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Wa☆Daフォトギャラリー

 旅紀行日本の祭り

2018年10月20日改訂

今 日

昨 日

♪山伏/邦楽囃子

長き夜や褌腰蓑鬼踊  北舟

拡大写真(2000X1500)562KB

A long autumnal night,
Ogre Dance wearing a loincloth with a straw apron.

2010年7月31日制作

早くも佳境に入った天下の奇祭「鬼踊り」/西区 23:00

見付天神裸祭

早くも佳境に入った天下の奇祭「鬼踊り」/見付天神(静岡県磐田市)

- 日本の伝統文化が息づく祭 -

 

日本祭百景【下巻】

長月

大原はだか祭り
九十九里浜
千葉県夷隅郡大原町(現・いすみ市)
平成16年(2004)9月23日(木)
撮影・制作:和田義男

 平成16年(2004)9月23日(木)秋分の日、千葉県夷隅郡大原町(現・いすみ市)で恒例のはだか祭りが開かれた。大原はだか祭りは、江戸時代から行われ、天保年間(1829〜)から祭りのしきたりや組織ができたという伝統ある祭りで、毎年9月23・24日の2日間にわたって行われる。
 上半身裸の男たちによって大原地区の十社に東海・浪花の両地区から参集した合計18社の連合神輿が一斉に外房の九十九里浜の太平洋に担ぎ込まれ、揉み合う「汐ふみ」が祭りのハイライト。勇ましく、雄々しく、神輿が海の中を駆け巡り、投げ上げられる様は感動的である。

大原はだか祭り/大原海水浴場(九十九里浜)

大原はだか祭り/大原海水浴場(九十九里浜)

パノラマ写真(2000x960)320KB

波打ち際の神輿

波打ち際の神輿

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  日輪を掴みし神輿空に舞ふ  北舟 

にちりんを つかみしみこし そらにまう

The mikoshi, dancing in the sky, grabbing the sun.

太陽を掴んだ神輿!

浜に還った男たちは、最後の力を振り絞って神輿を宙に投げた。何と、神輿が太陽を挟んだ!!

太陽を掴んだ神輿!

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玉祖神社・占手神事
玉祖神社
山口県防府市
平成16年(2004)9月25日(土)
撮影・原作:ちばあきお 監修:和田義男

 平成16年(2004)9月25日(土)山口県防府市(ほうふし)に鎮座する玉祖神社(たまのおやじんじゃ)で占手神事(うらてのしんじ)が行われた。
 この神事の起源は、仲哀(ちゅうあい)天皇が熊襲(くまそ)征伐のおり、神功皇后(じんぐうこうごう)とともに玉祖神社に参拝し、軍の吉凶を占わせた古式によると伝えられている。所作が相撲に似ているところから「占手相撲」ともいわれる。呪術的儀礼に富んだこの神事は、山口県の無形民俗文化財に指定されている。

軍士は神に向かって石畳にひれ伏すように拝礼すると、首座から太刀を拝領し、神門の石段に置く。これは、占いに先立ち、軍士に邪心のないことを神に示すためと考えられている。
軍士による裸の儀式は、前段と後段に分かれる。前段はダンスをしているようなしぐさから蹲踞(そんきょ)の姿勢に移行し、腰を叩く。これを三度繰り返す。
裸のパフォーマンス
裸のパフォーマンス

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▼ 後段は、腰を叩く代わりにお互いに手のひらを見せ合う。これも三度繰り返す。 手のひらを見せて占うことから占手神事(うらてのしんじ)と呼ばれるようになった。手のひらを見て、どうなっていればどうなのかは、全く分からない。生き残っているのは裸のパフォーマンスの神事だけであり、宮司に聞いても開示できる資料はないという。
両手を見せ合う
両手を見せ合う

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▼ 最後に、二人の軍士が互いの両手を掴み、とっ組み合ってから地面を叩く。 この取っ組み合いが相撲を取っているように見えることから、占手相撲とも呼ばれるようになった。
 軍士の締める純白の褌は、時代により変遷があり、以前は生糸で織られた羽二重(はぶたえ)の褌を締めていたというが、現在は晒木綿である。internetの文献では殆どが羽二重の褌とされているが、宮司によると、篝火(かがりび)のもとではそのような光沢があるように見えるという。
 軍士の褌は、前垂れ式六尺褌であるが、後ろが兵児帯(へこおび)の蝶々結びのように垂れている。宮司によると、昭和初期の写真では相撲まわしのような締め方だという。この独特の締め方は、占手神事保存会が考証して実践しているとのこと。

 最後に軍使は神門前に並び、神に向かって「オー!」という鬨(とき)の声を上げるこれで占手神事が完結する。

相撲を取る軍士たち
相撲を取る軍士たち

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見付天神裸祭/浜垢離
見付天神
静岡県磐田市
平成21年(2009)9月23日(水)
撮影・制作:和田義男

 平成21年(2009)9月23日(水)秋分の日、静岡県磐田市(いわたし)で見付天神裸祭(みつけてんじん・はだかまつり)の浜垢離(はまごり)が行われた。御大祭(ごたいさい)3日前に氏子たちの心身を清める行事が浜垢離(はまごり)で、見付天神南方約8kmの遠州灘に面する福田海岸で行われた。
▲▼ 午前10時過ぎから遠州灘に面する磐田市福田海岸の松原に注連縄を張り巡らした斎場(さいじょう)で「松原の神事」と呼ばれる「松原放生会祭(まつばら・ほうじょうえ・さい)」が行われた後、氏子たちは砂浜に移動し、海浜の修祓(しゅばつ)に入った。
鈴木俊彦宮司による

祝詞のりと

奏上/海浜の

修祓しゅばつ

 10:45

鈴木俊彦宮司による祝詞奏上/海浜の修祓 10:45

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▼ 浜の神事が終わると、海の禊ぎに入った。最初は神官たちの禊ぎで、午前11時頃、西(左)から鈴木宮司、2人の禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)の4人が鉢巻・越中褌姿で並び、遠州灘に向かって柏手(かしわで)を打ち、拝礼したあと、海に入って寄せ来る波を被り、身体を清めた。
 続いて御輿先供係(みこしさきともがかり)が海に入って禊を行った後、黒烏帽子・白丁上下・白足袋・草鞋姿の輿役(こしやく)たちが「御輿番・地脇」の浜印を掲げて水浴。その後、待ちきれずに浜印と觸鈴(ふれすず)を持って海に走り込ん行ったのは一番觸(いちばんぶれ)(一番町いちばんちょう)の氏子たちだった。裸祭りに際しては、氏子28ヵ町は祭組(まつりぐみ)を編成し、町名とは別に独自の呼称を用いる。
 28の祭組は、見付天神から遠い地区から順に並んだ西区・西中区・東中区・東区の4つの梯団(ていだん)に所属し、それぞれ8・4・11・5の祭組で編成され、見付天神・拝殿でフィナーレの鬼踊りが行われる堂入りは、梯団毎の順番で行われる。浜垢離もその順に添っている。
大波に洗われる神職たち〜アニメーション〜 2012.09.19 10:57

大波に洗われる神職たち〜アニメーション〜 2012.09.19 10:57

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西区 一番觸いちばんぶれ の浜垢離/四 〜アニメーション 〜 2012.09.19

西区一番觸の浜垢離/四 〜アニメーション〜 2012.09.19

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波の中の裸練り/一番觸(西区) 11:06

波の中の裸練り/一番觸(西区) 11:06

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  白褌の波に洗わる秋の垢離 北舟 

びゃっこんの なみにあらわる あきのこり

The autumnal purification, white loincloths being washed by the waves.

見付天神裸祭で目につくのは次代を背負う子供たちの姿が多いことである。28の祭組は、それぞれ「子供連」を編成して世話役が付きっきりで指導し、保護育成に当たっている光景が印象的である。

気合いを入れてスクラム行進/玄社(西区)

波に打たれる子供たち/水陣(西区)

気合いを入れてスクラム行進/玄社(西区) 波に打たれる子供たち/水陣(西区)

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▼ 来年、単独で輿番(こしばん)を務める東区の権現(ごんげん)大勢力を誇り、広いテントの直会会場に太鼓を持ち込む熱の入れようで、浜垢離の後、大勢の氏子たちが酒食を共にしながら歓談し、大いに賑わっていた。
広いテントの

直会なおらい

会場/

権現ごんげん

(東区)
広いテントの直会会場/権現(東区)

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▼ 海から上がった後も、砂浜や松原で本祭の鬼踊りの練習を兼ねているのか、肩車をし、押し合いへし合い、「オイッショ、オイッショ!」の掛け声も勇ましく、地団駄踏んで裸練りが繰り返し行われた。写真下は、水陣の氏子たちの勇姿である。
  天高し浜の押し合ひ白褌 北舟 

てんたかし はまのおしあい しろふどし

The autumnal sky, jostling with a white loincloth at a beach.

「祭広場」名作集 〜アニメーション〜  2012.09.19

「祭広場」名作集 〜アニメーション〜 2012.09.19

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芝生の広場で盛り上がる裸っぽたち/

水陣すいじん

(西区) 11:50

芝生の広場で盛り上がる裸っぽたち/水陣(西区) 11:50

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▼ 御瀧車(おんたきぐるま)の鉢巻姿の裸っぼ3人は、Wa☆Daフォトギャラリーの紹介で神奈川や大阪などからやってきた飛び入り参加者たちで地元氏子の方々のお陰で、とても素晴らしい体験ができたと大喜びだった。左端の庄俊之さん(相模原市)は、御大祭にも参加した。これを嚆矢(こうし)として、年々部外者の参加が増え、全国に知られる裸祭りになるよう、今後とも応援させて頂きたい。
 写真左端は、西中区梯団長、二番觸(にばんぶれ)(二番町)の鈴木亨司さん。裸の3人の右が東中区梯団長、御瀧車の片山千代三さん、右端が保存会副事務局長で二番觸の松本直希さん、片山さんの後ろの白シャツの方が保存会事務局長の福代陽一さんである。

飛び入り参加者との交流/御瀧車 12:55

飛び入り参加者との交流/御瀧車 12:55

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見付天神裸祭/御大祭
見付天神
静岡県磐田市
平成21年(2009)9月26日(土)・27日(日)
撮影・制作:和田義男

 平成21年(2009)9月26日(土)27日(日)の両日、静岡県磐田市(いわたし)で見付天神裸祭(みつけてんじん・はだかまつり)の御大祭(ごたいさい)が行われた。
 見付天神裸祭は、8日間にわたって執り行われるが、浜垢離(はまごり)と御大祭(ごたいさい)以外は、神事が中心で、ひたすら清め祓うことに主眼が置かれており、汚れや穢れを嫌う日本の神道の特徴が良く現れている。

東中区梯団御瀧車(宿町)の方々と記念撮影/御瀧車会所前 20:35

東中区梯団御瀧車(宿町)の方々と記念撮影/御瀧車会所前 20:35

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  夜街道腰蓑梯団里祭 北舟 

よかいどう こしみのていだん さとまつり

A village ritual, a large group with straw aprons on a night highway.

西に移動を始めた東中区梯団/福代邸前(旧東海道) 21:42

西に移動を始めた東中区梯団/福代邸前(旧東海道) 21:42

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  ▲▼ 各町内の渡り付けが終わると、いよいよ宵祭の見せ所である街道練りが始まった。宿町の祭組「御瀧車」は、旧東海道の見付宿場通りに繰り出し行進を始めた。最前列は前〆(まえじめ)として隊列が崩れないようスクラムを組みその中に練りの集団を封じ込めている。青のリストバンドが前〆であることを示す。「オイッショ、オイッショ!」の掛け声と共に行進する褌腰蓑姿の集団は、あっという間に町中を熱気に包んだ。  
 静岡銀行前で西区と東中区の梯団同志の擦れ合い(すれ違い)があり、たった10分ほどで、盛り上がりは頂点近くに達し、既に陶酔状態の人もいる。凄(すさ)まじいばかりの熱気で、私も全身汗だくになりながら、シャッターを切り続けた。

汗だくのスクラム行進/東中区

汗だくのスクラム行進/東中区

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▼ 先頭の前〆は、黄色の向こう鉢巻をした屈強の男たちがスクラムを組んで行進している。白い紐の腕輪をしているのが見える。彼らは、元門車(げんもんしゃ)の氏子たちで深夜の神輿渡御の際に神輿に追従する裸っぽたちが乱入したり、担ぎ棒に上がったりして狼藉を働くことを防止するために、神輿の後部を〆切る特殊部隊である。
〆切を先頭に姿を見せた東区梯団/福代邸(旧東海道) 22:09

〆切を先頭に姿を見せた東区梯団/福代邸(旧東海道) 22:09

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「道中練」名作集 〜アニメーション〜  2012.09.22

「道中練」名作集 〜アニメーション〜 2012.09.22

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▼ 午後10時47分に「境松」の提灯を持つ月松社(げっしょうしゃ)の堂入りが始まり続いてゾクゾクと裸・腰蓑姿の男たちが堂入りし、鬼踊りが始まった。天井のスプリンクラーから撒水(さんすい)が開始されると、拝殿の中は徐々に汗と熱気が広がり、やがて堂内を広く包んでむせ返るほどになる。褌腰蓑姿の裸っぽたちが押し合いへし合い、「オイッショ、オイッショ!」という精力的な掛け声と踏みならす床音が次第に激しくなり、裸祭りは佳境に入った。

男の晴れ舞台

リストベルトが觸鈴を持つことができる觸番の証
男の晴れ舞台 リストベルトが觸鈴を持つことができる觸番の証し/一番觸(西区) 23:05

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▼ 今回の取材で鬼踊りの最高傑作が下の写真。映画のような演技ではないので、偶然の産物に他ならない。傑作を撮る秘訣は数多くシャッターを切ること。数えてみると拝殿での鬼踊りの撮影は、880枚2.3GBに達していた。
 一番觸の觸鈴を持った格好良い男性は、芥田晃志(あくたこうじ)さん。速報版を見てメールを頂いた。
 「鬼踊りの熱気の中に、計算されたような偶然の構図が、和田さんのステキな空間激写を芸術にし、その中に僕が入っていて光栄です。これからも、ステキな写真を追い求め、気をつけて世界を撮ってくださいね!! それではまた来年の鬼踊りで・・・・・」

早くも佳境に入った天下の奇祭「鬼踊り」/西区 23:00

早くも佳境に入った天下の奇祭「鬼踊り」/西区 23:00

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▲▼ 拝殿内の裸練りを「鬼踊り」という。天保(てんぽう)3年(1832)たまたま歌舞伎の地方巡業中、この裸祭に出くわした七世市川団十郎(白猿)が記した見聞録「遠く見ます」には、「御社に入りてくみ合(あい)、よんやサアもんやサアとくみ合ふ、是を鬼おどりといふ」とあり既に江戸時代には「鬼踊り」と呼ばれていたことが分かる。当時は「よんやサア、もんやサア」という掛け声だったようである。
 広い拝殿は裸っぽたちの独壇場で、天井のスプリンクラーの水煙が力水となり、汗と熱気と腰蓑の藁の臭いが堂内に満ち、「オイッショ、オイッショ!」の掛け声も勇ましく、地団駄(じだんだ)踏んで床音が響き渡った。
  長き夜や褌腰蓑鬼踊 北舟 

ながきよや ふんどしこしみの おにおどり

A long autumnal night, Ogre Dance wearing a loincloth with a straw apron.

気迫の形相/一番觸(西区) 23:15

鈴に殺到する裸っぽたち/東区(三番觸) 23:52
気迫の形相/一番觸(西区) 23:15 鈴に殺到する裸っぽたち/東区(三番觸) 23:52

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「鬼乱舞」名作集 〜 アニメーション〜 2012.09.22

「鬼乱舞」名作集 〜 アニメーション〜 2012.09.22

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▼ 午前零時を過ぎて御大祭(ごたいさい)は二日目に入った。幣殿で、宮司ら神職、先供、輿番一同が本殿の前に据えられた神輿を取り囲んで整列し、渡御奉告祭(とぎょほうこくさい)が行われた。
 続いて、宮司たち神職一同の到着を待って、六ッ石のそばの山神社で、提灯と松明の明かりを頼りに、山神社祭(やまじんじゃさい)が執り行われた。白い切り麻(ぬさ)が空中を舞い、大気が浄められるなか、白衣正装の鈴木宮司による祝詞奏上があり、一番觸、二番觸、三番觸の儀が行われた。
切り

ぬさ

が大気を浄める山神社祭 00:15

切り麻が大気を浄める山神社祭 00:15

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▼ 「一番觸」の声がかかると、世話方より觸榊(ふれさかき)が御山役(おやまやく)に渡され、野次(やじ)と呼ばれるお付きたちとともに觸番(ふればん)が觸鈴(ふれすず)を打ち鳴らしながら山を下り、「いちばーんぶれー」と連呼しながら総社まで走って神輿渡御が近いことを知らせる。
 幸いまだフラッシュ撮影が許されていたので出発する一番觸の姿をうまく撮し取ることが出来た。御山役は素手で觸榊を持ってはならず、上衣の袖を使って保持しているのが分かる。赤襷の警固長は、大島秀敏さん。

一番觸が山神社を出発! 00:15:30

御山役 觸番  

一番觸が山神社を出発! 00:15:30

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  先觸の鈴の音爽か見附宿 北舟 

さきぶれの すずのねさやか みつけじゅく

Mitsuke Stage, the refreshing tinkle of a bell by a herald.

 「二番觸」が出発すると煙火(はなび)が上がり、それを合図に神輿渡御の道筋の照明が全て消された。ここからはフラッシュ撮影ができないので、二番觸の松本さんに手を引かれながら二番觸の二列目に付き、「にばーんぶれー」と連呼しながら小走りで総社に向かった。
 街道に出ると、一つ残らず灯火が消されて暗闇が広がっており、露店の姿も暗くて見えない。神輿渡御の際は、煙草の火さえつけてはならないという厳しい掟が厳守されていた。これが国の重要無形民俗文化財に昇格した理由の一つである。
 背景燈火の影響で、沿道には神輿渡御を見送る観客が並んでいるのが分かり、我々が前を通過すると拍手がわき起こった。祭を進める人と声援を送る人たちとの触れあいが心地よく、走りながら感動を覚えた。私の後ろには白丁姿になった新尺さんがいたことを後で知った。この機会を与えて頂いた西中区梯団長の鈴木さんのご配慮に心からお礼申し上げたい。

篝火のそばを渡御する神輿/総社石鳥居 00:33

篝火のそばを渡御する神輿/総社石鳥居 00:33

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▼ 神輿が御旅所の総社に到着すると、煙火(はなび)が上がり、それを合図に町内は光を取り戻した。ここから再びフラッシュ撮影が可能となった。神輿が総社拝殿に安置されたあと、白丁たちが見守る中、神輿総社着御祭(みこし・そうしゃ・ちゃくぎょさい)が執り行われた。
 総社で神事が行われている一方で、神輿渡御にお供してきた裸っぽたちは、総社の西(左)の注連縄(しめなわ)に囲まれた納所(おさめどころ)で腰蓑納めをしたあと、三々五々帰途に着いた。腰蓑だけでなく、草鞋も脱いで納める人もいた。
  腰蓑を納めてふどし夜半の秋 北舟 

こしみのを おさめてふどし よわのあき

Midnight autumn, a loincloth after taking off a straw apron.

神事のそばで祭装束を解く男たち/総社

神事のそばで祭装束を解く男たち/総社

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▼ 全ての取材を終わり、松本さんの案内で松本邸に向かうと、腰蓑納めをしたあと一団となって戻ってきた西中区・二番觸の氏子たちが、最後の裸練りを楽しんでいた。二番觸の場合、拝殿での鬼踊りの時間は30分ほどしかなく、神輿が拝殿を出発した後は、禁止されているので、まだ余力が残る若者たちの最後の楽しみになっているようである。草鞋が片方しかない者や裸足の者など、鬼踊りの凄まじさが想像された。
  白褌に鈴打ち鳴らす夜半の秋 北舟 

びゃっこんに すずうちならす よわのあき

Midnight autumn, ringing a bell wearing a loincloth.

觸鈴を思う存分振り回す裸練り/二番觸

觸鈴を思う存分振り回す裸練り/二番觸(西中区)

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若宮八幡ヤッサ祭
若宮八幡宮
群馬県利根郡みなかみ町
平成21年(2009)9月29日(火)
撮影・原作:曽根由香 監修:和田義男

 平成21年(2009)9月29日(火)、 群馬県利根郡(とねぐん)みなかみ町(みなかみまち)下津(しもづ)に鎮座する若宮八幡宮(わかみやはちまんぐう)でヤッサ祭(やっさまつり)が開かれた。400年の伝統を持つ小川島地区の氏神様の祭りで五穀豊穣・無病息災・水害除けを祈願する裸祭りである。
  神社の境内で褌姿の地元の男性十数名が数珠つながりになって「ヤッサ、モッサ、シンジュウロウ(新重郎)」と声を掛け合いながら大蛇のように練り歩くことから、ヤッサ祭と呼ばれるようになったという。

 青鉢巻・白褌・裸足の氏子たちが、前の男性の後褌(うしろみつ)を持って一列縦隊となり、歩きながら引き合い押し合い、寝そべったりしながら境内を練り歩き、神殿を廻ったあと柱登り行う。
 男たちは、境内の裸練り・神殿の巡回・柱登りを7回繰り返し、最後に拝殿の大鈴の紐をもぎ取る。見事に取れると、その年は豊作になるといわれている。汗と泥まみれになった裸たち は、最後に餅とお菓子を撒き、お開きとなる。
五回目のうねり歩き 20:29

五回目のうねり歩き 20:29

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 ヤッサ祭の起源は、かつてこの地区が水害に遭ったとき、若者たちが数珠つなぎになって人々を救ったという説と、400年ほど前にあった名胡桃城(なぐるみじょう)の合戦で、大木新重郎(おおき・しんじゅうろう)という武士が村人を避難させようと、腰紐をつかませて誘導したことにちなんだものという説がある。

頂上を極める 20:36

頂上を極める 20:36

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▼ 祭りが始まってから1時間20分が経過し、七度のお勤めが終わると、先頭の男性が抱きかかえられ、拝殿で参拝のときに打ち鳴らして大気を清める大鈴の紐取りとなった。
 全員が注視するなか、エイッと紐が引かれるとスルリと落下し、見事に紐がもぎ取られた。今年も豊作が約束されることになり、大任を果たした男たち全員から笑顔が漏れた。
  鈴紐や汚れ褌の豊の秋 北舟 

すずひもや よごれふどしの とよのあき

A bell rope, dirty loincloths at autumn of good harvests.

豊作をもたらす鈴紐を手にした裸たち! 21:05

豊作をもたらす鈴紐を手にした裸たち! 21:05

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