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参道入口で、神輿の胴に保護のための晒布が巻かれ、飾り綱が古いものに取り替えられ、丸太の担ぎ棒が取り付けられたあと、午前11時から白褌(しろふんどし)一丁の男たちに担がれた神輿は、湘南の海に入り、大勢の観客が見守る中で海の渡御が行われた。 |
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この作品を発表するに当たり、江ノ島天王祭の裸神輿を白褌神輿(びゃっこんみこし)と呼ぶことにした。これは、江島神社や天王祭を催行する地元の方々の了解を得たものではなく、私の勝手なネーミングであるが、全国を見ても白褌一本だけの裸形(らぎょう)で神輿を担ぎ、海中を渡御する裸祭りは見当たらず、白褌神輿と呼ぶにふさわしい伝統ある神聖な行事であると感じ入ったからである。 |
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すいこんを しめてみこしの うみにいる |
Wearing swimming fundoshi,
the portable shrine
goes into the sea. |
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日本の祭りの美しさの一つに、統一された衣装美(ユニフォームの美しさ)がある。担ぎ手たちの褌は、全員前袋式六尺褌、いわゆる水褌(すいこん)といわれるもので、かつての日本男児が海や川などで泳いだときの水着である。水褌は、褌の先端を前に垂らす前垂式六尺褌に比べて緩むことが無く、激しい運動をするのに適している。 |
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旧日本海軍の水泳訓練は、白い水褌で行われていた。海中では白がよく見え、また、溺れても褌をつかんで引き揚げることができるので、命綱の代わりでもあった。現在の海水パンツは、つかみ所がないので、安全性については水褌に劣る。 |
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うみわたる てんのうさいの ふどししゅう |
Guys of fundoshi-loincloths, Tennoh Ritual going in the sea. |
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水褌は、現在も伝統を重視する学校の水泳訓練や古式泳法などに使われている。少年の場合は赤褌(あかふん)を締めることが多い。色に決まりがあるわけではないが、赤は邪気を払うとして珍重される。神事の場合は、清浄な白が原則となる。 |
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うなさかに むかうみこしや しろふどし |
White fundoshi-loincloths, the
portable shrine going to the sea horizon. |
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ウインド・サーフィンと白褌神輿 2004.7.11
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湘南の海は、夏のレジャー本番を迎え、ヨットやクルーザー、ウィンドサーフィンなど、華やかなマリン・スポーツで賑わっており、褌一丁の男たちが担ぐ神輿と最先端のマリン・レジャーとの対比が目を引く。その落差にとまどう人もいるに違いない。しかし、科学技術が進歩し、高度文明社会に生きる現代においても、古式ゆかしい日本の伝統文化を守ってゆきたいと思う人々の心に共感を覚えるのは、筆者だけではあるまい。 |
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しおのかや なみにもまるる みこしかな |
A sea smell, a portable shrine being tossed about by the waves. |
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なつのうみ しろふんどしの かえるとび |
Summer sea, leapfrogs with white fundoshi-loincloths. |
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第十五べんてん丸の船上では、お祓いやシャンギリの演奏が行われているが、その音は岸辺には届かない。毎年船の上から海に飛び込んで神輿に向かう人たちがいる。海国日本の海の子さながらの光景である。 |
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えのしまの びゃっこんみこし うみのとぎょ |
A portable shrine of white fundoshi-loincloths, going in the sea off Enoshima. |
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小型ボートに乗った神職たちが神輿に近寄り、盛んに浄めの水をかけている。笑いながらやっているので、神事なのか娯楽なのか良く分からない。神輿に綱が取り付けられているのは、深みにはまったときに引き戻すための安全索のようである。そのため、神輿はUターンできず、入水地点から前進し、後退するという往復運動しかできない。神輿は後ろ向きに入水し、陸に上がったときに前向きになるように配慮されている。 |
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