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昨日の土曜日、毎年12月3日に開かれる埼玉県秩父市に鎮座する秩父神社の例大祭である秩父夜祭(ちちぶよまつり)の本祭に行き、新発売のオリンパスE-500を主力に1500枚ほど激写し、先ほど速報版ができあがった。 |
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秩父夜祭は、京都・祇園祭と飛騨・高山祭と並んで日本三大曳山祭(ひきやままつり)の一つに数えられ、三百年余りの歴史がある。国の重要無形文化財に指定されている祭りだけあり、とても素晴らしい内容で、すっかり魅了されてしまった。 |
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朝5時半に起床し、8時20分には西武秩父駅に着いた。都心からだと池袋から西武池袋線・西武秩父線を特急が走っており、1時間20分で着くので、とても便利だ。早速、夜御旅所に上がるために通る団子坂(だんござか)に行ってみたが、誰もおらず、団子坂を登り切った付近の御旅所の広場に何カ所か場所取りの脚立や三脚などが置いてあった。私も最良の場所を確保できる時間帯だったが、団子坂と御旅所の取材は来年にまわし、今年は祭り全般を取材することにした。 |
下郷傘鉾の華やかな囃子方たち |
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ぎりまわし(方向転換)中の下郷傘鉾 |
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秩父夜祭では、豪華な下郷(したごう)・中近(なかちか)の2台の傘鉾(かさほこ)と、宮地(みやじ)・上町(かみまち)・中町(なかまち)・本町(もとまち)の4台の屋台(やたい)が昼夜にわたり秩父屋台囃子の軽妙な太鼓のリズムにのって目抜き通りを巡行する。月並みな表現ではあるが、まさに絢爛豪華な時代絵巻である。夜は大量の花火が夜空を飾り、秩父神社から秩父公園に設けられた御旅所までの往復に花を添える。夜祭りといわれるのは、深夜にわたり傘鉾や屋台と呼ばれる山車(だし)が練り歩くためであるが、昼の方がゆっくりと鑑賞できるので、夜祭といっても朝から出掛ける価値は十分にある。 |
中近傘鉾の晴れ姿 |
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京都の祇園祭の辻回し(つじまわし)と呼ばれる90度の方向転換作業は、秩父では「ぎりまわし」と呼ばれる。長い二本の角材で梃子の原理を利用して山車の一方を持ち上げ、山車の回転中心に心棒を入れ、心棒に乗せて浮き上がった山車を90度回転させた後、再度二本の角材で山車の片方を浮かせて心棒を取り去り、もとの四輪車となって曳行する。 |
エールを交換する中近傘鉾(右)と本町屋台(左) |
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歌舞伎舞台となった本町屋台/秩父神社 |
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山車は、午前中、順序よく秩父神社に宮入りし、神前で祈願しお祓いを受けたあと、次々と目抜き通りに繰り出して、曳き廻される。巡行中の屋台では「屋台曳き踊り」が行われる。午後に入り、一通りパレードが終わると山車は広場などに展示され、夜の出番に備えて動きが止まる。その間、秩父神社では国の重要無形民俗文化財に指定されている屋台芝居が行われる。今年は宮元の本町(もとまち)が担当し、本町屋台が歌舞伎舞台に変身し、午後1時から白波五人男が上演された。 |
宮地屋台のそばで秩父屋台囃子を披露する知知夫囃子保存会の人たち/秩父鉄道・秩父駅前 |
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また、秩父鉄道・秩父駅前では、宮地(みやじ)屋台が展示されているそばで、宮地町の知知夫囃子保存会(ちちぶはやしほぞんかい)が太鼓のリズムが特徴の秩父屋台囃子を披露していた。 |
提灯がともった下郷傘鉾(右)と本町屋台(左)/秩父神社 |
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秩父夜祭の夜の部は、午後7時に秩父神社で待機中の下郷傘鉾(したごう・かさほこ)と本町屋台(もとまち・やたい)が御旅所に向けて出発。本町通りや中町通りを通ったあと、難所の団子坂を登り、御旅所に引き上げられる。順を追って6台の山車が団子坂をのぼり、御旅所に入った後、神事が行われるが、午後6時半から神事が終わる午後11時頃まで、団子坂周辺の通行が禁止される。 |
御旅所へ向かう配置に付いた本町屋台/秩父神社 |
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御旅所での神事が終わり、山車が団子坂を下りる深夜になると、市内に宿泊する観光客くらいしか残らないので、団子坂の立ち入り禁止も解除されて、ゆっくりと鑑賞できるそうだが、終わるのは午前様になり、私のように終電が西武秩父駅発午後10時20分という状況では、とてもゆっくりと鑑賞できない。秩父に宿を取れば良いのだが、本祭の日は早くから予約で満杯であることは、鞍馬の火祭と同じ状況である。 |
豪華な中町屋台/中町通り |
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秩父夜祭は、長い間受け継がれ、改良されてきたであろう衣装が徹底され、一人の違反者もいない。その衣装も町内会毎に創意工夫があり、どれも赤などの原色を使った色鮮やかなもので、とてもダンディである。屋台の色鮮やかな彫り物や金糸・銀糸を使った屋台幕に負けないためのもので、祭の華やかな雰囲気を盛り上げるのに絶大な効果がある。 |
山車のぼんぼりや提灯は、未だにローソクを灯しており、歴史と伝統に根ざしたこだわりをもっているところが素晴らしい。今年は本祭が土曜日になったため、約30万人の観光客が押し寄せたという。そのため、神社からの脱出や、目抜き通りの通行は渋滞して身動きがとれないこともしばしばである。裏道を研究しておくと比較的早く目的地に着くことができる。 |
元気な中町屋台のお兄さん/中町通り |
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オリンパスE-500は、二度目の出動となったが、期待にたがわず、素晴らしい映像を結んでくれた。夜の撮影も、さすがに内蔵のフラッシュでは光力が足りず、FL36の専用ストロボを装着して、総て和田流の手持・自動露出・自動焦点で撮影した。ピンぼけもあったが、大量に撮影したお陰で、ご覧のとおり上手く撮影できており、大満足である。この夜の写真を見て、三脚なしのオートで撮影したとは信じられないことだろう。オリンパスの実力は大したものである。パノラマ写真も和田流の真骨頂で、つなぎ目が分からないのはデジタル写真のお陰である。 |
終電の40分前の電車に乗り、帰宅したのは午後11時半。クタクタに疲れたが、充実感があった。来年は、団子坂や御旅所を取材したいと思っているが、宿を取るのが至難の業であるのが問題である。ともあれ、後日、「秩父夜祭(仮称)」として、艶やかな時代絵巻を詳細に紹介する予定である。乞うご期待! |