ツアー８日目の７月14日（金）も晴天に恵まれ、、朝食後、専用バスでインターラーケン・オスト駅（567m）に行き、そのそばの船着場からブリエンツ Brienz まで遊覧船のファーストクラスのデッキで１時間余りのブリエンツ湖クルーズを楽しんだ。

遊覧船「ユングフラウ」

　我々が乗船した遊覧船は、長さ48m、総トン数235ton、時速26km/h、定員700名のユングフラウ（乙女）である。スイス国旗を思わせる赤と白が基調の船体に、エーデルワイス・アルペンローゼ・エンツィアンのアルプス三大名花が描かれている。　

標高564mのブリエンツ湖は、氷河の水が流れ込んでエメラルド色に輝く、広さ約30km² の美しい湖である。

　出港時には霧がかかり危ぶまれたが、湖に乗り入れるといつの間にか消滅し、美しい湖水の景観を堪能した。

　吊り上げ式の艇庫は、珍しい方式である。湖が陥没や噴火などによって生まれた場合には、遠浅の斜面がないことが多く、このような方式にしないと船を陸揚げすることは難しいのだろう。

　スイスアルプスの連山を背景に、氷河が削り取った岩粉が光線を反射して生まれるエメラルド色がとても美しい。

　 ブリエンツは、スイス・ベルン州の人口約三千人の小さな村で、ブリエンツ湖の北岸、ロートホルン山（2,350m）Brienzer Rothorn の麓に位置し、ロートホルン山を登るブリエンツ・ロートホルン鉄道（BRB）の始発駅がある。

　ブリエンツでオモチャのような蒸気機関車（ＳＬ）に乗り、ロートホルン（2,245m）山頂まで、約１時間の汽車の旅を楽しんだ。このアプト式登山鉄道は、未だ電化されておらず、1891年式か92年式の蒸気機関車又はディーゼル機関車が可愛らしい赤色の客車二両を後ろから押し上げ、平均時速約8kmでのんびりと登ってゆく。

　蒸気機関車のボイラーは、水平になるよう、傾斜にあわせてあらかじめ傾むけて造られているのが興味深い。

　我々のグループは、上りはＳＬ、下りはディーゼル車に乗った。上りは機関車が後ろから客車を押して登るが、下りは機関車がバックしながら客車を引いて降りる。急勾配で馬力が少ないため、客車は２両しか連結されない。

　オモチャのようでも本物の蒸気機関車が走るとあって、国内外から連日観光客が押し寄せ、貴重な観光資源となっている。冬季に閉鎖されるのは、除雪対策がとれないからだろう。

　山頂駅は、２列のレールがあるだけでプラットホームなどはない。乗客は客車から地面に降りるだけ。下りはそのまま後ろ向きに走って降りて行く。左がＳＬ、右がディーゼル機関車。混雑すると、後から着いた列車が先に発車しなければならない。

　ロートホルン山上は2,300mの高地であるが、夏の直射日光を受け、日中は汗ばむほどの陽気となる。入道雲が湧き上がり、ベルナー・オーバーラント（ベルン州高地）もすっかり夏の風情であった。