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宝光院はだか祭 |
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宝光院 |
岐阜県大垣市 |
平成20年(2008)2月3日(日) |
撮影・制作:和田義男 |
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平成20年(2008)2月3日(日)節分の日、東京は大雪に見舞われたが、岐阜県大垣市(おおがきし)・宝光院(ほうこういん)(鈴木孝敬住職)において「節分会(せつぶんえ)はだか祭」が開催された。宝光院のはだか祭は古くから行われていたが、一時途切れていたところ、戦後になって先代の住職が復活させたという。その後、既に60年の歴史を積み重ねており、伝統の裸祭りとして全国的にも知られるようになった。昔の祭り装束を忠実に守っており、リーダーの指導力と相まって、統制の取れた美しい祭りに仕上がっている。 |
裸男の一行約70名は、日の丸扇と笛を持ったリーダーを先頭に、午後1時20分ころ、宿の前で4人1組の一列縦隊となり、宝光院を目指してスクラム行進を始めた。午後1時23分、裸の一行は宝光院の境内に入り、大勢の観衆を前にスクラム行進を繰り返して気勢を挙げた。本堂外陣(げじん)でひとしきり錬り回った後、整列し、リーダーが不動真言(ふどうしんごん)などが書かれた祈祷文を声高らかに読み上げ、ひだりめ不動明王に参拝した。 |
一行は境内で4回ほど裸練りを繰り返したあと、みそぎ川渡りのため土手の階段をのぼり、杭瀬川(くいせがわ)に入水して垢離を取った。杭瀬川は慶長5年(1600年)9月14日に行なわれた関ヶ原の戦いの前哨戦である「杭瀬川の戦い」で知られる。この戦いは局地戦だったが、西軍が大勝し、東軍の総大将・徳川家康は辛酸を舐めたが、翌9月15日の関ヶ原本戦では東軍が勝利し、家康が天下を取った。以後、宝光院は徳川の御朱印地として歴代将軍の庇護を受けた。 |
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せつぶんえ しろふんどしの かわわたり |
A celebration for spring,
river crossing
with white loincloth. |
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裸男たちによる |
杭瀬川 |
のみそぎ |
川渡 |
り |
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▼
この後、境内で心男・副心男の胴上げのあと、鈴木孝敬住職により福俵が投下され、裸男たちによる激しい争奪戦が繰り広げられた。利剣木を手にした男が今年の福男となり、一年間の福を授かるとあって大勢の裸男たちが福俵に殺到し、全身籾殻にまみれながら俵を引き裂いて手を差し入れ、利剣木を奪い合った。 |
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籾殻 |
を掻き出して |
利剣木 |
を探す男たち |
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成佛寺修正鬼会 |
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成佛寺 |
大分県国東市国東町 |
平成20年(2008)2月10日(日)-11日(月) |
撮影・原作:清原 浩 監修:和田義男 |
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平成20年(2008)2月10日(日)から11日(月)にかけて大分県国東市(くにさきし)国東町成仏(じょうぶつ)に建つ天台宗龍下山(りゅうげさん)成佛寺(じょうぶつじ)で、国東半島の六郷満山(ろくごうまんざん)に伝わる修正鬼会(しゅじょう・おにえ)が開かれた。 |
六郷満山に伝わる「修正鬼会」は、僧と村人たちが一体となり、夜を徹して無病息災、五穀豊穣を祈る伝統の行事で、養老年間(717〜724)に仁聞菩薩(にんもん・ぼさつ)が国家安穏・五穀豊穣・万民快楽の諸願成就のため、六郷28ヶ寺の僧侶を集めて「鬼会式六巻」を授けて創始したといわれ、1300年ほど昔の仏教文化を今に伝える奇祭である。 |
この鬼会は、かつては六郷満山の天台宗の各寺で行われていたが、今では豊後高田市の天念寺(てんねんじ)と、国東市の岩戸寺・成沸寺(じょうぶつじ)の三ヵ寺だけとなった。西満山の天念寺では毎年開催されるが、東満山の岩戸寺と成沸寺では隔年(西暦奇数年が岩戸寺)で開催される。いずれも国指定重要無形民俗文化財である。 |
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田深川 |
の |
垢離取渕 |
に着いた8人のタイレシ |
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たいれしの えっちゅうふんどし かんみそぎ |
Cold-water ablutions,
Ettyu loincloths of torch carriers. |
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コーリトリから始まる厳格な手順と作法で行われる儀式は、修正鬼会の仏世界で、生身の人間が仏の使者として行動するための重要な儀式と位置づけられている。 |
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垢離を取るタイレシ |
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たにがわの やみにびゃっこん かんのこり |
Cold-water ablutions, white loincloths in
the darkness of mountain stream. |
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垢離取りを終えたタイレシ |
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はつみでら さいばらおにの かじたたき |
First visit to the temple of the year,
Saibara Ogre exorcising evil by beating. |
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はつはるの ふるまいざけや さんきじん |
Early spring,
Hearty reception with sake
for three ogres of men. |
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三鬼揃った祝宴! 06:00 |
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岩戸寺修正鬼会 |
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岩戸寺 |
大分県国東市国東町 |
平成21年(2009)1月31日(土)-2月1日(日) |
撮影・原作:清原 浩 監修:和田義男 |
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平成21年(2009)1月31日(土)から2月1日(日)にかけて大分県国東市国東町(くにさきし・くにさきまち)に建つ天台宗石立山(いしだてさん)岩戸寺(いわとじ)で、国東半島の六郷満山(ろくごうまんざん)に伝わる修正鬼会(しゅじょう・おにえ)が開かれた。 |
昭和52年(1977)に国から重要無形民俗文化財に指定された鬼会は「鬼を追い払う」のではなく、「鬼に姿を変えた仏を出迎える。」「鬼に出会うことは鬼籍に入って成仏した祖先に出会うことで、祖先と楽しく過ごす。」という国東半島独自の宗教観を持つ。 |
成佛寺の鬼会は、旧正月五日に開催されるが、岩戸寺の鬼会は、天念寺と同様、毎年旧正月七日(なぬか)に開催される。今年は2月1日に当たるが、7日正月(なぬかしょうがつ)と呼ばれ、元旦から始まった正月の終わりの日として、七草粥を食べたり、門松を外したりする。 |
また、旧正月七日(なぬか)は、初薬師とも呼ばれ、岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭など、薬師如来を本尊とする寺院では、この日に年始めの盛大な祭礼を行う例が見受けられる。岩戸寺の鬼会は、前日の夜(今年は1月31日)から七日朝にかけて行われるのが特徴である。 |
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なぬかよの かわのあかくみ こんのしろ |
Taking a bucketful of river water at seventh night of the New Year, White is the loincloth. |
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なぬかよや かわにとびこむ ふどししゅう |
Seventh night of the New Year, men of fundoshi loincloths jumping into the river. |
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はつはるの おにのたいまつ さいばらい |
An exorcism by ogre's torches in early spring. |
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なのかよや さいばらおにの ぶつぜんに |
Seventh night of the New Year, an exorcising ogre before the family altar. |
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天念寺修正鬼会 |
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天念寺 |
大分県豊後高田市 |
平成19年(2007)2月24日(土) |
撮影・原作:清原 浩 監修:和田義男 |
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平成19年(2007)2月24日(土)大分県豊後高田市(ぶんごたかだし)大字(おおあざ)長岩屋(ながいわや)に建つ天台宗の長岩屋山(ながいわやさん)天念寺(てんねんじ)で、国東(くにさき)半島の六郷満山(ろくごうまんざん)に伝わる修正鬼会(しゅじょう・おにえ)が開かれた。 |
修正鬼会は、毎年旧正月7日に天念寺講堂の本尊・薬師如来の前で行われる祭礼である。午後3時頃から六郷満山に所在する寺院の僧侶たちが講堂に集まり、夕刻まで昼の勤行(ごんぎょう)が行われる。午後7時頃から災祓い鬼(さいばらいおに)(赤鬼)と荒鬼(あらおに)(黒鬼)役の僧侶とテイレシ(介錯)を務める若者たちが天念寺前の長岩屋川(ながいわやがわ)で身を清めるコーリトリ(垢離取り)が行われる。 |
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裸で合掌する僧侶とテイレシ( |
介錯 |
)たち |
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赤鬼・黒鬼(僧侶) |
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ テイレシ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
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かがりびに うかぶびゃっこん はつやくし |
First Yakushi ritual this year, white fundoshi loincloths standing out by bonfires. |
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▼ 午後10時頃になると災祓い鬼(さいばらいおに)(赤鬼)があらわれ、松明(たいまつ)を持って講堂内をあばれる。続いて荒鬼(あらおに)(黒鬼)があらわれ、クライマックスを迎える。堂内は松明の火の粉が飛び散り、煙が立ち込める。鬼の目餅が撒(ま)かれると、その争奪戦で騒然となり、最後に赤鬼・黒鬼が信者らの肩や尻を松明で叩き、無病息災の加地を与えて閉幕する。(国指定重要無形民俗文化財) |
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あかとくろ おにのおしあう はつやくし |
First Yakushi ritual this year, ogres of red and black pushing together. |
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