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中央区には、松竹の「歌舞伎座」「新橋演舞場」や市川左團次 が創設した「明治座」があり、歌舞伎などの演劇の舞台として人気を博している。明治時代には中央区新富に東京一といわれた「新富座」があったことから、地元有志が一丸となり、日本の誇る伝統芸能を現代の子供たちにも伝えてゆきたいとの一心から、昨年、「新富座こども歌舞伎」の会を立ち上げた。 |
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出演する小学生は中央区在住の男女で、公募で選ばれ、約半年の稽古を経て今年2月3日(日)に鐵砲洲稲荷神社の節分祭で初めて奉納。鐵砲洲祭では、5月4日(日)に初めての公演が行われた。 新富座こども歌舞伎 |
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新富座こども歌舞伎「 |
三人吉三巴白浪 |
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新富座こども歌舞伎 |
「三人吉三巴白浪」 |
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演目は盗賊を主人公とする白波物(しらなみもの)で、河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ)作「三人吉三巴白浪(さんにんきちさ・ともえのしらなみ)-大川端庚申塚の場(おおかわばた・こうしんづかのば)」。白浪五人男(弁天小僧)の前身作である。 |
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夜鷹 |
の「おとせ」/百瀬さくら(学芸大学附属竹早小学校3年) |
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節分の宵のこと。夜鷹(よたか)のおとせは昨夜の客が忘れていった百両を懐に持ち、彼を探すため大川端(おおかわばた)(隅田川のほとり)にやってきた。そこへ八百屋のお七と名乗る振り袖姿の娘が現れ、道を尋ねられたので、親切なおとせは途中まで案内を申し出た。 |
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おとせから |
金子 |
を奪うお |
嬢吉三 |
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ところが、その懐に大金があるのを知ると、お七の態度はがらりと変わった。おとせは百両を奪い取られ、その弾みで大川(隅田川)に落ちて溺死してしまう。お七は評判の女装した盗賊・お嬢吉三(おじょう・きちさ)だった。 |
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金子 |
入れから百両が出てきて驚くお |
嬢吉三 |
/木村安寿(中央小学校3年) |
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ちょうど現場を目撃した金貸し太郎右ヱ門は、お嬢吉三に襲いかかるが、持っていた刀を奪われてしまい、一目散に逃げ出す。 |
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刀を奪ったお嬢 |
吉三 |
/百瀬さくら(学芸大学附属竹早小学校3年) |
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月も朧(おぼろ)に白魚(しらうお)の 篝(かがり)も霞む春の空 冷(つめ)てえ風もほろ酔いに 心持ちよくうかうかと
浮かれ烏(がらす)のたゞ一羽(いちわ) 塒(ねぐら)へ帰(けえ)る川端で 棹の雫か濡れ手で泡 思いがけなく手に入
(い)る百両・・・ |
ほんに今夜は節分(せつぶん)か 西の海より川の中 落ちた娘は厄落とし 豆沢山(まめだくさん)に一文(いちもん)
の 銭(ぜに)と違った金包(かねづつ)み こいつあ春から 縁起がいいわえ〜 |
背景:江戸は佃島の漁師たちは、家康の命令で大阪の佃村から移住してきた人々。佃島を拝領した代わりに将軍
に献上する魚を捕った。彼らが冬の夜、江戸湾の沖に小舟を浮かべ、篝火を焚いて捕獲する白魚漁(しらうおりょう)
は、江戸下町の冬の風物詩だった。 |
舞台は旧暦の正月が過ぎた14日の節分(今の2月はじめ)の夜。空には満月に近い十四日の月が出ている。場
所は大川(今の隅田川)端。初春の少々寒い時期だが、海には霞が立ち、空の月はおぼろに見える。真冬には冷
たく光る篝火も今夜はかすんで見えている。 |
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月も |
朧 |
に |
白魚 |
の |
篝 |
も霞む春の空・・・ |
/木村安寿(中央小学校3年) |
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はつみせの こどもかぶきや なつまつり |
A summer festival,
Children's kabuki for the first time. |
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この様子を陰から見ていたのが、もうひとりの盗賊・お坊吉三(おぼう・きちさ)。おとせから奪った金をめぐり、二人は刀を抜き、腕づくの勝負となってしまう。 |
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お坊 |
吉三 |
/倉田茉利(中央小学校3年)とお嬢 |
吉三 |
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そこへ止めに入ったのが、これも盗賊の和尚吉三(おしょう・きちさ)だった。やがて二人は和尚吉三の男気に心打たれ、義兄弟になることを願い出る。 |
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仲裁 |
に入った |
和尚吉三 |
/山本時平(中央小学校3年) |
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和尚吉三もまた二人の気持ちに応え、かための血杯をかわし、百両は一旦和尚が預かることとなって決着する。 |
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お坊吉三/今野はる香(明正小学校5年) |
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初演は、安政7年(1860)。原作は白浪物(しらなみもの)を得意とし「江戸演劇の大問屋」と呼ばれた河竹黙阿弥(かわたけ・もくあみ)。 |
物語全体は、主人公である同じ吉三という名前を持つ三人の若い盗賊が、複雑な人間関係と因果応報の嵐に翻弄される切ない作品である。 |
原題は「三人吉三廓初買(さんにんきちさ・くるわのはつがい)」といい、主人公3人が出会う『大川端庚申塚の場』だけを上演する場合には「三人吉三巴白浪」というタイトルになる。 |
この場面は、お嬢吉三の「月も朧に白魚の〜」という七五調の名ぜりふがあまりにも有名で、三人吉三といえば『大川端』というくらい人気の場面として知られている。 |
★☆★彡 |
河竹黙阿弥 |
文化13年(1816) - 明治26年(1893) |
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江戸時代末期から明治にかけて活躍した歌舞伎狂言作者。本名は吉村芳三郎。俳名其水。別名は古河黙阿弥。江戸日本橋生れ。 |
特徴は「黙阿弥調」と称される華麗な台詞。歌舞伎界では、「厄払い」と呼ばれ、リズミカルな七五調に掛詞・縁語を駆使する。「白浪五人男」などに登場する悪人たちは、小心で因果に翻弄される弱者であった。 |
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倉田茉利 今野はる香 木村安寿 山本時平 百瀬さくら |
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宮元では、鐵砲洲稲荷神社のそばにある鐵砲洲児童公園に300万円の費用をかけて御仮屋を造っている。例大祭が終われば、全て取り壊される。宵越しの銭は持たない江戸っ子気質(えどっこかたぎ)が如実に表れている。 |
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宮元の |
御仮屋 |
と |
中央神酒所 |
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神社の北側に宮元の御神酒所がある。交代で当番の長老が座っており、来客に御神酒を振る舞っていた。 |
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一対の |
獅子頭 |
が飾られた |
祭壇 |
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