|
|
|
|
|
|
|
▼ ビザンチン帝国期、イスタンブール(コンスタンチノープル)にはおよそ60ヵ所に貯水槽が置かれていた。その中でも最大のものがアヤソフィアの西隣に位置する地下宮殿(イェレバタン・サルヌジュ)と呼ばれる地下貯水池である。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600x1200)417KB |
|
|
|
|
|
|
全周を城壁で防御したビザンチンの城砦の内部では、市民の生活用水が足らず、イスタンブールの北方約25kmのベオグラードの森から水を引いていたが、戦火の時代には、敵は水路を破壊し、水に毒を混入するため、城砦の中に貯水池を建設することで、被害を防ぐようにした。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800x1350)630KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 532年に数ヵ月という短期間で完成したこの巨大な地下貯水池は、アタチュルク大通りに架かるヴァレンス水道橋から水が引かれていたという。16世紀に至るまで使用されていたが、この地がオスマン・トルコによって支配された後、この貯水池は使われなくなり、長く放置されていたが、19世紀の半ばに修復の手が入っている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▼ 修復に当たってはローマ時代の建物の円柱を各地から取り寄せ、幅70m、長さ140m、面積10,000m2の地下貯水池ができあがった。4m間隔に12列、各28本、合計336本の円柱が用いられ、さながら宮殿のような雰囲気があることから、「地下宮殿」と呼ばれるようになった。円柱は殆どがコリント様式である。19世紀末に南西側が潰された際に90本の柱がなくなっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800x1580)402KB |
|
|
|
|
|
|
▼ オスマン・トルコ時代に放置されていたことからその存在が忘れられていたが、発見されたときには、地下宮殿の上に民家が建ち、大きな井戸が掘られていて、水を汲んだり、井戸の底から小舟を出して魚釣りなどが行われていたという。 |
|
現在、地下宮殿は、観光資源として利用されているだけだが、今でも水が溜まっており、魚が泳いでいる。ローマのトレビの泉を真似たのか、願い事をしながらコインを投げる人が見受けられ、水底にはコインが散乱している。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600x1250)286KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 地下宮殿の高さは8mあるので、最大貯水量は80,000m3である。ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演ずる007(ダブリュ・オー・セブン)第二作「ロシアより愛をこめて」(1963年制作)では、この地下宮殿でロケが行われている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1600x1370)218KB |
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1200X1600)282KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 1984年に大改修が行われたときに、底に溜まっていた2mもの泥を取り除いたところ、宮殿の一番奥からメデューサの顔が2体発見され、今では地下宮殿の名物となっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
横顔のメデューサ |
逆さメデューサ |
|
拡大写真(1200X1600)289KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ メデューサは、ギリシャ神話に登場する魔物で、見たものを石に変える能力を持ち、頭髪は無数の毒蛇で、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼をそなえる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1200X1600)290KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 1体はメデューサの逆さの頭部、もう1体はメデューサの横向きの頭部で、いずれも柱の基部に置かれているが、単なる建築材料に使われただけで、特別の意味はないと考えられている。横向きの方は、寸法を調整したためか、顔の右側が若干削られている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1200X1600)275KB |
|
|
|
|
|
|
▼ イスタンブールには、部分的にトラム(路面電車)や地下鉄が運行されている。西洋ではどこでも見られる風景だが、1600年も続いた古都に現存する古風な歴史的遺産を背景に走る斬新なデザインのトラムとの対比は、ことさら感慨深いものがある。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1320)533KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▼ トプカプ宮殿の西方に位置するシルケジ駅は、トルコ国有鉄道のヨーロッパ側のターミナル駅である。オリエント急行の終着駅として完成したこの駅からは、西方に向けて国際列車や郊外列車が発着している。2004年から始まったマルマライ計画により、地下ホームの建設が進められており、2年後には海底トンネルを通って、ウスクダルにあるアジア側のターミナル・ハイダルパシャ駅と繋がる予定である。 |
|
オスマン・トルコの終焉が近づいたとき、第34代スルタン・アブデュルハミド II 世(在位 1876-1919)は、妃を連れてこの駅からオリエント急行に乗ってヨーロッパに亡命した。1934年に発表された長編推理小説のエルキュール・ポアロ・シリーズ第8作「オリエント急行殺人事件」の著者アガサ・クリスティ(イギリス)は、シルケジ駅近くのホテルに宿泊し、構想を練ったという。 |
|
|
|
|
|
|
オリエンタル急行の終着駅「シルケジ駅」/イスタンブール
|
|
拡大写真(1800X1250)381KB |
|
|
|
|
|
|
|
|
▼ ツアー2日目の中身の濃いイスタンブール観光の締めくくりは、ヒルトン・ホテルのそばにある「ケルヴァンサライ Kervansaray 」(隊商宿)というナイト・クラブで、トルコ料理に舌鼓を打ちながらベリー・ダンスのディナー・ショーを満喫した。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
▼ ベリーダンス Belly dance / bellydance は、中東やアラブ文化圏で発展したダンス・スタイルを指す言葉で、西洋の造語である。アラブ文化圏ではラクス・シャルキー(Raqs Sharqi رقص شرقي、東方の踊り)、ラクス・バラディ(Raqs Baladi رقص بلدي 民族舞踏)として知られ、トルコ語ではオルヤンタル・ダンス(Oryantal dansı、東方舞踏)として知られる。エジプトでも盛んで、「ラクス・シャルキー」という言葉の起源は、エジプトであるとされる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1050)359KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ ヨーロッパでは、「オリエンタル・ダンス」「ダンス・オリエンタル」「エキゾチック・オリエンタルダンス」「オリエンタル・ベリーダンス」などの呼び名で知られ、アメリカ人の熱狂的なファンの中には、単に「中東の踊り」といえばこのベリーダンスだという者さえいるという。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(2000X1100)332KB |
|
|
|
|
はるのよる べりーだんすに へそのみゆ |
The spring night, Belly dance exposing the bellybutton. |
|
|
|
|
|
拡大写真(1600X1120)301KB |
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1500X1800)438KB |
|
|
|
|
|
|
▲▼ 英語で belly (「ベリー)といえば腹という意味で、開けっぴろげに下腹部や臍(へそ)を露出させ、思わせぶりに腰を振りながら艶めかしく踊るセクシーなベリーダンスは、日本文化からは考えられない踊りで、スルタンの寵愛を得ようと挑発するハレムの寵妃(ちょうひ)を思い浮かべるのは、私だけではないだろう。事実、トルコのベリーダンスは、オスマン帝国のハレムに深いルーツを持つという。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1300X1600)321KB |
|
|
|
|
|
|
▲ トルコの法律は、エジプトのようにダンサーの踊りの様式や衣装に制限を課さなかったため、豊満なトルコのダンサーたちは、おしなべて露出度が高く、踊りの表現手段がとても豊かだといわれている。また、ハイヒールとプラットフォーム・シューズ(厚底靴)を履くことで、ターキッシュ・スタイルの独自性を強調している。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1800X1100)385KB |
|
|
|
|
|
|
▼ 写真下は、トルコでナンバーワンといわれているアセナさんのベリーダンスである。現地ガイドのオカンさんによると、彼女は、週に2〜3度はテレビに出演する売れっ子で、人気が高いという。しかし、動きが単調で、マイケル・ジャクソンのようにロボット的に踊るので、進歩的な踊りであることは認めるが、私には違和感があり、最初に出演した黒装束のダンサーがトルコのベリーダンスにふさわしい踊りだと感じた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1200X1600)310KB |
|
拡大写真(1350X1600)343KB |
|
|
|
|
|
|
▼ トルコのベリーダンス(オリヤンタル・ダンス)は、結婚式や割礼式(かつれいしき)などで座を盛り上げるために踊られるという。現地ガイドのオカンさんによると、割礼式は、コーランに義務付ける定めはないが、預言者マホメット(ムハンマド)が割礼(かつれい)された姿で生まれてきたと伝えられていることから行われているという。割礼は、陰茎の包皮の一部を切除することで、イスラム男子の通過儀礼の一つである。宗教上の理由のほか、衛生上の理由などで行われるという。参考:
トルコの割礼式 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
拡大写真(1830X2000)649KB |
|
|