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 旅紀行日本の祭り

2010年6月25日改訂

今 日

昨 日

♪歌舞伎/三人吉三(大川端の場)
白浪五人男(稲瀬川勢揃いの場)〜弁天小僧(浜松屋店先の場)

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新緑やこども歌舞伎の名台詞  北舟
New green leaves, the fine words of child Kabuki.

2010年6月21日制作

「知らざあ言って聞かせやしょう!」

「知らざあ言って聞かせやしょう!」/鐵砲洲稲荷神社神楽殿(東京都中央区)

 

御鎮座壱千百七拾年

鐵砲洲稲荷神社神紋   鐵砲洲稲荷神社   鐵砲洲稲荷神社神紋

鐵砲洲奉祝大祭

五人男

 

「三人吉三巴白浪」 さんにんきちさ ともえのしらなみ 

▼ 次の演目は、盗賊を主人公とする白波物(しらなみもの)で、河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ)作「三人吉三巴白浪(さんにんきちさ・ともえのしらなみ)-大川端庚申塚の場(おおかわばた・こうしんづかのば)。白浪五人男(弁天小僧)の前身作である。
三人吉三さんにんきちさ

巴白浪ともえのしらなみ

 2010.5.2. 13:55

三人吉三巴白浪 2010.5.2. 13:55

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あらすじ

▲ 節分の宵のこと。夜鷹(よたか)のおとせは昨夜の客が忘れていった百両を懐に持ち、彼を探すため大川端(おおかわばた)(隅田川のほとり)にやってきた。そこへ八百屋のお七と名乗る振り袖姿の娘が現れ、道を尋ねられたので親切なおとせは途中まで案内を申し出た。
屋外で演奏する

囃子方はやしかた

屋外で演奏する囃子方

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  ▼ ところがその懐に大金があるのを知るとお七の態度はがらりと変わった。おとせは百両を奪い取られその弾みで大川隅田川)に落ちて溺死してしまう。お七は評判の女装した盗賊・お嬢吉三(おじょう・きちさ)だった。
おとせから金子を奪う

お嬢吉三おじょうきちさ

お嬢吉三/福地十友里(佃島小5年) おとせ/大野眞琴(豊海小4年)  

顔のメイク

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  ▼ ちょうど現場を目撃した金貸し太郎右衛門は、お嬢吉三に襲いかかるが、持っていた名刀「庚申丸(こうしんまる)を奪われてしまい、一目散に逃げ出す。
お嬢吉三を襲う

太郎右衛門たろうえもん

太郎右衛門/山本時平(中央小5年)  

お嬢吉三を襲う太郎右衛門/山本時平(中央小5年)

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名台詞めいぜりふ

「お嬢吉三」:月も朧(おぼろ)に白魚(しらうお)の 篝(かがり)も霞む春の空 冷(つてえ風もほろ酔いに 心持ちよくうかうかと 浮かれ烏(がらす)のたゞ一羽(いちわ) 塒(ねぐら)へ帰(けえ)る川端で 棹の雫か濡れ手で泡 思いがけなく手に入()る百両・・・ 
  ほんに今夜は節分(せつぶん)か 西の海より川の中 落ちた娘は厄落とし 豆沢山(まめだくさん)に一文(いちもん)
の 銭(ぜに)と違った金包(かねづつ)み こいつあ春から 縁起がいいわえ〜

背景:江戸は佃島の漁師たちは家康の命令で大阪の佃村から移住してきた人々。佃島を拝領した代わりに将軍
に献上する魚を捕った。彼らが冬の夜、江戸湾の沖に小舟を浮かべ、篝火を焚いて捕獲する白魚漁(しらうおりょう)
は、江戸下町の冬の風物詩だった。
 舞台は旧暦の正月が過ぎた14日の節分(今の2月はじめ)の夜。空には満月に近い十四日の月が出ている。場
所は大川(今の隅田川)端。初春の少々寒い時期だが、海には霞が立ち、空の月はおぼろに見える。真冬には冷
たく光る篝火も今夜はかすんで見えている。
名刀「

庚申丸こうしんまる

」を手に「こいつは春から縁起がいいわえ! 」

名刀「庚申丸」を手に「こいつは春から縁起がいいわえ! 」

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  ▼ この様子を陰から見ていたのが、侍崩れで盗賊のお坊吉三(おぼう・きちさ)。おとせから奪った金をめぐり、二人は刀を抜き、腕づくの勝負となってしまう。
小判を横取りしようと斬りつける

お坊吉三おぼうきちさ

小判を横取りしようと斬りつけるお坊吉三

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  ▼ そこに止めに入ったのがこれも盗賊の和尚吉三(おしょう・きちさ)だった。やがて二人は和尚吉三の男気に心を打たれ義兄弟になることを願い出る。
仲裁に入った

和尚吉三おしょうきちさ

お嬢吉三/福地十友里(佃島小5年) 和尚吉三/佐川竜矢(泰明小4年) お坊吉三/繁沢快(佃島小5年)  

仲裁に入った和尚吉三

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河竹黙阿弥

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   初演は、安政7年(1860)。原作は白浪物(しらなみもの)を得意とし「江戸演劇の大問屋」と呼ばれた河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ)
 物語全体は、主人公である同じ吉三という名前を持つ三人の若い盗賊が、複雑な人間関係と因果応報の嵐に翻弄される切ない作品である。
 原題は「三人吉三廓初買(さんにんきちさ・くるわのはつがい)」といい、主人公3人が出会う『大川端庚申塚の場』だけを上演する場合には「三人吉三巴白浪」というタイトルになる。
 この場面は、お嬢吉三の「月も朧に白魚の〜」という七五調の名ぜりふがあまりにも有名で、三人吉三といえば『大川端』というくらい人気の場面として知られている。

★☆★彡

河竹黙阿弥かわたけ もくあみ  文化13年(1816) - 明治26年(1893)
 江戸時代末期から明治にかけて活躍した歌舞伎狂言作者。本名は吉村芳三郎。俳名其水。別名は古河黙阿弥。江戸日本橋生れ。
 特徴は「黙阿弥調」と称される華麗な台詞。歌舞伎界では、「厄払い」と呼ばれ、リズミカルな七五調に掛詞・縁語を駆使する。「白浪五人男」などに登場する悪人たちは、小心で因果に翻弄される弱者であった。
大盛況の新富座こども歌舞伎の奉納 14:15

大盛況の新富座こども歌舞伎の奉納 14:15

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互いの腕から血を取る

互いの腕から血を取る

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血を飲み回す義兄弟の固めの盃

血を飲み回す義兄弟の固めの盃

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▲▼ 和尚吉三もまた二人の気持ちに応え互いの腕から血を取って固めの血杯をかわし、百両は一旦和尚が預かることとなって決着する。

和尚吉三が百両の小判を預かって大団円

和尚吉三が百両の小判を預かって大団円

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▼ 幕間に、富籤(とみくじ)による景品がプレゼントされた。配付されたプログラムの左上に四桁の数字が印字されており、千両箱から引き出した当たり籤の番号を読み上げ、当選者に景品が渡された。

富籤とみくじ

による景品プレゼント

富籤による景品プレゼント

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白浪五人男しらなみごにんおとこ

稲瀬川勢揃の場いなせがわせいぞろいのば
「白浪五人男」は、泥棒を主人公にした作品「白浪物(しらなみもの)」を得意とした河竹黙阿弥(かわたけもくあみ)の代表作の1つで、日本駄右衛門(にっぽんだえもん)・弁天小僧菊之助(べんてんこぞうきくのすけ)・南郷力丸(なんごうりきまる)・赤星十三郎(あかぼしじゅうざぶろう)・忠信利平(ただのぶりへい)の5人の泥棒の因果を描いた作品である。
 主役の弁天小僧菊之助役は、文久2年(1862)の初演時に、当時19歳だった五代目尾上菊五郎(おのえきくごろう)が大当たりを取って以来、代々の菊五郎が当り役としている。
白浪しらなみ

五人男ごにんおとこ

 14:35
主役の弁天小僧菊之助/島津陽(月島第三小6年)  

白浪五人男 14:35

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あらすじ

▲▼ 「浜松屋」の仕事がきっかけとなり、日本駄衛門一味へのお上の詮議の手が伸び、五人男は追っ手を逃れて鎌倉まで落ち延びようと、桜が咲き乱れる稲瀬川の提までやってくる。

 揃いの小袖に番傘という粋な姿で、これ以上逃げ切れなくなったら最後の一働きをして縄目にかかろうと覚悟を決め、取り囲まれた捕り手たちに、潔く「成敗受けん」と啖呵を切り、一人一人名乗りを上げた後、捕り手たちに立ち向かってゆく。
女に化けて

美人局つつもたせ

/弁天小僧菊之助

女に化けて美人局/弁天小僧菊之助

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名台詞めいぜ りふ

「日本駄衛門」:問われて名乗るもおこがましいが 生まれは遠州浜松在 十四の年から親に放(はな) 身の生業(なりわい)も白浪の 沖を越えたる夜はたらき 盗みはすれど非道はせず 人に情けを掛川から 金谷(かなや)を掛けて宿々(しゅくじゅく) 義賊と噂高札(たかふだ) 廻る配符のたらい越し 危ねえその身の境遇(きょうげえ) 最早四十に人間の 定めは僅か五十年 六十余州に隠れのねえ 賊徒(ぞくと)の張本(じょうぼん) 日本駄右衛門(にっぽん・だえもん)
「弁天小僧菊之助」:さてその次は江ノ島の 岩本院の稚児あがり 普段着慣れた振袖から 髷も島田に由比が浜(ゆいがはま) 打ち込む波にしっぽりと 女に化けて美人局*(つつもたせ) 油断のならねえ小娘も 小袋坂に身の破れ 悪い浮き名も龍の口(たつのくち) 土の牢へも二度三度 段々超(こご)る鳥居数(とりいかず) 八幡様の氏子にて 鎌倉無宿(むしゅく)と肩書きも 島に育ってその名せえ 弁天小僧菊之助(べんてんこぞう・きくのすけ) 
*美人局:夫婦が共謀し行う恐喝・詐欺行為。妻が「かも」になる男を誘って姦通し、行為の最中または終わった瞬間に夫が現れて、妻を犯したことに因縁をつけ、法外な金を脅し取ること。妻でなく、他の女性でも同様。
   新緑やこども歌舞伎の名台詞  北舟 

しんりょくや こどもかぶきの めいぜりふ

New green leaves, the fine words of child Kabuki.

五人男の勢揃い 14:45
 

南郷力丸
手嶋雄也(佃島小3年)

赤星十三郎
大野千尋(豊海小2年)

忠信利平
本間天詞(月島第三小3年)

弁天小僧菊之助
島津陽(月島第三小6年)

日本駄右衛門
岡部芽以(佃小5年)

 

五人男の勢揃い 14:45

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「忠信利平」:続いて後に控ひけえしは 月の武蔵の江戸育ち がきの折りから手癖が悪く 抜け参(めえ)りからぐれ出して 旅を稼ぎに西国(さいこく)を 廻って首尾も吉野山 まぶな仕事も大峰(おおみね)に 足をとめたる奈良の京 碁打といって寺々や 豪家(ごうか)へ入(い)り込み盗んだる 金(かね)が御嶽(みたけ)の罪料(つみとが)は 蹴抜の塔(けぬけのとう)の二重三重(にじゅうさんじゅう) 重なる悪事に高飛びなし あとを隠せし判官(ほうがん) お名前(なめえ)(かた)りの忠信利平(ただのぶ・りへえ) 
「赤星十三郎」:亦(また)その次に連なるは 以前は武家の中小姓 故主(こぬし)のために切り取りも 鈍き刃(やいば)の腰越えや 砥上ヶ原(とがみがはら)に身の錆を 研ぎ直しても抜けかぬる 盗み心の深みどり 柳の都(みやこ)谷七郷(やつしちごう) 花水橋(はなみずばし)の切り取りから 今牛若と名も高く 忍ぶ姿も人の目に 月影ヶ谷(つきかげがやつ) 神輿ヶ獄(みこしがだけ) 今日(きょう)ぞ命(おさきち)の明け方に 消ゆる間近き星月夜(ほしづきよ)、その名も赤星十三郎(あかぼし・じゅうざぶろう)
「南郷力丸」:さてどん尻に控けえたは 潮風荒らき小動(こゆるぎ)の 磯馴(そなれ)の松の曲がりなり 人となったる浜育ち 仁義の道も白川の 夜舟に乗り込む舟盗人(ふなぬすっと) 波にきらめく稲妻の 白刃(しらは)で脅す人殺し 背負(しょ)って立たれぬ罪科(つみとが)は その身に重き虎ヶ石(とらがいし) 悪事千里というからは どうで終(しめえ)は木の空と 覚悟はかねて鴫(しぎ)立つ沢 然し哀れは身に知らぬ 念仏嫌れえの南郷力丸(なんごう・りきまる)
「成敗受けん」と啖呵を切る白浪五人男のフィナーレ 14:50

「成敗受けん」と啖呵を切る白浪五人男のフィナーレ 14:50

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 今回上演されなかったが有名な「弁天小僧菊之助・浜松屋店先の場」の名台詞をBGMの3曲目に流している。

「弁天小僧菊之助」:知らざあ言って聞かせやしょう 浜の真砂と五右衛門が 歌に残した盗人の 種は尽きねえ七里ヶ浜 その白浪の夜働(よばたらき) 以前を言いやあ江ノ島で 年季勤めの稚児が淵 百味講(ひゃくみ)で散らす蒔き銭(せん)を あてに小皿の一文字(いちもんこ) 百が二百と賽銭の くすね銭せえ段々と 悪事はのぼる上(かみ)の宮 岩本院で講中(こうじゅう)の 枕捜しも度重なり お手長講の札付きに とうとう島を追い出され それから若衆(わかしゅ)の美人局(つつもたせ) ここやかしこの寺島(てらじま)で 小耳に聞いた爺(おとおや)の 似ぬ声色(こわいろ)でこゆすりたかり 名せえゆかりの弁天小僧菊之助たぁ俺がことだぁ!
最後の口上
捕手
大澤杏子(日本橋中1年)

 

捕手
石黒舞(京橋築地小3年)

捕手
染谷凪(晴海中1年)

 

捕手
元井皓己(泰明小4年)

最後の口上

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歌舞伎座をバックにポーズ/三番叟 15:40

歌舞伎座をバックにポーズ/三番叟 15:40

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▲▼ 成功裏に終わった例大祭奉納公演の後、一座は4月30日(金)に閉館した歌舞伎座に赴き舞台衣装のまま、正面玄関をバックに記念撮影を行った。
歌舞伎座の前に立つ/三人吉三
歌舞伎座の前に立つ「三人吉三」 1/2 歌舞伎座の前に立つ/三人吉三 2/2

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▲▼ 舞台裏から最後の記念撮影まで、一座と共に行動して密着取材をすることができたが、芝居の完成度はかなり高かった。何より時代考証が完璧で、殆ど見えない褌までキチッと締めていることに感心した。台詞に詰まったり、とちったりすることもなかった。
 しかし、小学校低学年の演技は子供っぽく、大泥棒のイメージとミスマッチであるために失笑を買うシーンもあったが、身体ができていないので、それ以上期待するのは酷というものだろう。
歌舞伎座でフィナーレの再演/白浪五人男 15:50

歌舞伎座でフィナーレの再演/白浪五人男 15:50

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▲▼ 諸河文子代表は、毎日新聞の取材に、「歌舞伎座は取り壊されますが、子供たちにはこの風景を記憶の中にとどめ、日本の伝統芸能を引き継いでいって欲しい」と話していたが、実に素晴らしい社会貢献であり、頭が下がる。
 「こども歌舞伎」は歌舞伎座前の神輿差しと共に鐵砲洲大祭の看板の一つになったことは間違いなく他に例のない素晴らしい文化活動として、今後の更なる発展を祈念したい。
新富座こども歌舞伎の皆さん

新富座こども歌舞伎の皆さん

拡大写真(2300X1400)624KB 撮影:星宏幸
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