|
|
|
|
|
|
|
|
2004年7月11日(日)、マリン・リゾートで知られる湘南の江の島で八坂神社(やさかじんじゃ)例祭が開かれた。別名を天王祭(てんのうさい)といい、海中神輿渡御で知られる。 |
|
新宿から小田急小田原線急行に乗り相模大野まで40分。小田急江ノ島線急行に乗り替えて終点片瀬江ノ島駅まで35分で到着。駅舎は竜宮城をイメージする派手なデザインで
、海のリゾート地という雰囲気がある。午前10時過ぎに駅を出ると、祭り衣装に身を包んだ人たちが、三々五々、江の島に向かっていた。 |
|
|
|
|
|
|
小田急・片瀬江ノ島駅 |
|
拡大写真(1200X900)201KB 【E-1
58mm F9.0 1/640秒 ISO200】
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
湘南は神奈川県中部、相模湾岸一帯の地域名。本来は相模国(さがみのくに)南部の意味であるが、中国の洞庭湖に注ぐ湘江下流部の湘南の風景美になぞらえて湘の字をあてた。 |
|
この地は、逗子(ずし)に住んだ徳冨蘆花(とくとみろか)が随筆集「自然と人生」(1900)でその風景をたたえてから名が知られ、1921年藤沢に創立された県立中学は湘南中学(現、湘南高校)と称し、逗子に海水浴客を運んだ京浜急行電鉄は1930年の創設当時は湘南電鉄と称していた。 |
|
|
|
|
|
|
東浜海水浴場と江の島 |
|
拡大写真(1600x1000)201KB 【E-1
40mm
F10.0 1/500秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
湘南の範囲は一定していないが、鎌倉、藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯、二宮、小田原の5市2町の相模湾岸を指し、ほかに三浦半島北部の逗子市、葉山町を含めることが多い。 |
|
|
北に丘陵を負い、南は海に面するこの地域は、明治中期から避暑・避寒地として開発され、1885年には大磯に海水浴場が開かれ、以後湾岸一帯に広まった。 |
|
|
|
|
|
|
|
竜宮城を思わせる江島神社瑞心門と特設スロープ |
|
拡大写真(1200x900)181KB 【E-1
118mm
F6.3 1/800秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
第2次世界大戦後は京浜工業地帯の西への延長に伴って工業地化、住宅地化が著しい。江の島、片瀬海岸から大磯にかけての湘南道路沿いにはレジャー施設やドライブインが設けられ、多くの観光客で賑わっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
江の島弁天橋 |
|
拡大写真(1600x720)129KB 【E-1
40mm
F10.0 1/500秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
午前10時半から江島神社辺津宮(えのしまじんじゃへつのみや)で式典が始まると聞き、急いで江の島弁天橋を渡っていると、西方に入道雲がわき上がっていた。富士山も影を見せ、4隻のカヌーがパドリングを楽しんでいた。 |
|
|
|
|
|
|
|
富士と入道雲とカヌー |
|
拡大写真(1600x1200)208KB 【E-1
204mm
F7.1 1/640秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
江ノ島とも書く。神奈川県南部、相模湾岸にある小島で、藤沢市に属する。周囲約4km、面積0.38km2。第三紀の凝灰岩、砂岩を基盤としてローム層におおわれ、南岸には1923年の関東大震災の時に隆起した海食台がある。 |
|
江ノ島電鉄(江ノ電)、小田急江ノ島線、湘南モノレール線がそれぞれ藤沢、新宿、大船から対岸の片瀬まで通じ、島へは歩道の「江の島弁天橋」、車道の「江の島大橋」がかかる。 |
|
|
|
|
|
|
赤鳥居と瑞心門 |
|
拡大写真(1000x1200)285KB 【E-1
28mm
F7.1 1/200秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
橋詰めから辺津宮(へつのみや)の近くまで土産物店が並び、島の高所へはエスカレーターを組み合わせたエスカーが通じ、熱帯植物園と展望塔がある。東部には埋立地が広がり、海辺に湘南港とヨットハーバーがある。 |
|
江の島は「真白き富士の嶺(ね)、緑の江の島」と歌われたようにその風光が賞され、鎌倉と並んで湘南観光の中心地である。島の弁財天は近世期に日本三弁天の一つとされて庶民の江の島参りが盛んであったが、明治初年の神仏分離により江島神社となった。 |
|
|
|
|
|
|
江島神社辺津宮での式典 |
境内には大きさ4尺程度で2点棒の神輿が据えられていた。 |
|
拡大写真(1200x900)260KB 【E-1
28mm
F6.3 1/200秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
裸弁財天(はだかべんざいてん)で有名な江島神社は、辺津宮(へつのみや)、中津宮(なかつのみや)、奥津宮(おくつのみや)の三社からなる神社で、その末社として八坂神社がある。 江島神社 |
|
辺津宮に田寸津比売命(たきつひめのみこと)、中津宮に市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)、奥津宮に多記理比売命(たぎりひめのみこと)の三女神が祀られている。
この祭神を宗像(むなかた)の三女神といい、福岡の宗像大社、広島の厳島神社と同じ祭神といわれている。 |
|
|
|
|
|
|
宮司による祝詞奏上 |
|
拡大写真(1200X900)315KB 【E-1 38mm
F5.6 1/160秒 ISO200】
|
|
|
|
|
|
|
辺津宮 「下の宮」とも呼ばれる江島神社で最初にお参りする社で、建永元年(1206)宋から戻った慈悲上人良真が将軍源実朝に上奏して建てた神社といわれる。昭和51年(1976)権現造りの社殿が新築された。 |
|
中津宮 海上守護の神で、仁寿3年(853)、慈覚大師が最初に建てたといわれる。大師が洞窟に篭った際、童子15人に取り巻かれ、腕が8本ある八臂(はっぴ)弁財天の姿を見たことから、大師自身が彫刻し、ここに安置したのがはじまりという。現在の社殿は元禄2年(1689)の再建といわれる。 |
奥津宮 拝殿には江戸時代の有名な画家、酒井抱一が天井に描いた「八方睨みの亀」がある。 |
|
|
|
|
|
|
出番を待つ神輿舁の面々 |
|
拡大写真(1024X1100)230KB 【E-1
108mm
F4.0 1/160秒 ISO200】
|
|
|
|
|
|
|
弁財天 |
|
|
裸弁財天 |
|
|
|
|
辺津宮の南にある弁天堂に妙音弁財天と八臂(はっぴ)弁財天が鎮座する。
近江の竹生島(ちくぶじま)弁天、安芸の厳島(いつくしま)弁天と共に日本三大弁天に数えられる。 |
|
|
|
弁才天はインドの神で、水多き地という意味のサラスヴァティー
Sarasvati
といい、インドのサラスヴァティー河を神格化したものであるという。 |
|
土地に豊穣をもたらす神で、これに弁舌の神ヴァーチが同一視されるようになり、学問、音楽の神としての性格も持つようになった。妙音天・美音天・弁天と漢訳される。 |
|
神道では市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一視され、観世音の化身とも考えられている。弁才天は七福神のひとつに数えられ、福の神としての性格を強調するために弁財天と書かれる。 |
|
その姿は琵琶を奏でる二臂(にひ 両腕)の菩薩形の坐像と、宝珠・宝棒などを持つ八臂(はっぴ 8本の腕)のものがある。 |
|
近江の竹生島弁天、相模の江ノ島弁天、安芸の厳島弁天、陸前の金華山弁天、大和の天河弁天を五大弁天という。
竹生島の弁財天 |
|
|
|
|
|
|
|
裸弁財天 |
|
|
江の島の妙音弁財天は、俗に裸弁財天といわれ、全裸で琵琶を奏でる丈54cmの木製座像で、鎌倉期の名作として名高い。平成16年(2004)、20年ぶりに塗り替えと修復が行われ、新品のようである。 |
|
|
|
|
|
|
|
氏子総代の玉串奉奠 |
写真奥(南)に見える六角堂が弁財天を祀る弁天堂(奉安殿)で、その奥に八坂神社がある。 |
|
拡大写真(1200X900)249KB 【E-1
34mm
F7.1 1/250秒 ISO200】
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
八坂神社は、対岸の腰越(こしごえ)の小動神社(こゆるぎじんじゃ)が大波で流され、海中に沈んでいた建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の御神体を江の島の漁師が拾い上げて、ここに祀ったことにはじまるという。 |
|
現在は江島神社の末社であるが、江戸時代は天王社として祀られ、弘化元年(1844年)に再建された。明治6年(1873)に八坂神社と改称された。 |
神仏混淆(しんぶつこんこう)により、須佐之男命は、京都の八坂神社と同様に、祇園精舎の守護神・牛頭天王(ごずてんのう)の化身とされ、牛頭天王を祀る社といわれるようになった。牛頭天王を祀る祭礼を天王祭という。 |
|
|
|
|
|
|
江島神社の神紋の入ったシャンギリの提灯 |
「太平記」に「大蛇が現われ三つの鱗(うろこ)を落せり。(北条)時政祈願成就したと喜び、その鱗を旗の紋に押したる・・・」とあり、これが江島神社の神紋(社紋)の起りという。 |
|
|
|
拡大写真(1000x1200)305KB
【E-1 28mm
F6.3 1/200秒 ISO200】 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
式典が終わった後、シャンギリが披露された。高張り提灯を先頭にシャンギリ会と書かれた小田原提灯を持った人に続いて錫杖(しゃくじょう)、小太鼓、三味線、横笛、大太鼓と続き、神輿の周りを三度廻った。 |
|
シャンギリは、しゃぎりのことで、砂切とも書き、歌舞伎囃子の一つとして幕間に太鼓や笛で囃す鳴物である。民俗芸能では、囃子連中が練って、社寺や催し場で囃す鳴物をいう。現在は囃子と同意に使われることが多い。 |
|
|
|
|
|
|
|
りょくいんや しゃんぎりのわの まわりたる |
The shade of trees, a circle of shangiri going around. |
|
|
|
拡大写真(1200x900)335KB
【E-1 28mm
F7.1 1/250秒 ISO200】 |
|
|
|