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武州御嶽山滝行 |
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武蔵御嶽神社 |
東京都青梅市 |
平成20年(2008)9月6日(土)・7日(日) |
撮影・制作:和田義男 |
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しんぜんに たまぐしほうず たきぎょうじゃ |
An ascetic of the waterfall
offers a branch of a sacred tree to the gods. |
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平成20年(2008)9月6日(土)・7日(日)の両日、東京都青梅市にある標高929mの武州(ぶしゅう)御嶽山(みたけさん)山頂に鎮座する武蔵御嶽神社(むさしみたけ・じんじゃ)(宮司:金井國俊 67歳)で修業体験講座が実施された。 |
平成13年(2001)から始まったこの講座は、かつて修験者(しゅげんじゃ)(山伏)が行っていた深山幽谷での滝行(たきぎょう)などを体験し、自然と一体となって心や身体を洗い清め、日本人の持つ霊(みたま)を再生する精神修養を目指すもので、今回で18回目となる。 |
修業体験講座:武蔵御嶽神社 社務所 祭事部 〒198-0175 東京都青梅市御岳山176番地 Tel:0428-78-8500 |
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たきぎょうや しゅぬりのもんの おしのやど |
Waterfall purification, A lodge for pilgrims with a gate of dark red.
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山岳信仰で知られる御嶽(御岳)山(みたけさん)は、JR青梅線・御岳駅(みたけえき)の南西にそびえる。木曽の御嶽山(おんたけさん)などと区別するために、武蔵国の御嶽山という意味で武州御嶽山と表記する。 |
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御嶽駅前から西東京バスに乗ると8分ほどでケーブル下駅に着く。そこから徒歩数分で御岳登山鉄道滝本駅まで行き、ケーブルカーに乗ると6分で標高831mの御嶽山駅に着く。 |
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早朝の滝行に向かう行者たち/ |
奥宮 |
入口 05:40 |
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天狗の腰掛け杉↓ |
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あさもやの しんざんゆうこく たきみそぎ |
Waterfall purification in the morning haze of a deep mountain valley. |
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御嶽山駅から標高929mの御嶽山山頂に鎮座する武蔵御嶽神社までは、標高差100mほどの山道を30分ほど歩く必要がある。軽自動車やバイクがあるが、これらは地元民のためのもので、レンタルされておらず、また、駕篭や人力車などの観光用の輸送機関もない。 |
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御岳山駅から武蔵御嶽神社の方に南下すると、徒歩10分ほどで御師集落(おし・しゅうらく)に着く。御師(おし)は武蔵御嶽神社の社家で、神社と信者の間にたって祈祷し、御嶽講などの参拝客のために宿泊を世話する。 |
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御師は、伊勢では「おんし」と称し、祈祷師の別称であった。神社の神職は神明奉仕が勤めで、かつては信仰を広める行為ができなかったことから、御師の仕組みが生まれたという。 |
御師たちの宿坊が集まった場所が御師集落で、現在、山上に26軒、滝本付近に6軒あり、登録神職は約60名、実質的に活動している御師は約40名だという。なかでも馬場家は、甲斐武田氏の重臣馬場美濃守の流れを汲む由緒ある家柄と伝えられ、馬場家住宅は、幕末の慶応2年(1866)に建てられたものといわれ、東京都有形文化財に指定されている。今回、修業体験講座の宿舎にあてられたのは、御師の宿坊・秋山荘である。 |
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16回目となる谷川敏彦さん(53歳)の風格ある滝行
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びゃっこんの あじゃりのきはく たきみそぎ |
Ajari priest of white loincloth,
fired up in the waterfall purification. |
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御岳山は、中世より修験者(しゅげんじゃ)の行場として開かれた。修験は、奈良の吉野で役行者(えんのぎょうじゃ)を開祖とする山岳信仰を中心とした仏教の一派で、その行者を修験者や山伏などといい、山中で荒行を積み、自己研鑽に励んできた。御嶽の御師の祖先の多くは、そうした修験者であったと考えられ、江戸期になり講を組織し、一般民衆への布教活動を行い始めたといわれている。 |
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明治になると、唯一の神職家も御師として活動し、御師が神職として神社自体を運営するようになり、現在に至っている。今回の体験講座のスタッフも全員が現役の御師で、神社では神職として勤務している。 |
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最長老の |
羽場左近 |
さん(74歳)の滝行 |
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雄詰 |
の |
沼矛印 |
を結ぶ羽場さん |
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あやひろの たきにうたるる ふどししゅう |
Men of fundhoshi loincloth purifying themselves beneath the Ayahiro Fall. |
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▲▼ 土曜日の午後1時から日曜日の午後4時半まで実施される修業体験講座の内容は、滝行、山駆け、大祓行法、鎮魂などで、18歳から65歳までの健康な男女なら誰でも参加できる。参加費は15,000円で、行に必要な褌や白衣などは貸与される。 |
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真言宗高野山阿闍梨(あじゃり)の小林宗次郎さんは、法名を小林宗峰といい、東京都内でまんだらや密教研究所を主宰し、とりわけチベット仏教に造詣が深く、外国人に英語で密教を解説する国際派である。話の途中で急に英語で般若心経を唱えはじめたので、驚いてしまった。なぜ神道の修行に参加したのかお聞きすると、日本は昔から神仏習合の歴史文化があり、真言宗には垣根がないということだった。 |
武蔵御嶽神社の主催する18回の滝行のうち16回参加されている長谷川敏彦さん(53歳)は、もの静かな滝行にお人柄がにじみ出ており、端正でとても風格があった。 |
東京都国立市(くにたちし)にお住いの羽場左近(はばさこん)さん(74歳)は、5回目の参加で、参加者22名(うち女性9名)の中で最高齢者である。本来は高齢のため参加資格がないが、登山で鍛えたとても元気な方で、特別許可を得て参加した。 |
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もりのきを むねいっぱいに たきしゅぎょう |
Waterfall purification,
deep breathing of the forest air. |
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▲▼ 滝行は、初日の夕刻と翌日の早朝、いずれも深山幽谷の地・御岳山の綾広(あやひろ)の滝で行われた。太古の原始林を思わせる大自然の中での滝行は素晴らしく、心身共にリフレッシュする。夏ではあるが、清々しく、筆者も参加したい衝動に駆られるほどで、滝行を体験してみたいという方には、初心者も安心して参加できる本講座をお勧めしたい。 |
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祓戸之大神 |
に拝礼して終了 06:55 |
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見付天神裸祭/浜垢離 |
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見付天神 |
静岡県磐田市 |
平成21年(2009)9月23日(水) |
撮影・制作:和田義男 |
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平成21年(2009)9月23日(水)秋分の日、静岡県磐田市(いわたし)で見付天神裸祭(みつけてんじん・はだかまつり)の浜垢離(はまごり)が行われた。御大祭(ごたいさい)3日前に氏子たちの心身を清める行事が浜垢離(はまごり)で、見付天神南方約8kmの遠州灘に面する福田海岸で行われた。 |
▲▼ 午前10時過ぎから遠州灘に面する磐田市福田海岸の松原に注連縄を張り巡らした斎場(さいじょう)で「松原の神事」と呼ばれる「松原放生会祭(まつばら・ほうじょうえ・さい)」が行われた後、氏子たちは砂浜に移動し、海浜の修祓(しゅばつ)に入った。 |
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鈴木俊彦宮司による |
祝詞 |
奏上/海浜の |
修祓 |
10:45 |
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▼ 浜の神事が終わると、海の禊ぎに入った。最初は神官たちの禊ぎで、午前11時頃、西(左)から鈴木宮司、2人の禰宜(ねぎ)、権禰宜(ごんねぎ)の4人が鉢巻・越中褌姿で並び、遠州灘に向かって柏手(かしわで)を打ち、拝礼したあと、海に入って寄せ来る波を被り、身体を清めた。 |
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続いて御輿先供係(みこしさきともがかり)が海に入って禊を行った後、黒烏帽子・白丁上下・白足袋・草鞋姿の輿役(こしやく)たちが「御輿番・地脇」の浜印を掲げて水浴。その後、待ちきれずに浜印と觸鈴(ふれすず)を持って海に走り込ん行ったのは一番觸(いちばんぶれ)(一番町いちばんちょう)の氏子たちだった。裸祭りに際しては、氏子28ヵ町は祭組(まつりぐみ)を編成し、町名とは別に独自の呼称を用いる。 |
28の祭組は、見付天神から遠い地区から順に並んだ西区・西中区・東中区・東区の4つの梯団(ていだん)に所属し、それぞれ8・4・11・5の祭組で編成され、見付天神・拝殿でフィナーレの鬼踊りが行われる堂入りは、梯団毎の順番で行われる。浜垢離もその順に添っている。 |
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こしばんの いきたからかに あきのそら |
The autumn sky, portable shrine carriers in high spirits. |
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びゃっこんの なみにあらわる あきのこり |
The autumnal purification, white loincloths being washed by the waves. |
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びゃっこんの なみにあらわる あきのこり |
The autumnal purification, white loincloths being washed by the waves. |
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▼ 見付天神裸祭で目につくのは、次代を背負う子供たちの姿が多いことである。28の祭組は、それぞれ「子供連」を編成して世話役が付きっきりで指導し、保護育成に当たっている光景が印象的である。 |
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気合いを入れてスクラム行進/玄社(西区) |
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あきのそら しろふんどしの はまのこり |
The autumn sky, purification wearing a white loincloth at a beach. |
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▼ 平成22年(2010)の浜垢離は、日本海を東進する台風9号の影響で、風波が強く、途中から雨が強く降り始め、撮影中に全身ずぶ濡れとなった。裸っぽたちは、雨が降っても平気だが、我々写真班は、雨からカメラを守りながらの悪戦苦闘を強いられた。 |
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悪天候の中、盛り上がる海中練り! 2010.9.8
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撮影:曽根由香 |
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たいふうの どとうよせくる はまのこり |
The beach purification, the surging waves of typhoon. |
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▼ 来年
(2010)単独で輿番(こしばん)を務める東区
・権現(ごんげん)は大勢力を誇り、広いテントの直会会場に太鼓を持ち込む熱の入れようで、浜垢離の後、大勢の氏子たちが酒食を共にしながら歓談し、大いに賑わっていた。 |
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広いテントの |
直会 |
会場/ |
権現 |
(東区) 2009.9.23 |
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▼ 海から上がった後も、砂浜や松原で本祭の鬼踊りの練習を兼ねているのか、肩車をし、押し合いへし合い、「オイッショ、オイッショ!」の掛け声も勇ましく、地団駄踏んで裸練りが繰り返し行われた。写真下は、水陣の氏子たちの勇姿である。 |
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てんたかし はまのおしあい しろふどし |
The autumnal sky,
jostling with a white loincloth at a beach. |
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芝生の広場で盛り上がる裸っぽたち/ |
水陣 |
(西区) 11:50 |
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▼ 御瀧車(おんたきぐるま)の鉢巻姿の裸っぼ3人は、Wa☆Daフォトギャラリーの紹介で神奈川や大阪などからやってきた飛び入り参加者たちで、地元氏子の方々のお陰で、とても素晴らしい体験ができたと大喜びだった。左端の庄俊之さん(相模原市)は、御大祭にも参加した。これを嚆矢(こうし)として、年々部外者の参加が増え、全国に知られる裸祭りになるよう、今後とも応援させて頂きたい。 |
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写真左端は、西中区梯団長、二番觸(にばんぶれ)(二番町)の鈴木亨司さん。裸の3人の右が東中区梯団長、御瀧車の片山千代三さん、右端が保存会副事務局長で二番觸の松本直希さん、片山さんの後ろの白シャツの方が保存会事務局長の福代陽一さんである。 |
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