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 旅紀行日本の裸祭り

2014年7月11日改訂

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♪篠 笛

拡大写真(2400X1700)836KB
注連縄の冬至水行真成寺  北舟

2014年1月20日制作

Shinjoji Temple,
winter solstice ablution of sacred straw ropes.

水行の準備が整った真成寺 13:22

水行の準備が整った真成寺(富山県魚津市)

日蓮宗の寺紋「井桁に橘」   日蓮宗玉蓮山真成寺   日蓮宗の寺紋「井桁に橘」

冬至水行祭

撮影・制作 和田義男

真成寺

冬至水行祭

富山県魚津市 日蓮宗玉蓮山真成寺 2013年12月22日(日)


 平成25年(2013)12月22日(日)、富山県魚津市(うおづし)日蓮宗玉蓮山(ぎょくれんざん)真成寺(しんじょうじ)(谷川寛俊たにかわかんしゅん住職/戒名:日徳 65歳)で第六回冬至水行祭(とうじすいぎょうさい)が開催されたので、一泊二日の日程で、密着取材しました。
 北陸の厳寒の季節に一般市民の老若男女約80人が日蓮宗の荒行僧の伝統の所作にのっとり、頭から冷水を被る水行は世界中の方々に勇気を与えるものであり、実際に参拝された方だけでなく、internetの作品を通して多くの方々に力を与える素晴らしい行事で、私も編集しながら何度も感動しました。お陰様で、7頁221枚という感動巨編が生まれました。

 
スライドショーCD写真集「冬至水行祭」

スライドショーCD写真集「冬至水行祭」
  ▲ この感動を多くの方々に味わっていただき、蔵書版として永久保存していただくため、真成寺にお送りしたものと同じCDをファンの方々にお分けすることにしました。CDをMS-Windows対応パソコンのディスク・ドライブに挿入すると、BGMに鬼太鼓(おんでこ)や水行肝心文(すいぎょうかんもん)などが流れるなか、解説文を含む305枚の画像が5秒毎にディスプレー一杯に映し出されるスライドショーを楽しむことができます。
 画面にはコントローラーが内蔵されていますので、好きなところで止まったり、スキップしたりして、自由に楽しむことができます。ホームページにアップしていない原画を同梱していますので、最大A3サイズまでプリントすることも可能です。個人で楽しむ限りは、自由にプリントアウトして構いません。
 画像305枚、上映時間 26分。(1枚2000円 リピーター価格:1枚1500円) 日本の祭りCD・DVD写真集
  
YouTube 冬至水行祭
(抜粋縮小版)
↓画像をクリックするとスライドショー動画が始まります。

はじめに

 
▼ 平成25年(2013)12月22日(日)富山県魚津市(うおづし)日蓮宗玉蓮山(ぎょくれんざん)真成寺(しんじょうじ)(谷川寛俊たにかわかんしゅん住職/戒名:日徳 65歳)で、荒行僧の指導により、県内外から集まった約80人の檀信徒など一般参加者が頭から冷水を浴びる第六回冬至水行祭(とうじすいぎょうさい)が開催されたので一泊二日の日程で密着取材した。  玉蓮山真成寺/公式サイト 玉蓮山真成寺/家族的サイト  

 

【凡例】  ▲:上の画像の説明文  ▼:下の画像の説明文  〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示

富山県

魚津市うおづし

の位置

富山県魚津市の位置

資料:Google Earth
 

JR東京駅

 
  JR東京駅は東京の表玄関ともいうべきターミナル駅でプラットホームの数は日本一多く在来線が地上5面10線と地下4面8線の合計9面18線新幹線が地上5面10線地下鉄は地下1面2線を有しておりその総面積は東京ドーム約3.6個分に相当するという。  
改装なったJR東京駅丸の内口駅舎

改装なったJR東京駅丸の内口駅舎

拡大写真(2600X1930)673KB

  ▲ 赤レンガ造りの丸の内口駅舎は、辰野金吾らが設計したもので、大正3年(1914)に竣工、平成15年(2003)に国の重要文化財に指定されたが、平成24年(2012)10月1日、八角形屋根と免震構造を取り入れて新装オープンした。  
上越新幹線Maxとき315号・322号で東京-越後湯沢間を往復/東京駅 2013.12.22 09:20

上越新幹線Maxとき315号・322号で東京-越後湯沢間を往復/東京駅 2013.12.22 09:20

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  ▲▼ 今回は比較的ゆったりした日程で、JR青梅線と中央線を利用して東京駅に着いたのが08:51。弁当を買い込み上越新幹線乗り場22番線から09:28発新潟行きMaxとき315号に乗車 し、越後湯沢に向かった。  
22番線のユニークな二階建車両

22番線のユニークな二階建車両

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  ▼ 東京から越後湯沢まで1時間11分9分の乗り換え時間で10:48発金沢行き特急はくたか6号に乗車し、魚津駅には12:29に着いた。三連休中日の日曜とあって列車は混んでいたが、新幹線も特急も指定席を確保していたので、ゆっくりと旅することができた。このルートは北陸新幹線が開通する平成27年(2015)春まで関東と富山・石川両県を結ぶドル箱路線となっているようだ。  
雪国を走る特急はくたか/越後湯沢駅 10:43

雪国を走る特急はくたか/越後湯沢駅 10:43

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  ▲▼ 越後湯沢駅の直前のトンネルを抜けると、そこは降雪の雪国だった。しかし、列車が南西に進むにつれて雪景色は消えてしまったが、車窓から時々見える冬の日本海は、北西の季節風による白浪が吹き寄せる寒々とした光景だった。  
荒波寄せ来る冬の日本海/特急はくたか車窓 11:47

荒波寄せ来る冬の日本海/特急はくたか車窓 11:47

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魚津市うおづし

▼ 人口約4.4万人を擁する魚津市は、富山市の北東約22kmに位置する日本海(富山湾)に面した都市。旧越中国(えっちゅうのくに)の一部で、かつては北陸街道の宿場町、富山湾の港町、魚津城などの城下町、寺社群の門前町、商業・産業都市として栄えた。現在は新川(にいかわ)地方中核都市圏である魚津都市圏の中心都市であり、富山県における7番目の人口規模を有する。
特急はくたか6号・7号で越後湯沢-魚津間を往復/魚津駅 6.1 12:32

特急はくたか6号・7号で越後湯沢-魚津間を往復/魚津駅 6.1 12:32

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   沿岸地域は、蜃気楼(しんきろう)、ホタルイカ、魚津埋没林(国の特別天然記念物)が有名。また、漁業が盛んで、北洋漁業の根拠地となっている。周辺都市に比べ大型の郊外型商業施設の出店が多い。  
JR

魚津うおづ

駅 12:33

JR魚津駅 12:33

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  ▲▼ JR北陸本線と富山地方鉄道線の乗り換えが可能なため、立山黒部アルペンルートや黒部峡谷鉄道(トロッコ電車)など観光地への交通の要衝であり、乗り換え客や宿泊施設が多い。  魚津市公式サイト  
雪嶺の

立山たてやま

連峰/魚津駅前の高層ホテルからの眺望

雪嶺の立山連峰/魚津駅前の高層ホテルからの眺望

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  ▼ 2013年最後の取材は、真成寺(しんじょうじ)からのメールによる招請により急遽決まったもので、魚津駅に着くと、メールをやりとりした谷川寛敬(たにかわかんきょう)副住職(38歳)の出迎えを受け、彼の運転する車で魚津駅南方約1kmの真成寺に向かった。  
JR魚津駅〜

真成寺しんじょうじ

のマップ

JR魚津駅〜真成寺のマップ

拡大写真(1016X909)235KB 資料:Google Earth

玉蓮山真成寺ぎょくれんざんしんじょうじ

▼ 魚津市真成寺町(しんじょうじまち)に位置する玉蓮山真成寺は、今から500年ほど前、魚津市の北東約4kmの大谷温泉(おおたにおんせん)(2013年に閉鎖)裏山の大谷の郷に誕生し1を聞いて10を悟る神童と讃えられた慈光院日等上人(じこういん・にっとうしょうにん)によって開山された日蓮宗の寺院で、現在の住職は、35代目に当たる。

真成寺しんじょうじ

付近のマップ

真成寺付近のマップ

資料:Google Earth
  ▲▼ 真成寺は、西向きに建てられており、真成寺町の南北に連なる商店街の中ほどに入口がある。20mほどの参道を東に進むと山門があり、その奥が境内となっており、本堂がある。  
東に延びる石畳/

真成寺参道しんじょうじさんどう

東に延びる石畳/真成寺参道

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日蓮宗の寺紋「井桁に橘」が掲げられた

真成寺山門しんじょうじさんもん

日蓮宗の寺紋「井桁に橘」が掲げられた真成寺山門

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冬至とうじ

水行祭すいぎょうさい

 
  ▼ 今年で6回目となる冬至水行祭は、厳寒の冬至に昼と夜の二回に分かれ、一般参加者約80名の老若男女が女性は白衣、男性は褌一丁の裸形となり、本堂前の境内に置かれた二つの仮設水槽で、日蓮宗の作法に則り、水行肝文(すいぎょうかんもん)を唱えながら手桶で頭から冷水を被る水行を行う。  
水行すいぎょう の準備が整った真成寺 13:22

1999年建設の鉄筋コンクリート製庫裡(くり)

1517年創立の本堂 久遠廟(合同墓)  

水行の準備が整った真成寺 13:22

拡大写真(2400X1700)836KB

 注連縄の冬至水行真成寺  北舟

しめなわの とうじすいぎょう しんじょうじ

Shinjoji Temple, winter solstice ablution of sacred straw ropes.

本堂前から西方の山門を臨む
山 門 本部テント(受付) 日蓮聖人像 休憩所(仮設テント)  

本堂前から西方の山門を臨む

パノラマ写真(2400X1350)667KB

  ▼ 日蓮宗の水行は、長勝寺寒の荒行 に解説した如く、荒行僧が千葉県市川市にある日蓮宗大荒行堂での過酷な100日の荒行を無事に終えた成満(じょうまん)記念に行うものだが、真成寺は、その水行を水行祭として初めて一般人に開放した。  
冬至水行祭のパンフレット(表)

冬至水行祭のパンフレット(表)

拡大写真(1400X2000)393KB 資料:真成寺
▲▼ 真成寺の水行は谷川寛敬(たにかわかんきょう)副住職が平成13年(2001)の冬至の日に日蓮宗大荒行堂で初めての100日荒行(初行)を無事に終えた成満(じょうまん)記念に行ったのがはじまり。平成20年(2008)から檀信徒など一般参加者を募集し、冬至水行祭を行うようになった。
冬至水行祭のパンフレット(裏)

冬至水行祭のパンフレット(裏)

拡大写真(1400X2000)464KB 資料:真成寺
山門東側の本部テントで参加者の受付

山門東側の本部テントで参加者の受付

拡大写真(2000X1500)468KB

 

水行褌すいぎょうふんどし

 
  ▼ 水行に使用する越中褌は、毎年真成寺がクリーニングしたものを貸与しているが、今年から立褌(たてみつ)を二重にして濡れても透けて見えない褌を1000円で入手できるようになった。前垂れの先端には、御本尊の曼荼羅(まんだら)をあしらったロゴがプリントされており、水に浸かっても消えない特殊な染料で焼き付けられている。  
   全国的にみても水行用に立褌を二重に仕立てた褌は初めてなので、私も記念に購入し、平成26年(2014)1月12日に東京都中央区鐵砲洲稲荷神社で行われた第59回寒中水浴大会で着用した。  

立褌たてみつ

が二重になった

水行褌すいぎょうふんどし

立褌が二重になった水行褌

拡大写真(1800X1900)449KB

  ▼ 本部テントの受付で水行の申込をすると、御寳牘(ごほうとく)が頂ける。白封筒の中には、御本尊の曼荼羅と日蓮聖人(にちれんしょうにん)の金箔が押された御札と鬼子母尊神(きしもそんじん)の身がは里(みがわり)御守が入っている。左下は、冬至水行祭のロゴ入り褌(1000円)。  

水行褌すいぎょうふんどし

と御札・御守が入った

御寳牘ごほうとく

水行褌と御札・御守が入った御寳牘

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日蓮聖人像にちれんしょうにんぞう

 
  ▼ 山門の北側に建つ日蓮聖人の銅像は、平成12年(2000)10月に建立されたもので、法華経を辻説法する強い信念と躍動感あふれる姿を表現したもの。参詣にやってくる檀信徒(だんしんと)たちに力を与えてくれる。  
山門の北側に建つ

日蓮聖人像にちれんしょうにんぞう

山門の北側に建つ日蓮聖人像

拡大写真(1700X2000)750KB

  ▼ 日蓮聖人像のそばに建てられた仮設テントの休憩室の壁に水行参加申込者(昼の部4組31名・夜の部4組52名)の名前が組別に表示されているので、自分の順番を確認することができる。実際の水行は、数名の欠席者がいた。  
日蓮聖人像のそばの休憩室に張り出された水行参加申込者(昼の部31名・夜の部52名)

日蓮聖人像のそばの休憩室に張り出された水行参加申込者(昼の部31名・夜の部52名)

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真成寺本堂の

外陣げじん

内陣ないじん

真成寺本堂の外陣と内陣

パノラマ写真(2600X1300)698KB

 

真成寺しんじょうじ

本堂
 
  ▲▼ 真成寺本堂は、永正14年(1517)の創立で、はじめは越中の角熊郷において開創。元亀2年(1571)に角熊城(松倉城)落城とともに現在地に移転し、平成25年(2013)で開創496年となった。  
 内部は、檀信徒用の椅子が置かれた外陣(げじん)とその奥の一段高い内陣(ないじん)に分けられている。内陣の奥に諸仏が安置された須弥壇(しゅみだん)があり、その奥の壁に日蓮宗の御本尊である曼荼羅(まんだら)が掛けられている。
本堂

内陣ないじん

本堂内陣

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須弥壇しゅみだん

 
  ▲▼ 須弥壇の中央には、日蓮聖人の像が安置されており、その周りには、一塔両尊四士*(いっとうりょうそんしし)に不動明王(ふどうみょうおう)・愛染明王(あいぜんみょうおう)などが置かれ、曼荼羅御本尊(まんだらごほんぞん)の形式で仏が祀られている。中央の経机(きょうづくえ)には、法華経八巻が奉(たてまつ)られている。  
   日蓮聖人座像の赤い袈裟には、日蓮宗の金色の寺紋「井桁に橘(いげたにたちばな)」があしらわれている。  
  *一塔両尊四士:中央の宝塔に南無妙法蓮華経と書かれ、向かって左に釈迦如来、右に多宝如来が一つの蓮台に乗って おり、右に上行、無辺行のそれぞれの菩薩が、左に浄行、安立行のぞれぞれ菩薩が奉安される形式。  
本堂

須弥壇しゅみだん

本堂須弥壇

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曼荼羅まんだら

 
  ▲▼ 曼陀羅(まんだら)はインドの言葉で、漢訳では輪円具足(りんねんぐそく)といゝ、車輪のように円の中に一切の諸法が全て含まれているという意味で、仏 の心(悟りの世界)をあらわしたもの。 日蓮聖人は、久遠の仏が悟った世界を文字で表現した。  
   写真上の曼荼羅は諸仏に隠れて殆ど見えなかったため、後日、谷川副住職に掛け軸を外して全容を撮影してもらい、筆者が表具の歪みを調整したものが写真下の曼荼羅である。これだけの高精細画像を internet にアップしている例は見あたらず、この画像が日蓮宗の曼荼羅の理解に極めて役立つものと思われ、谷川住職のご英断に深謝申し上げる。  
須弥壇しゅみだん の奥に掛けられた御本尊の掛け軸「

荼羅まんだら

須弥壇の奥に掛けられた御本尊の掛け軸「曼荼羅」

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原画:真成寺
  ▼ 曼陀羅(まんだら)に書かれた毛筆体はある程度読めるが、文字の重なりなどがあってよく分からないので、筆者が internet 上の文献から活字体に直して対比したものが写真下である。  
 下部に天照太神(あまてらすおおみかみ)や八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)の文字がみえるが曼荼羅にはあらゆる諸天善神(しょてんぜんじん)が勧請(かんじょう)されており、見事に神仏が習合(しゅうごう)している。

曼荼羅の活字体と毛筆体

妙見菩薩みょうけんぼさつ

▼ この日は、ほしまつり(星祭)ということもあり、須弥壇の中央に北極星を神格化した妙見菩薩(みょうけんぼさつ)が飾られていた。光背(こうはい)に北斗七星があしらわれている妙見菩薩像は、童顔の武将仏で玄武(げんぶ)(亀と蛇の合体した想像上の動物)に乗り、唐服を着て剣を杖のようにして立つ姿が一つの典型で、写真下の厨子(ずし)に入った像は、剣が抜け落ちているのが惜しまれる。
 妙見菩薩は、道教(どうきょう)や陰陽道(おんみょうどう)の影響が強く、武運長久、国家安穏、五穀豊穣の尊神であるとともに物事(ものごと)の真相を見極める霊力があるとされ、眼病平癒(がんびょうへいゆ)の霊力を持つといわれている。

厨子ずし

に入った

妙見菩薩みょうけんぼさつ

厨子に入った妙見菩薩

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鬼子母神 きしもじん

▼ 本堂内陣左側に真成寺三大重宝のひとつに数えられる鬼子母神が祀られている。写真下の鬼子母神は、腹部が観音開きの厨子になっており、その中に鍋かむり日親上人(にっしんしょうにん)*が作成した三体のひとつである鬼子母尊神が祀られている。真成寺の開山慈光院日等上人が大家老の難病を祈祷するときに所持していたもので、難病が見事に治癒し、その霊験が大評判となった。御開帳は、年に一度、10月8日の祭礼に行われるという。
*日親上人:室町時代中期に第6代将軍足利義教(あしかがよしのり)(在位1428-1441)に立正治国論(りっしょうちこくろん)を献上し、水攻め火攻めのあと焼き鍋を頭に乗せられたことから鍋かむり日親上人と呼ばれる。
子供たちを見守る

鬼子母神きしもじん

子供たちを見守る鬼子母神

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  ▲▼ 鬼子母神は、仏教を守護する夜叉*(やしゃ)で女神の一尊。夜叉・毘沙門天(びしゃもんてん)の部下の武将の妻で、500人の子の母でありながら、常に人間の子を捕えて食べてしまうため、多くの人間から恐れ憎まれていた。  
   それを見かねた釈迦は、彼女が最も愛していた末子を隠したところ、彼女は半狂乱となって世界中を7日間探し回ったが発見するには至らず、助けを求めて釈迦にすがった。そこで釈迦は、子を失う親の苦しみを悟らせ、仏法に帰依(きえ)させた。彼女は仏法の守護神となり、子供と安産の守り神となったという。  
  *夜叉:古代インド神話に登場する鬼神。のちに仏教に取り入れられ、諸天善神(しょてんぜんじん)(仏法と仏教徒を守護する天部の神々)の一尊となった。  
険しい表情の女神

険しい表情の女神

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大黒天だいこくてん

不動明王ふどうみょうおう

 
  ▼ 日蓮宗の依経(えきょう)(依って立つ経典)である法華経(ほけきょう)では、あらゆる諸天善神は仏と同等の存在であり、生きとし生ける生命には、仏種(ぶっしゅ)(仏となる種)や仏性(ぶっしょう)が宿るという平等精神が説かれている。  
   日蓮聖人の書き遺した曼荼羅には、大黒天、不動明王、妙見菩薩、鬼子母神、三十番神などの諸天善神が勧請(かんじょう)されているが、真成寺では、 法華経守護の諸天善神の中でも特に大切にされている大黒天や不動明王を別勧請して祀っている。  

大黒天だいこくてん

不動明王ふどうみょうおう

大黒天と不動明王

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三十番神さんじゅうばんじん

▼ 三十番神(さんじゅうばんじん)は、神仏習合の信仰で、毎日交替で国家や国民などを守護する30柱の神々のことである。 太陰太陽暦では、月の日数は29日か30日であった。

神仏習合しんぶつしゅうごう

三十番神さんじゅうばんじん

神仏習合の三十番神

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▲▼ 伝教大師(でんぎょうだいし)最澄(さいちょう)が比叡山に祀ったのが最初とされ、鎌倉時代には盛んに信仰されるようになった。中世以降は、京都に日蓮宗を布教しようとした日像が比叡山の三十番神を取り入れたため、日蓮宗や法華宗で重視され、法華経守護の神(諸天善神)とされた。
六日の守護神・

鹿嶋大明神かしまだいみょうじん

六日の守護神・鹿嶋大明神

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位牌壇いはいだん

▼ 真成寺本堂右手の位牌壇には檀家の先祖の位牌が祀られており、毎朝のお勤めに回向供養(えこうくよう)が行われている。
本堂の

位牌壇いはいだん

本堂の位牌壇

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成満旗じょうまんき

▼ 真成寺本堂の左手には、谷川日俊上人(たにかわにっしゅんしょうにん)の三度に及ぶ荒行(あらぎょう)の成満(じょうまん)を祝う成満旗(じょうまんき)が飾られている。谷川日俊(たにかわにっしゅん)とは、谷川寛敬副住職の戒名である。
 日蓮宗の僧侶はじめ檀信徒の戒名には、日蓮聖人の弟子ということで「日」の一字が入る。「俊」は師匠(住職)寛俊の一字を貰ったもの。
 これらの旗はすべて100日に及ぶ荒行を無事に成満した折に檀信徒らがお祝いに製作してくれたもの。谷川副住職によると、荒行は過酷で、体重は10kg以上痩せ、平成12年(2000)の初行(しょぎょう=1度目)と平成16年(2004)の再行(さいぎょう=2度目)時に死者が出たという。それでも免許皆伝となる五行の成満を目指すというから頭が下がる。 荒行の解説:寒の荒行/木釼

谷川日俊上人たにかわにっしゅんしょうにん

成満旗じょうまんき

谷川日俊上人の成満旗

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