの桜 |
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宵の明星と松本城(東面) |
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紅白幕の中は緋毛氈(ひもうせん)の縁台(えんだい)が並べられ、月見櫓(つきみやぐら)の生演奏を聞きながら天守閣や夜桜を眺め、抹茶などを楽しむ人たちがいた。天守閣の上の西の空には宵の明星(金星)が美しく輝いており、まさに、春宵一刻値千金*であった。 |
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*中国北宋の詩人蘇軾(そしょく)(蘇東坡(そとうば))の七言絶句 「春夜」
・春宵一刻値千金 : 春の夜はわずかな時間でも非常に価値があり、
・花有C香月有陰 : 花には清らかな香りがあり、月は陰(かげ)ったりする。
・歌管樓臺聲細細 : 歌声と管楽器の音色が高殿から微かに聞こえてきて、
・鞦韆院落夜沈沈 : (昼間は、少女が乗ってにぎやかだった)ぶらんこのある中庭の夜は静かに更けていく。 |
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松本城(東面)と夜桜を楽しむ人たち |
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静かに琴の音に耳を傾けていると、天守閣がまるで一個の大きな楽器となったかのような響きがあった。 |
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黒門を出て、南側の内堀から松本城の最後のショットを撮った。月見櫓のあるお陰で、なだらかで美しい三角形
となった天守閣は、L字形にも見え、柔らかな照明の中で、静かな佇まいを見せていた。 |
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夜の松本城(南面) |
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拡大写真(1600x920)122KB |
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撮影 2007年4月11日(水)
★★★
OLYMPUS
E-330 E-500
11-22mm 14-54mm
800万画素 1000枚 1.53GB
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4月11日(水)12日(木)と一泊二日で松本城と高遠(たかとう)の花見に行ったが、今年は暖冬で開花が早まり、毎日、松本城管理事務所と高遠観光協会に電話して満開予想日を確かめた。
電話する毎に予想日が動くので、1回くらいでは信用できず、何度も電話した結果、前
日10日に旅行日を決定。週末は雨になるので明日行こうといった慌ただしさだった。
これまでは、バスツアーを利用していたが一端予約すると変更できず、当日が雨でも行かざるを得なかった。
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今回、手間暇が掛かったが、JRと路線バスとタクシーを組み合わせた個人旅行にしたので、最良の日にゆったりと花見ができ、素晴らしいシーンを切り取ることができた。バスツアーは便利で良いが、あれもこれもと欲張りで、見学する時間が短く、集合時間に間に合わせるために走りながら撮影するようなこともあったので、これからは個人旅行を主体にしたいと思っている。 |
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花見の醍醐味 |
去年、松本城の花見ツアーを申し込んだが、最少催行人員に達せず中止となり、行けなかったので、今年はどうしても行こうと思った。僅か300本の桜では大したことはないと思っていたが、行ってみると、とても素晴らしいので驚いた。人の評価や噂は当てにならないことが良く分かった。
また、花見は、桜の本数が多ければ多いほど良いというものではなく、まわりの景色とそれを取り込んだ文化の成熟度が大切であることに気付いた。全国には知られざる名所がまだまだ沢山あると思われるので、これからもそれを発掘して紹介するのも私の楽しみのひとつにしたい。 2007.4.17. 〈 完 〉 |
★☆★彡 |
旅紀行日本の花第16集(実質第25集) 「国宝・松本城の桜」 |
平成19年(2007)4月17日 作品:第14作 画像:(大42+小11) 頁数:4 ファイル数:109 ファイル容量:20.8MB
平成12年(2000)〜平成19年(2007) 作品数:305 頁数:1,063 ファイル数:27,007 ファイル容量:3,634MB |
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