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三重県志摩市に鎮座する伊雑宮(いざわのみや)の御料田(ごりょうでん)で行われる伊雑宮御田植祭は、千葉の香取神宮、大阪の住吉大社とともに日本三大御田植祭の一つに数えられる志摩地方随一の大祭で、国の重要無形民族文化財に指定されている。伊雑宮は、伊勢神宮・内宮の別宮であり、一般に「イゾウグウ」や「イソベさん」と呼ばれている。 |
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着飾った早乙女たち/伊雑宮(三重県志摩市) 2008.6.24 |

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勇壮な裸の男たちが大きな団扇(うちわ)のついた忌竹(いみたけ)を奪い合う「竹取神事」、古式ゆかしい装束に身を包んだ太鼓打ちや簓摺(ささらすり)らによる田楽(でんがく)が響きわたる中、白い着物に赤いたすきがけをした早乙女(さおとめ)たちによって厳かに行われる「御田植神事」、その後、「めでためでた」の唄声にのせて伊雑宮一の鳥居までを練り歩く「踊込み」と、祭りはいくつもの情景を見せてくれる。 |
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裸衆の準備 |

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神田に入った早乙女の一行 |

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この神事が現在の形になったのは平安時代末期か鎌倉時代初めと伝えられており、古来より脈々と受け継がれてきた伝統と歴史の積み重ねによって生まれた、荘厳な時代絵巻が繰り広げられる。 |
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神職による祓い浄めの神事 |

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祭りは、午前10時ごろから、平安朝の古式ゆかしい衣装をまとった30名ほどの奉仕者と地元の青年たちによってにぎやかにスタートする。まず、奉仕者一同、そろって伊雑宮に参拝し、おはらいを受けてから代表者が早苗(さなえ)を捧げて、祭りが行われる神田に向かう。田に着くと、「立人(たちうど)」「早乙女(さおとめ)」と呼ばれる男女が田に下りて手を取り合い、苗場(なえば)を3周半してから苗を取る「早苗取(さなえとり)神事」が行われる。 |
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立人と早乙女たちの早苗取神事 |

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神田に並んだ裸衆 |

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最大の見せ場は「竹取神事」で、裸の男たちが畦道から一斉に神田に入り、泥を投げ合い、取っ組み合いをして暴れ回る。かつては褌だけだったと思われるが、現在は白い半ズボンのようなハンダコの男たちが大半であるのが惜しまれる。 |
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泥の投げ合い |

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取っ組み合いの始まり |

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泥だらけになり暴れ回る男たちは、時たま観客にも泥や泥水を掛けるので注意が必要。晴れ着を着てこない方が無難かも知れない。 |
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泥仕合! |

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「竹取神事」のクライマックスは、忌竹(いみだけ)と呼ばれる巨大な団扇(うちわ)の着いた青竹を泥田の中に倒し、それを持った男たちが右や左に走り回るもので、とても勇壮で迫力がある。竹取神事は、賑やかに暴れ回ることで悪霊を追い出し、豊作を祈願するというユニークな神事である。 |
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神田に倒れる忌竹 |

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竹を持って泥田を走り回る! |

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泥田の揉み合い |

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躍動! |

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いみだけを はだかでうばう たうえかな |
Rice planting, bare-chested men taking purification bamboo. |
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泥まみれの退場 |

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「竹取神事」が終わると、全身泥だらけの男たちは、近くを流れる野川に入り、斎戒沐浴(さいかいもくよく)して泥を落とす。一緒に付いて行けば、お守りになるといわれる団扇の笹竹がもらえる。 |
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野川で斎戒沐浴 |

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「竹取神事」が終わると、「御田植神事」に入り、古式ゆかしい装束に身を包んだ太鼓打ちや簓摺(ささらすり)らによる田楽(でんがく)が響きわたるなか、白い着物に茜襷(あかねだすき)の早乙女(さおとめ)と田道人(たちど)たちによって田植えが始まる。 |
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田楽は、楽と踊りなどから成る日本の伝統芸能で、平安時代中期に成立した。田植の前に豊作を祈る田遊びから発達したといわれるが、その由来には未解明の部分が多い。 |
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おくわか、さいわかによる |
刺鳥差 |
の舞 |
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田植のBGMとして、子供たちにより小謡一番から九番が奏でられ、田舟(たぶね)の太鼓や簓(ささら)、笛が演奏されるが、中でも、 おくわか、さいわかによる(刺鳥差(さいとりさし)の舞は必見。 |
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珍しい田舟 |

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