ツアー三日目の11月18日（土）は、終日、桂林市内の観光スポットを巡った。最初に行ったところは象山公園。ここから象鼻山（しょうびざん）がよく見えるので、象山公園と名付けられたのだろう。

　大きな象が鼻を伸ばして川の水を飲んで いるような姿から名付けられたという象鼻山。鼻と足の間の洞窟は水月洞と呼ばれ、 見る位置によっては、半円形の洞が川面に映る半円形と合わさって満月に見えるという。

　象の頭にあたる部分には、普賢塔という仏塔が建っている。明代に創建されたもので、剣の柄に似ているところから剣柄塔とも呼ばれる。象鼻山のそばには、唐代に創建され、1980年に再建された雲峰寺がある。

　途中に仙鶴洞（せんかくどう）と呼ばれる天然の風洞があり、一年中清風が吹くという。唐代から宋代までに彫られた多数の仏像や碑文などが岩壁に彫り込まれている。漢字を発明した国だけあり、達筆の文字に感心する。

　仙鶴洞の中に二人の僧侶が座っており、そばに布袋（ほてい）のようなふくよかな仏像や薬師仏などが安置され、お参りする光景を目にした。南無阿弥陀佛の垂れ幕があったので、日本であれば親鸞の浄土真宗ということになるが、同じ仏教でも日本とは違った雰囲気がある。

　更に階段をあがって頂上に着くと、大勢の観光客が360度のパノラマの絶景を楽しんでいた。幸運にも雨は止み、遠くの山並みまでクッキリと見通すことができる。山頂にある瓦葺きの東屋（あずまや）は、拿雲亭（しょううんてい）と名付けられている。

　乾期にある漓江は水面が下がり、河床が露出している。12月には更に浅くなって船が通れなくなり、漓江下りが中止になるかも知れないと陳さんが危惧する。雨季になると水嵩が増し、ときとして洪水になるという。

　桂林市は、平地が広いので、奇山奇岩は遠く霞んで見える。この点、前日訪問した陽朔は、間近に迫るので評判が良いのも頷けなくはないが、矢張りスケールの点で、陽朔は桂林に到底及ばないと思う。

　桂林市の西方は、唯一奇山奇岩が迫っている区域である。写真下は、畳彩山の主峰・明月峰で、海抜223m。その北には木龍（もくりゅう）湖畔に建つ宋城（そうじょう）の七重楼閣が見える。

　木龍（もくりゅう）湖畔に建つ宋城（そうじょう）は、千年前の宋の時代にあった王城を復元したもので、ライトアップされた七重楼閣は、市内の湖を巡回する両江四湖（りょうこう・しこ）のナイトクルーズ最大の目玉になっている。

　石段を引き返すと、風洞の前で少数民族のカラフルな衣装をまとった女性たちが記念撮影の勧誘をしていた。