|
|
|
|
|
ジャイナ教窟で、著名なのが、バニアン樹の下に座る象に乗った男神と、マンゴ樹の下に座るライオンに乗った女神像です。入り口の左右に鎮座し、寺院を守っています。 |
|
入り口左側の男神。高さは1mぐらいです。バニアン樹は、広く東南アジアにも分布し、大木であり、太い枝から縄のような気根を下ろしているので、すぐ見分けがつきます。 |
|
|
|
|
|
|
バニアン樹の下に座る男神 |
|
拡大写真(1600x1067)212KB
|
|
|
|
|
|
|
こちらは、女神。たわわな乳房とたわわに実ったマンゴが、豊穣感を見事に表現しています。ジャイナ教窟中の彫刻で、もっと優れた作品であると思います。マンゴの樹は、こんもりとした緑色で、遠目にも分かり易いですが、実がたわわに樹に生ってている姿は土地の豊かさ、樹の生命力の強さを感じさせます。あの柔らかで甘い果肉を想像するだけでよだれが出て来そうです。 |
|
|
|
|
|
|
|
マンゴ樹の下に座る女神 |
|
拡大写真(1600x1067)222KB
|
|
|
|
|
|
|
彫り掛けの顔。岩の中から今にも出て来そうな女性の顔です。時間が千年止まったようで、エローラの撮影の中では大好きな一枚ですので、ご紹介させて頂きます。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
すずしげに ねむれるめがみ いわのなか |
The goddess
sleeping pleasantly cool in a rock. |
|
|
エローラ第32窟の彫り掛けの顔 |
|
拡大写真(1600x1067)393KB
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
すぐ隣にある第33窟も2階建てです。左手向こうに第34窟がありますが、ここでは写っていません。 |
|
|
|
|
|
|
2階建てのエローラ第33窟 |
|
|
|
|
|
|
|
1階の広間と祠堂のジナ像です。天井には蓮華の見事な浮き彫りがあり、柱も凝った作りになっています。仏教窟やヒンドゥー教窟に比べて、若干、華美な感じを受けると思います。 |
|
|
|
|
|
|
|
第33窟1階の広間と祠堂 |
|
拡大写真(1800x1200)224KB
|
|
|
|
|
|
|
壁面の座禅を組む祖師の二人。ジャイナ教には24人の祖師(ティールタンカーラ)が居ると言われており、信者は、この回廊を回りながら礼拝することが出来ます。 |
|
|
|
|
|
|
|
座禅を組む祖師 |
|
拡大写真(1800x1200)272KB
|
|
|
|
|
|
拡大写真(800x600)99KB |
|
|
|
|
職業:大成建設(株)勤務
|
住居:東京都国分寺市
|
趣味:インドの神像収集
(前任地のインドネシアの絣(イカット)も100枚ほどのコレクションがあります) |
|
|
|
|
|
撮影後記 |
2005年8月の撮影から3年ほど経って、エローラ遺跡の画像をやっとまとめることが出来ました。撮影を逃した第17窟から第29窟は、死ぬまでにもう一度、撮影で乗り込んでみたいと思っています。3日間は連泊して撮影してみたいものだと思います。
前日のアジャンタ遺跡に続き、またも暗い窟内でシャッターが下りず、手ぶれで悩みましたので、素人という腕のせいもあるのでしょうが、暗闇専用モード付きデジタル一眼の登場に期待したいものです。インドは、こうした文化遺跡ですと、撮影は自由に許されているところが多いのですが、特別な許可のない限り三脚の使用は禁止ですので、どうしてもカメラを手に持っての撮影となり、採光はいかんともしがたく、暗くてシャッターが思うように切れず苦戦してしまいます。フラッシュをたくと、自然の色にはなりませんし、辛いところです。
最後になりましたが、佐藤宗太郎先生のエローラ石窟寺院(木耳社:佐鳥出版)には、画像と図版の照合などで、大変参考にさせて頂きました。1977年の出版で日本語版は限定1000部印刷であり、まず国会図書館で閲覧後、ネット市場で京都の古本屋から手に入れることが出来ました。大量に出版され、大量に消えていく今の出版状況の中ですが、ここまでの画像と研究資料を残されていることに、残る本とは何かを教えて下さるような分厚い一冊でした。佐藤先生の研究の成果であるこの御本が無ければ、自分の画像を今回まとめることはとても不可能だったと思っております。本当に感謝しております。 2008.12.19 |
|
参考図書 |
佐藤宗太郎 エローラ石窟寺院 佐鳥出版
武澤秀一 建築巡礼27 空間の生と死 アジャンタとエローラ 丸善
週刊 世界遺産 No.88 エローラの石窟寺院群 講談社
KAILAS(カイラス) チベット聖地巡礼 松本栄一写真集 小学館
三蔵法師のシルクロード 高橋徹&後藤正 朝日新聞社
インドを書く 山内利男 論創社
定本インド花綴り 西岡直樹 木犀社訳 |
★☆★彡 |
感動写真集〈 第106集 〉「インド世界遺産・エローラ石窟寺院」 |
撮影・原作 : 丹下誠司 監修:和田義男 |
平成20年(2008)12月19日 作品:第36作 画像:(大69+小14) 頁数:6 ファイル数:165 ファイル容量:29MB
平成12年(2000)〜平成20年(2008) 作品数:307 頁数:1,121 ファイル数:37,703 ファイル容量:5,990MB |
|
|
|
|
孫と一緒に |
|
拡大写真(1600x1067)284KB
|
|
|
|
|
|
エローラ石窟寺院の感動
|
2008年もあと10日あまりで終わろうとする頃、今年4月に発表した「タージ・マハル探訪記」に続く、インド世界遺産シリーズ「エローラ石窟寺院」が完成し、丹下誠司ワールドは10作目となった。 |
探求心旺盛な丹下さんの今回の作品も中身が濃く、これを出版するとなると、かなり分厚い本になってしまうので、こうして手軽にinternetで高精細画像をアップし、インドの誇る偉大な世界遺産のロマンと感動を読者と共に分かち合える幸せを噛みしめている。 |
宗教の信仰心が人類の巨大な芸術作品を創造する例は、枚挙にいとまがない。これほどの大がかりな建築物を長い年月をかけて創造したインド人の建設技術は、ローマの遺跡に匹敵する高度なもので、建設会社に勤める丹下さんですら、その技術力に驚嘆しておられる。 |
|
|
|
|
この作品を何度も推敲してみると、作品の取材と制作に込められた丹下さんの熱意や美意識、暖かい眼差し、インド文化を多面的に捉えた第一人者としての自負心や探求心などが強く感じられる。美しい原色が退色し、異教徒たちによって顔面が削りとられ、破壊を受けた宗教遺産。興味のない方には、みすぼらしく地味な作品にちがいない。しかし、大画面で詳細に観察すれば、必ずや日本の仏教文化の源泉たるエローラの遺産に秘められたロマンと感動を見出すことが出来るだろう。 |
|
|
|
|
|
あさすずや かんのんぼさつの じひぶかき |
Cool morning, merciful Kannon the Buddhist saint. |
|
|
【編集子が選ぶ名作】 |
エローラ第12窟の観音菩薩三尊像 |
|
拡大写真(1800x1170)355KB
|
|
|
|
|
|
丹下さんの Microsoft Word で書かれた原作は、既に5月の連休に完成しており、私の怠慢で年末の発表となってしまった。感動写真集の新人の作品を優先したことや、初めての写真展を東京・大阪で開催したことなどで遅れてしまったことをお詫び申し上げたい。 |
当サイトの文体は、簡明直截な「である調」に統一しているが、丹下さんに関しては、「ですます調」の原文をそのままアップしている。丹下節とでもいうべきウィットに富んだ独特の語り口を尊重したためで、他の作者や読者の皆様のご理解をお願い申し上げる。 < 完 > 2008年12月19日 監修 和田義男 |
|
|
|
|
|
なつのはら はいきょのいわや めぐるたび |
Summer field, a journey to the cavern temple of ruins. |
|
|
【編集子が選ぶ名作】 |
エローラ第16窟の遠景 |
|
拡大写真(2000x1200)369KB |
|
|