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★★★  ようこそ 英訳写真俳句の世界へ! ★★★

Wa☆Daフォトギャラリー  和田北舟の俳句  写真俳句「海の風景」

2011年5月7日改訂

今 日

昨 日

♪海/邦楽鼓囃子

大寒の大波浴びる褌衆  北舟

玉前神社大寒禊'11

Men of loincloth,
bathing huge waves in the coldest season.

2000年7月16日開設

二段波の襲来 11:04
拡大写真(2000X1270)358KB
二段波の襲来/九十九里浜一宮海岸(千葉県長生郡一宮町 )

俳句「海の風景」第29集

 





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2011年4月25日(月)

 平成20年(2008)5月22日(木)〜6月1日(日)の間、ルックJTB 「大西洋の楽園マデイラ島と世界遺産の宝庫ポルトガルハイライト11日間」の旅(参加者18名)に出掛けた。

ラベーロのポートワインや初夏の川

The river of early summer,
port wine on the rabelos.

らべーろの ぽーとわいんや しょかのかわ

 ポルトはポルトガル北部の港湾都市で、人口は約263,000人。リスボンに次ぐポルトガル第二の都市で、ポルト都市圏では、160万人を数える。大西洋に流入するドウロ川北岸の丘陵地帯に築かれ、河口に近い。ドウロ川にはドン・ルイス I 世橋など4本の橋がかかる。古い街並みを残す旧市街は、ポルト歴史地区として1996年に世界文化遺産に登録された。
 ポートワインは、ポルト港から出荷されるポルト特産の酒精強化ワイン。日本の酒税法上では甘味果実酒に分類される。かつては樽に詰められたワインは、ラベーロと呼ばれる帆船が運んでいたが、1964年以降はトラックや鉄道に代わられた。

赤屋根のナザレの村や初夏の浜

The beach of early summer,
the red roofs of Nazaré village.

あかやねの なざれのむらや しょかのうみ

 82.4km2に1500人が暮らすナザレは、レイリア県に属し、コスタ・デ・プラタ(銀海岸)に面したポルトガル屈指のリゾート地である。言い伝えによれば、4世紀にパレスチナのナザレから一人の聖職者が聖母マリア像を持ち込んだことにちなんで町の名がついたという。

オビドスの白き家なみ夏はじめ

The beginning of summer,
rows of white houses in Óbidos.

おびどすの しろきいえなみ なつはじめ

 リスボンの北方約80kmにあるオビドスは、城壁に護られ、面積143q2、人口800人ほどの小さな村である。「谷間の真珠」と呼ばれるように、赤屋根・白壁の町並みが絵のように美しく、夏には色とりどりの花々が軒先を彩る。

最果てのロカ燈台や夏岬

The summer cape, Roca lighthouse
on the western end of the earth.

さいはての ろかとうだいや なつみさき

 北緯38度47分、西経9度30分に位置するロカ岬は、リスボン都市圏にあるユーラシア大陸最西端の岬である。西には大西洋が広がり、 その遥か先にはポルトガル領のアゾレス諸島が点在する。リスボンから日帰り観光ができる。
 ロカ岬には、ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの叙事詩「ウズ・ルジアダス」第3詩20節の一節 「ここに地終わり 海始まる」を刻んだ石碑が立っている。

マデイラの雲の彼方に初夏の海

The sea of early summer,
over the clouds of Madeira.

までいらの くものかなたに しょかのうみ

 マデイラ島は、リスボンの南西980kmの北大西洋に位置するマデイラ諸島 Arquipélago da Madeira の本島で、モロッコのカサブランカとほぼ同じ緯度にある。日本の奄美大島とほぼ同じ741km2の大きさで、東西に長い形をしている。マデイラ最大の標高1400mの平原は、パウル・ダ・セーラ(パウルダセラ)といい、素晴らしい眺望に感激する。
 75.7km2に約9万人が暮らすフンシャルは、マデイラ島最大の都市で、マデイラ諸島の中心地である。フンシャルの北方8kmの山腹にあるモンテという町は、トボガン Tobogan と呼ばれる柳籠(やなぎかご)の橇で山道を下る「トボガン・ラン(トボガン下り)」で知られる。我々ツアー一行もロープウェイの Teleférico で山腹まで上って挑戦した。

マデイラの籠橇下り夏山路

The mountain road in summer, running
down in the basket toboggan at Madeira.

までいらの かごぞりくだり なつやまじ

 北緯38度43分、西経9度8分に位置するリスボンは、ポルトガルの首都で、ポルトガル最大の都市。南ヨーロッパ有数のグローバル都市でもある。面積84.6km2に約57万人が住む。近郊を含む都市的地域の人口は250万人で、ポルトガルの人口の20%余りに相当する。
  リスボン中心部から6kmほど西のテージョ川沿いに広がるベレン地区は、エンリケ航海王子を嚆矢として、海の男たちが敢然と未知の海に乗り出し、大航海時代の幕開けとなったところである。

リスボンの聖堂聳ゆ夏の雲

The summer clouds, the chapel
rising high in to the sky of Lisbon.

りすぼんの せいどうそびゆ なつのくも

  ジェロニモス修道院は、リスボンのベレン地区にある壮大な修道院で、リスボンにある世界文化遺産のひとつである。大航海時代の富をつぎ込んで建築されたマヌエル様式の最高傑作といわれている。
  エンリケ航海王子の偉業を称え、ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓を記念して、マヌエル I 世が1502年に着工させた。

「ポルトガル初夏の旅」 2008.5.22-6.1 撮影・原作:松井公代

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1960年代まで実際に使われたワインを運ぶ帆船ラベ ーロ

1960年代まで実際に使われたワインを運ぶ帆船ラベーロ

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美しいナザレの漁村 / シティオ展望台

美しいナザレの漁村 / シティオ展望台

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王妃に愛されてきた美しい町オビドス

王妃に愛されてきた美しい町オビドス

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ロカ岬の赤灯台

ロカ岬の赤灯台

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空気がおいしい!/ パウルダセラ

空気がおいしい!/ パウルダセラ

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マデイラ名物「トボガン・ラン」

マデイラ名物「トボガン・ラン」

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大航海時代の富の象徴ジェロニモス修道院(世界文化遺産)

大航海時代の富の象徴ジェロニモス修道院(世界文化遺産)

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2011年4月7日(木)

 平成20年(2008)5月17日(土)・18日(日)の両日、福岡県田川市(たがわし)に鎮座する風治八幡宮(ふうじ・はちまんぐう)において、2基の宮神輿と氏子町内の11基の山笠(やま)が彦山川(ひこやまがわ)の川床を渡って神社と御旅所を往復する川渡神幸祭(かわわたり・じんこうさい)が開かれ、神輿と山笠が御旅所から神社に還御(かんぎょ)する二日目を取材した。

若葉風幟馬簾の山笠一線

The wind

 through the fresh green leaves,

floats with flags and baren ornaments

making a line.

わかばかぜ のぼりばれんの やまいっせん

 54.52km2に約5万人が暮らす田川市は、福岡県中央部・筑豊(ちくほう)地方に位置し、北九州都市圏に属している。筑豊を代表する都市の一つで、飯塚市、直方市と並んで筑豊三都に挙げられる。BGMに流れる炭坑節の発祥の地としても知られ、筑豊最大の炭都であった歴史を活かした街づくりが行われている。
 戦前まで日本経済の発展を支えてきた筑豊炭田(ちくほうたんでん)は、福岡県の中央部から北部にかけて広がる炭田で、八幡製鐵所(やわたせいてつしょ)を背景に抱えおり、戦前の日本では、最大規模の炭田であった。
  閉山から19年経った昭和58年(1983)3月、かつての三井田川伊田坑(みつい・たがわ・いた・こう)跡に田川市石炭資料館が開設した。同所の田川市石炭記念公園には、炭鉱節に唄われた2本の大煙突や伊田竪坑櫓(いたたてこうやぐら)が当時のまま保存されている。

白丁の風治神輿や川に入る

Fuji portable shrine by the carriers

dressed in white, entered in the river.

はくちょうの ふうじみこしや かわにいる

 福岡県田川市の風治八幡宮川渡神幸祭は、鬼夜(久留米市)、博多祇園山笠(福岡市博多区)、小倉祇園太鼓(北九州市小倉北区)、戸畑祇園大山笠(北九州市戸畑区)と共に福岡県五大祭の一つに数えられる筑豊地区を代表する夏祭で、昭和45年(1970)に福岡県無形民俗文化財第1号に指定されている。毎年5月の第3土曜日とその翌日の日曜日に行われ、2日間で10万人を超える観客で賑わう田川市最大のイベントである。
 開催場所は、田川市伊田(いた)の魚町(うおまち)、番田町(ばんだまち)、川端町(かわばたまち)にまたがる彦山川(ひこやまがわ)周辺地域である。最大の見所である川渡(かわわたり)は、彦山川の新橋・番田橋間で行われる。

夏川の裸がぶりや栄町

Sakae-machi, 

bare-chested guys making
the float pitching in the summer river.

なつかわの はだかがぶりや さかえまち

 風治八幡神社(平成19年2月「風治八幡宮」と改称)は、伊田の土着集団の産土神(うぶすなかみ)として奈良時代から祀られていたが、境内に祇園社を勧請したことから山笠(やまがさ)も融合するに至ったものと考えられている。
 この祭礼は、永禄5年(1562)、伊田村に悪疫(疱瘡)が流行ったとき、村人たちが風治八幡神社境内の祇園社に平癒祈願し、その祈願が成就した御礼として山笠を立てて神幸祭に奉仕したのが始まりといわれ、爾来今日まで、450年の歴史と伝統ある夏祭として催行されてきた。

川渡る幟馬簾や夏の華

Brilliance of summer is the floats
with flags and baren ornaments
crossing the river.

かわわたる のぼりばれんや なつのはな

 宮神輿二基に随行する11基の山笠は、小型、中型、大型の3タイプがあり、ガブリと呼ばれる前後に大きく揺らす(船のピッチングに相当する)動作に耐えることと、川渡(かわわたり)での安定性を確保する目的から、台車には頑丈なドラム状の直径約90cmの4輪が備えられている。

駅前のがぶる山笠夏の華

Brilliance of summer 

is the pitching floats
in front of the station.

えきまえの がぶるやまかさ なつのはな

 炭坑閉山後、町の活気は衰え、祭も衰退の一途をたどり、昭和40年(1965)後半には、担ぎ手が集まらず、神輿を台車で引いていたという。また、お供の山笠もわずか2〜3台となり、祭りはまさに風前の灯(ともしび)となった。そんな中、「みこしを担ぎ上げ、伝統の祭を復興し、田川活性化の起爆剤にしよう」という合言葉により、田川青年会議所を中心に「みこしをかつぐ会」が発足。また、平成7年(1995)には、山笠を出駕する氏子町会全地区の青年組織と風治八幡宮による「川渡り青年友志会」が発足し、祭運営の活性化が図られた。

「風治八幡宮川渡神幸祭」 2008年5月18日 撮影・原作:清原 浩

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御旅所の鳥居前に並んだ11基の 山笠やま

風治八幡宮御旅所の鳥居前に並んだ11基の山笠 2008.5.18 10:46

パノラマ写真(5300X1600)1.55MB
一番山笠いちばんやま 下伊田しもいた 」の記念撮影

大型の一番山笠「下伊田」の記念撮影

拡大写真(2200X1700)0.98MB
風治神輿ふうじみこし / 川渡神事

真っ先に彦山川に入水した風治神輿/ 川渡神事 14:30

拡大写真(2560X1920)1.10MB

川中の裸がぶり / 十番 山笠やま 栄町さかえまち

川中の裸がぶり / 十番山笠「栄町」

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大観衆で賑わう 彦山川ひこやまがわ の祭会場 15:27

大観衆で賑わう彦山川の祭会場 15:27

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下伊田しもいた 新町しんまち による「がぶり」の競演

JR田川伊田駅前で下伊田と新町による「がぶり」の競演 16:54

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2011年3月25日(金)

 山崎さんご夫妻は、平成22年(2010)7月14日(水)にイタリアのヴェネツィア・ピッサーニ宮殿にて挙式したあと、イタリア・フランスなどを観光し、7月22日(木)に帰国、その二週間後の8月7日(土)から18日(日)まで、タヒチに旅した。

新婚のカヌーの朝食夏の海

The summer sea, a canoe-breakfast
 ordered by the newly-married couple.

しんこんの かぬーのちょうしょく なつのうみ

 日本から8800kmも離れた南太平洋のポリネシアン・トライアングルのほぼ中心に400万km2という広大な海域に散らばる118の島々から成るタヒチは、エメラルド・グリーンのグラデーションが美しいラグーン(礁湖)やビーチを縁取るヤシの木々、そして太陽のように明るい笑顔の人々など、画家のポール・ゴーギャンや彼をモデルに描いた「月と六ペンス」で知られる小説家サマセット・モームゆかりの美しい南太平洋の楽園であり、彼らの憧憬(しょうけい)をそのままにした光景が今もなお広がっている。ボラボラ島(ぼらぼらとう)は、ソシエテ諸島の北西部にあり、首都パペーテのあるタヒチ島から北西約260kmに位置しており、フランス領ポリネシアの中で最も美しい島といわれる。

ボラボラの礁湖の白砂熱帯魚

Tropical fish, white are the sands
of lagoon at Bora Bora.

ぼらぼらの しょうこのはくさ ねったいぎょ

 二日目のアクティビティは、シュノーケリングとラグナリウムのピクニッククルーズ。三日目はペアーでダイビングを楽しんだ。シュノーケリングでは、二ヵ所のポイントを回ったが、水が透き通るようにきれいなのはもちろん、サメやエイが普通に泳いでおり、エイには触れることが出来るし、熱帯魚も多いなど、これまで経験したこともない青く澄んだ幻想的な世界を満喫した。
 ラグナリウムは「ラグーン lagoon」(礁湖)と「アクアリウム aquarium」(水族館)の合成語。ラグーンの一部をネットで仕切り、魚たちと一緒に泳げるようにした天然の水族館である。

夏木立 タヒチの礁湖 椰子葉屋根

Tropical trees,
palm-leaf roofs on the lagoon of Tahiti.

なつこだち たひちのしょうこ やしばやね

 「地上最後の楽園」と呼ばれるタヒチ、その中でも特に世界中に知られるボラボラ島。水上バンガローからは、水面のグラデーションを眺め、海に入れば紺碧の中に吸い込まれるような錯覚を覚え、ホテル併設のSPAでは、静寂な環境の中、豊かな自然に囲まれてマッサージを受けるなど、非常に贅沢な時間を過ごすことが出来た。

「タヒチ・ボラボラ島の旅」 2010.8.7-15 撮影:山崎貴暁

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カヌーで配達されるカヌー・ブレックファースト

カヌーで配達されるカヌー・ブレックファースト

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熱帯魚の餌付けをするタヒチの男

熱帯魚の餌付けをするタヒチの男

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ラグーンの水上コテージ / ホテルのプールからの眺め

ラグーンの水上コテージ / ホテルのプールからの眺め

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2011年3月18日(金)

 平成23年(2011) 3月6日(日)、福島県伊達市( だてし)保原町(ほばらまち)に鎮座する厳島(いつくしま)神社(大嶽洋一(おおたけ・よういち)宮司 69歳)で「つつこ引祭(つつこびきまつり)」が開催された。

早春の半袖褌つつこ引

Early spring, short sleeves
and loincloths of Tsutsuko pulling festival.

そうしゅんの はんそでふんどし つつこひき

 江戸時代中期の享保年間(1716〜1735)に大飢饉があり、当時の領主・松平出雲守(まつだいら・いずものかみ)通春(みちはる)公が厳島神社の境内(当時は現在の丸山観音)に領民を集め、種籾(たねもみ)を分け与えたところ、翌年は大豊作となったことから、農民たちは領主の善政に感謝し、神前に初穂を捧げて豊作を祝った。それ以来、五穀豊穣を祈る神事として、旧正月に裸の若衆が「つつこ」を引き合う勇壮な農民祭(のうみんさい)として盛んに行われるようになった。

銭湯の腹拵や春祭

A spring festival,
satisfying hunger at a public bath.

げんかんの ふどうのたきや ほらのおと

 毎年行われる「つつこ引祭」は、厳島神社の弁天様の祭礼神事で、近郷近在から選ばれた42歳の厄年に当たる若衆が裸で「つつこ」を引き合う奇祭として知られる。昭和31年(1956)に福島県十大祭に選定されている。
 「つつこ」(苞(つと) ワラの包)は、祭の前日に氏子総代の金子章弘さん方で造られたもので、約700束の稲藁(いなわら)の中に2升の蒸した赤飯を入れ、熱湯をかけて5本の大縄で三箇所を結んだもの。直径約1.5m、長さ約2.5m、重さ約800kgもある「つつこ」は、巨大な俵のようなもので、近年では、大縄を車で牽引して作成するという。

足並を揃えて春の御輿かな

A portable ritual carrier of spring,
keeping pace together.

あしなみを そろえてはるの みこしかな

  「つつこ引」は、褌一丁の男たちが三方から「つつこ」を激しく引き合う勇壮な祭で、「つつこ」を見事引き入れた地区は豊作が約束されるという。威勢の良い掛け声が響き渡り、激しく引き合ううちに赤飯はいつしか餅になる。
  「つつこ引」が終わると、宮司によって「つつこ」が開かれ、できあがったばかりの餅が参拝者に配られる。この餅を食べると一年を健康に過ごせるといわれており、また、「つつこ」に使われた稲藁を持ち帰り、神棚に捧げると、病人が絶え、農作物は豊作となり、養蚕が盛んになると言い伝えられている。

春光や福の飛び交ふつつこ祭

Spring sunlight,
flying good luck of Tsutsuko festival.

しゅんこうや ふくのとびかう つつこさい

 鏡開きの後、「つつこ」は、一番乗(いちばんのり)競争を行うため、保原四丁目交差点の御輿台から上方部(かみほうぶ)の地面に降ろされた。
 「つつこ」には、大吉(一等賞)・中吉(二等賞)・小吉(三等賞)の三種の吉札が入ったペットボトルを先端に取り付けたポールが5本立てられた。どのポールが大吉なのか分からないので、籤引(くじびき)の要素もある。
 一番乗競争は、「つつこ引」を景気づけるためのアトラクションで、吉札争奪戦である。吉札の取主(とりぬし)には、後刻、拝殿での表彰式で吉札に応じた賞金が与えられるとあって、競争に熱が入るのも頷ける。

吉札の一番乗や春祭

Spring festival, scrambling for lucky cards.

きちふだの いちばんのりや はるまつり

 スタートダッシュで飛び出した若者二人がダントツに早く、一番乗・二番乗りで吉札のポールを手に入れた。後続は、団子状態だったが、髭をたくわえた四番手がポールを掴んだあと、勢い余って「つつこ」を飛び越え、一回転して地面に転落したが、吉札はしっかりと手にしていた。
  一番乗競争が終わると、引き手たちは「つつこ」を担いで下方部に移動し、つつこを取り囲んで一斉に持ち上げたあと地面に落とす作業が繰り返された。本番の「つつこ引」が始まる前の準備運動を兼ねた地ならしのようなもので、下方部、内町、上方部の順に行われた。このイベントの呼名がついていないので、筆者は「つつこ練」と名付けた。。。

春迎ふ つつこ練なり白ふどし

Getting more like spring,
Tsutsuko lifting wearing a white loincloth.

はるむかう つつこねりなり しろふどし

 14:15頃から赤白黄の鉢巻を締めた引き手たちが保原四丁目交差点の中心に置かれた「つつこ」の大縄を三方に引いて、それぞれのゴール地点を目指す「つつこ引(びき)」が始まった。白組「下方部」は北へ、黄組「内町」は東へ、赤組「上方部」は南へ引く。約50mほど先にそれぞれ「決勝点」の横断幕が張られている。
  最初、膠着状態が続いた後、僅かに白組が優勢で、「つつこ」は少し北に動いたが、やがて赤組が巻き返し、元の位置に復帰した。

うららけし三方に引くつつこかな

Mild spring day,
Tsutsuko pulling for three ways.

うららけし さんぽうにひく つつこかな

  白組と黄組は闇雲に引くだけだったが、途中から新尺さんの号令で引くタイミングを合わせ、緩急を付けて引き始めた赤組が優勢となり、「つつこ」は徐々に南に移動し始めた。
  競技開始から10分後の14:25頃、「つつこ」は赤組の決勝点に到達して「上方部」の勝ちが決まり、赤組は万歳をして喜びを分かち合った。

赤飯のつつこに搗きし春祭

Spring festival, steamed rice
with red beans pounded by Tsutsuko.

せきはんの つつこにつきし はるまつり

 境内で最後の「つつこ練」が終わると、中から餅を取り出すため、大嶽宮司が包丁を持参し、「つつこ」を解体し始めた。稲藁(いなわら)を束ねていた大縄を切断したあと、稲藁の中に収められていた藁苞(わらづと)を切り開いた。
 間もなく湯気が立ち始め、やがて円筒形の布袋が現れた。前日蒸したあと「つつこ」に収められていた二升の赤飯は、「つつこ引祭」を終えてペースト状の餅になっていた。
  「つつこ餅」は、一旦、神前に供えられた後、氏子役員や引き手たちのほか、参拝客などに配るため、女性の手で小さく丸められてラップに包まれ、小分けにされた。

長閑なる手〆で開くつつこ祭

Peaceful spring, breaking up
Tsutsuko festival with hand clapping.

のどかなる てじめでひらく つつこさい

 無事に祭礼を終えた長谷川さん、新尺さんたち一行は、阿部邸を訪問した。
  阿部一雄さん宅に立ち寄るのは、恒例の行事となっているらしく、全員、居間に通された後、酒食の用意がなされ、直会(なおらい)が始まった。
  全国から集まった参加者たちは、奥様の手料理に舌鼓をうちながら祭談義に花が咲き、楽しい交流のひとときはあっという間に終わり、最後に手〆をしてお開きとなった。

「保原つつこ引祭」 2011.3.6 撮影・制作:和田義男

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「つつこ引き手」勢揃い (前姿) 12:00

「つつこ引き手」勢揃い (前姿) 12:00

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名物の

甕酒かめざけ

蛸刺たこさし

名物の甕酒と蛸刺

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保原四丁目交差点に入った「つつこ御輿」 13:11

保原四丁目交差点に入った「つつこ御輿」 13:11

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五回目最後の餅撒 / 保原四丁目交差点 13:38

五回目最後の餅撒き/保原四丁目交差点 13:38

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一番乗・二番乗りが吉札を獲得 13:47:36

一番乗・二番乗が吉札を獲得 13:47:36

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「つつこ」を落とす

「つつこ」を落とす

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組「

上方部かみほうぶ

が巻き返す

赤組「上方部」が巻き返す 14:17

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「つつこ」から赤飯餅を取り出す 14:37

「つつこ」から赤飯餅を取り出す 14:37

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阿部邸で「つつこ引祭」の

直会なおらい

 15:45

阿部邸で「つつこ引祭」の直会 15:45

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2011年2月26日(日)

 平成21年(2009)2月3日(火)〜6日(金)と平成22年(2010)2月18日(木)〜21日(日)の二回にわたって、厳冬の北海道上川郡(かみかわぐん)美瑛町(びえいちょう)を旅し、冬景色を激写してきた。

凍光 美瑛の丘の 朝ぼらけ

A freezing sunlight,
daybreak on the hill of Biei.

いてひかり びえいのおかの あさぼらけ

 約1万人が暮らす美瑛町は、北海道上川地方のほぼ中央にあり、近隣の富良野市と共に北海道を代表する観光地として知られる。丘陵と花の風景が人気で、訪れる観光客は年間120万人に達する。
  美瑛町の1年間の平均気温は、5.4度にしかならず、冬は大変寒さが厳しく、-20度を下回ることも多いが、夏は気温は上がるが、乾燥してすごしやすく、北海道外からの移住者も多い。

雪原を我がもの顔に北狐

A north fox in his own way
on a snow field.

せつげんを わがものがおに きたきつね

 美瑛町は、世界遺産・白川郷(しらかわごう)のある岐阜県白川村や黒川温泉のある熊本県南小国町(みなみおぐにまち)などと共に「日本で最も美しい村連合」に加盟しており、その事務局が美瑛町に置かれている。
 美瑛の基幹産業は、農業で、じゃがいも・小麦・テンサイ・トウモロコシ・トマト・アスパラガス・小豆・米などを中心とした農産物が生産されている。また、その野菜を加工する食品製造業や木材加工業なども盛ん。
 冬の美瑛を訪れる観光客は少ないが、本州では見られない雪景色が旅情を慰めてくれる。同じ場所を撮影しても、天候や時刻などによって千変万化(せんぺんばんか)し、同じシーンは二度と現れない。

日輪の雪野に影を描きをり

The sunlight drawing shadows
on the snow field.

にちりんの ゆきのにかげを えがきおり

 赤羽の丘は、観光ルートから外れた宇莫別(うばくべつ)にあり、美瑛通にはよく知られている。この丘には2本3本と組になったポプラの木が植えられており、どのアングルからもそれなりに絵になる風景が見られる。
 JR美瑛駅の西方約4kmにあるマイルドセブンの丘は、昭和53年(1978)、この丘の一直線に並ぶ木々が煙草のマイルドセブンのパッケージに掲載されてから有名になった。

雪原に木立一本薄日かな

A soft sunlight, a tree on the snow field.

せつげんに こだちいっぽん うすびかな

  太陽柱(たいようちゅう)は、日出没時に太陽光線を受けて、地平線に対して垂直な方向へ焔のような形の光芒が見られる大気現象で、サンピラー sun pillar ともいわれる。 空気中の氷晶が太陽光を反射して起こる現象で、特定の条件が揃わないと目にすることが出来ないという。

サンピラー美瑛の丘の雪の精

A sun pillar the spirit of snow
on the hill of Biei.

さんぴらー びえいのおかの ゆきのせい

  冬は見るべき景色が限られていると思っていたが、意外に感動シーンが多い。モノトーンの水墨画を思わせるような枯淡の世界があるかと思えば、抽象画のようなシンプルな世界が現れ、自然の織りなす造形美に感嘆する。そしてまた、青空をバックに陽光に輝く樹氷林が美しい。最後に、極めて珍しいサンピラーを激写された南光さんの凄腕には、脱帽する。

「冬の美瑛」 2009年2月・2010年2月 撮影・原作:南光 優

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赤羽の丘・参 /  

美瑛

 2009.2.4 07:09

赤羽の丘・参 / 美瑛 2009.2.4 07:11

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 マイルドセブンの丘・参 /  

美瑛

 2009.2.5 14:23

マイルドセブンの丘・参 / 美瑛 2009.2.5 14:23

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 冬日・弐 /  

美瑛

 2010.2.19 14:54

冬日・弐 / 美瑛 2010.2.19 14:54

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美瑛 ・十 2010.2.20 12:13

美瑛・十 2010.2.20 12:13

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サンピラー・弐 /  

美瑛・国道70号沿線

 2010.2.21 07:41

サンピラー・弐 / 美瑛・国道70号沿線 2010.2.21 07:41

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2011年2月26日(日)

 平成23年(2011)1月13日(木)〜15日(土)の3日間、北海道上磯郡(かみいそぐん)木古内町(きこないちょう)に鎮座する佐女川神社(さめがわじんじゃ)で「第181回寒中みそぎ祭り」が行われた。

参籠に命を燃やす寒禊

Ablutions in the coldest season,
burning lives confining in a shrine.

さんろう に いのちをもやす かんみそぎ

 この時期、北海道木古内町は寒いのが当たり前だが、今年は雪も多く、寒さが一段と厳しかった。まさに身を切るような極寒の中で、181回目となる「寒中みそぎ祭り」は、例年通り、1月13日(木)夕方の参籠報告祭から始まり、15日(土)の出御祭、海中みそぎ、本祭と恙(つつが)なく催行され、無事にご神体を清めて、今年一年の豊漁と豊作を祈願した。
 外気温がマイナス4度の寒空の下、約2000人の参拝者が見守るなか、御神体のお清めは無事に終了した。

神々と禊ぐ海原雪ふどし

Snowy loincloths,
ablutions with various deities at sea.

かみがみと みそぐうなばら ゆきふどし

 行修者たちは海中みそぎとみそぎ浜での水垢離を終えた後、近くに設けられた待機所でしばし休憩して身支度を整えた後、御神体を抱き、 整列して神社へと向かった。
 神社への復路は往路と別ルートとなっており、行き帰りで木古内町の中心部を一周するように工夫されている。

裃の禊行列雪の道

A snow road, marching in procession
of ablutions wearing kamishimo attire.

かみしもの みそぎぎょうれつ ゆきのみち

 神社に戻ってきた行修者は、御神体とともに最後の水垢離を行った。その水垢離が終わると、最後まで水垢離を見届けていた参拝者から大きな拍手がわき上がった。
 無事に役目を果たした四人の行修者に対し、野村宮司から感謝状が送られた。この後寒中みそぎ祭りの締めくくりとして、松前神楽五座(榊舞、福田舞、鈴上舞(すずあげまい)、七五三引舞、獅子舞)が奉納された。
 松前神楽は、北海道南部地方を中心に行われている神楽で、鎮釜湯立(ちんかまゆたて)の神事十二座と舞楽二十一座の合計三十三座(演目)で構成されており、国の選択無形民俗文化財と北海道無形民俗文化財に指定されている。

獅子の舞ふ松前神楽神の歌

A lion dance of Matsumae kagura,
the song of deities.

ししのまう まつまえかぐら かみのうた

  松前神楽の特色は、神楽司(かぐらづかさ)などの神楽専門の者が舞うのではなく、祭典に奉仕した神職が神楽を舞うことと、能舞や津軽 など東北地方の山伏神楽や番楽(ばんがく)などの影響を受けている。古くから神官のみに継承されてきたため、洗練された伝統芸能として育ち、現在も主に道南地域の神社において祭礼の際に踊られている。

「寒中みそぎ祭'11」 2011年1月13-15日 撮影・原作:上平 明

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水を被った行修者の身体から立ち昇る湯気 18:59

水を被った行修者の身体から立ち昇る湯気 18:59

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ご神体の海のお清め 11:52

ご神体の海のお清め 11:52

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雪中の時代絵巻 13:25

雪中の時代絵巻 13:25

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松前神楽の獅子舞 15:27

松前神楽の獅子舞 15:27

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2011年2月20日(日)

 平成17年(2005)9月19日(月)の祭日、横浜市戸塚区舞岡公園でカワセミを撮影して以来5年目となる平成22年(2010)も野鳥を求める旅を続けた。これで三作目となるが、新しい仲間が素晴らしい姿を見せてくれた。野鳥は動きが敏捷で、警戒心が強く、木々に隠れてなかなか姿を見せてくれない。今年も根気と忍耐の撮影行だった。

白鷺の羽ばたきひとつ春の水

The water of spring,
a white heron flapped wings once.

しらさぎの はばたきひとつ はるのみず

            コサギ

  2010.03.12 / 横浜市金沢区長浜公園

サギの仲間では、もっとも身近で観察できる。偶然綺麗に撮影できた。

隼の愛の営み春の島

A spring island,
falcons are in the breeding season.

はやぶさの あいのいとなみ はるのしま

          ハヤブサ

     2010.04.10 / 藤沢市江ノ島

ハヤブサは、メスが縄張りの主になるそうだが、今年は侵入者との凄まじい争いがあり、産卵が約一ヶ月遅れたという。
 江ノ島では、平成16年(2004)頃からこのカップルが子育てを始めたのだそうで、六回目になると、国内では例が無いそうで、平成22年(2010)が最後となる可能性が高いとのことだった。秋になるとこのカップルは姿を消して、若鳥のカップルと交代したという。

緑陰の洞に寄り添ふ青葉木莵

A shade of a tree, the brown hawk-owls
snuggling together in a cave.

りょくいんの ほらによりそう あおばずく

          アオバズク

  2010.07.19 / 横浜市戸塚区舞岡公園

関東地方では、アオバズクが各所で子育てをしているが、巣立ちの前日、二羽の雛を撮影することが出来た。親は撮影できず、別の機会に相模原市御嶽神社で撮影することができた。

小春日や蝦夷梟の夢心地

A balmy autumn day,
the Yezo owls half in a dream.

こはるびや えぞふくろうの ゆめごこち

          エゾフクロウ

  2010.11.13 / 江別市野幌森林公園

数あるエゾフクロウ撮影ポイントのうち、野幌(のっぽろ)森林公園は特に有名な場所だが、カップルで居ることは極めて珍しいとのことである。初めて行って、ツーショットが撮影できる幸運に恵まれた。

「日本の野鳥を撮る旅'10」 2010年 撮影・原作:横山 稔

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コサギの羽ばたき / 長浜公園(横浜市金沢区)

コサギの羽ばたき / 長浜公園(横浜市金沢区)

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ハヤブサの愛の営み / 江ノ島 2010.04.19

ハヤブサの愛の営み / 江ノ島 2010.04.19

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舞岡公園のアオバズクの雛 / 横浜市 2010.07.19

舞岡公園のアオバズクの雛 / 横浜市 2010.07.19

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つがい

のエゾフクロウ / 江別市 野幌のっぽろ 森林公園

番のエゾフクロウ / 江別市野幌森林公園

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2011年2月13日(日)

 1月29日(土)30日(日)の両日、新潟県南魚沼市に聳える八海山(1778m)の大崎登山口に鎮座する八海山尊神社で寒修行が行われた

冬深む八海山の赤社務所

The depths of winter,
the red shrine office of Mt. Hakkai.

ふゆふかむ はっかいさんの あかしゃむしょ

 八海山は、越後山脈に位置する越後三山(えちごさんざん)(魚沼三山)のひとつで、日本200名山に数えられている。越後三山は、南魚沼市から魚沼市にかけて広がる八海山(1778m)・越後駒ヶ岳(2003m)・中ノ岳(2085m)を指し、三山全域が越後三山只見国定公園に指定されている。
 八海山は、八ッ峰(やつみね)と呼ばれる岩峰群と入道岳(にゅうどうだけ)などから成り、最高峰は標高1778mの入道岳である。古くから霊山として崇められ、修験の山として知られる。
 断崖絶壁の八ッ峰は、修験者たちの山行(さんこう)の場となっており、八海山大神(はっかいさんのおおかみ)を始め、天照大神(あまてらすおおみかみ)、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)など、多くの神々が鎮座している。また、入道岳には、八海山尊神社の奥宮が鎮座している。

厳寒の不動の滝や法螺の音

The coldest season, a sound of
a conch shell at Fudo waterfall.

げんかんの ふどうのたきや ほらのおと

 石鳥居から雪の山道を100mほど進むと、綿帽子を被った石碑が散在しており、その奥に八海山尊神社の前身である八海山里宮(はっかいさん・さとみや)(元宮)がある。里宮の手前に空地(あきち)があり、右手に禊更衣所(みそぎこういしょ)、左手に八海山開闢(かいびゃく)の祖・泰賢行者(たいけんぎょうじゃ)の霊窟(れいくつ)と里宮不動滝(さとみや・ふどうのたき)がある。
 神社の境内地から登山道にかけて至る所に霊神塔(れいしんとう)が点在している。綿帽子を被っている石碑のその多くは霊神塔で、死後霊魂は八海山の山々に帰るといわれ、先達(せんだつ)や信徒などが祀られている。

先達の護摩火燃え立つ寒修行

Ascetic practices in the coldest season,
a holy fire of the master
standing up violently.

せんだつの ごまびもえたつ かんしゅぎょう

 夜の「お勤め」は社務所での参拝と護摩行から始まる。幣殿には宮司・禰宜・先達4人があがり、信者たちは拝殿に坐る。お勤めでは大祓詞(おおはらえことば)や般若心経(はんにゃしんぎょう)などが斉唱される。護摩行に備えて護摩木が配られる。見事な神仏習合である。
 護摩木が勢いよく燃え上がり、護摩祈祷が始まると、信者が一人づつあらかじめ配られていた護摩木を焚き、御祓いを受ける。護摩火の上では、天井から吊り下げられた幣束がまるで生き物のように踊っている。

先達の夜の滝行寒の山

The coldest mountain,
a master purifying in a waterfall at night.

せんだつの よるのたきぎょう かんのやま

 午前1時頃、滝行を取り仕切る月岡永年先達が御幣(ごへい)を持って滝壺に入り、禊場を祓い清めた後、女性から滝行が始まった。
 宮司に続いて滝に打たれたのは、金内岳道先達(69歳)。高齢者とは思えないほど若々しく、毅然とした滝行は模範となるもので、多くの信者や後継者たちの尊敬を集めている。
 宮司に続いて滝に打たれたのは、金内岳道先達(69歳)。高齢者とは思えないほど若々しく、毅然とした滝行は模範となるもので、多くの信者や後継者たちの尊敬を集めている。

法螺貝の音八海の雪嶺に

The trumpet shell sounds
to the snow ridges of Mt. Hakkai.

ほらがいの おとはっかいの せつれいに

 行者たちは、行が終わって社務所に引き返す途中、再び霊風園で法螺貝を吹鳴した。雪は丁度小降りになり、はらわたにしみ込むような法螺の音は、闇夜の八海山の八ッ峰に向かって吸い込まれてゆくようだった。
 朝の滝行は午前9時に現地集合である。準備のできた人から三々五々社務所を出発した。この日も大雪で、昨夜来の積雪はかなりのものだった。

先達の御幣の揺るる雪の滝

The snow-covered waterfall,
a master waving a rod of charm.

せんだつの ごへいのゆるる ゆきのたき

 里宮に着くと、深夜の滝行と違って、行者たちを支援する地元氏子の方々の姿があった。禊更衣所前では、青いシートの屋根の下で焚火が燃え盛り、行者の履く藁草履が干されていた。
 寒行者たちは、禊更衣所で水行衣に着替えた後、里宮に集まった。拝殿の中央には、護摩行のときに使う護摩木が置かれていた。
 全員が揃った頃合いを見て、八海山大神への参拝が行われ、行者たちは山田宮司による御祓いを受けた。社務所を出発した10人の行者に混じって、一般参加者5人が参列していた。里宮に集まりさえすれば、滝行が許されるのであろう。

明王の足下に浴びる寒の水

Bathing water in the coldest season
under the deity Fudo.

みょうおうの そっかにあびる かんのみず

 笠原良平先達と月岡永年先達が禊場に入り、雪の降りしきるなか、午前9時45分ころから朝の滝行が始まった。昨夜と同じようにレディーファーストである。
 山崎寛さんが褌一丁で滝に打たれた。深夜の滝行では、落雪のため、撮影は不調に終わったので、今回はその勇姿をたっぷりと激写させていただいた。
 行者たちは寒の滝行を終えると、禊更衣所で衣装を整え、里宮にあがって護摩行に入った。 深夜の滝行と同様、金内先達が行を取り仕切った。

白褌に気合込めたる雪の滝

The snow-covered waterfall, unyielding
spirit wearing a white loincloth only.

びゃっこんに きあいこめたる ゆきのたき

 護摩祈祷が終わると、神前に供えてあった白い箱から薩摩芋を取り出し、護摩台の残り火で焼き芋にして腹ごしらえをした。スルメが焼かれているが、これは支援に駆けつけてくれた地元氏子たちのおつまみである。行者たちは、御神酒も飲まず、精進料理以外は一切口にしなかった。
 里宮での護摩行を終えた行者たちは大雪の中を三々五々社務所を目指して大崎口登山道を下山した。山道のそばに立つ石碑は、山に還った先達や信者たちを祀る霊神塔である。
 行者たちは深夜の滝行では八海山尊神社には立ち寄らなかったが、朝の滝行では里宮からの帰りに八海山尊神社の拝殿に上がり、参拝した。

大雪に法螺の音消さる八海山

Mt. Hakkai, the sound of trumpet shell
vanishing by the heavy snowfall.

おおゆきに ほらのねけさる はっかいさん

 行者たちは、八海山尊神社から社務所に帰る途中、神社前の大広場・霊風園で、法螺貝を鳴らしたが、大雪でその音はかき消されてしまった。

綿帽子被りし鳥居山眠る

The sleeping mountain,
the torii gate capping with snow.

わたぼうし かぶりしとりい やまねむる

「八海山滝行」 2011.1.29-30 撮影・制作:和田義男

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八海山尊神社はっかいさんそんじんじゃ

社務所しゃむしょ

龍谷寺の門前に位置する八海山尊神社社務所 12:13

拡大写真(2000X1500)555KB

滝壺から見上げる

里宮不動滝さとみやふどうのたき

滝壺から見上げる里宮不動滝

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法螺貝ほらがい を吹く遠藤岳道 先達せんだつ  20:22

天井から吊り下げられた幣束が踊るなか法螺貝を吹く遠藤岳道先達 20:22

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金内岳道先達の滝行

金内岳道先達の滝行 3/3

拡大写真(1800X1480)282KB 【 E-5 1/5秒 F3.9 ISO1600 86.0mm 】

山懐やまふところ

法螺ほら の音を響かせる金内先達 02:37

山懐に法螺の音を響かせる金内先達 02:37

拡大写真(1800X1300)240KB

滝行の無事成就を祈願する先達たち  09:12

滝行の無事成就を祈願する先達たち  09:12

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金内岳道先達の滝行

金内岳道先達の滝行 4/4

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05

山崎寛さんの滝行 05

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大雪に眠る大鳥居と88段の大石段「 龍鳴の階りゅうめいのきざはし 」 11:54

大雪に眠る大鳥居と88段の大石段「龍鳴の階」11:54

拡大写真(1800X1350)528KB

 






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2011年2月3日(木)

 平成22年(2010)1月24日(日)、千葉県長生郡一宮町(ちばけん・ちょうせいぐん・いちのみやまち)に鎮座する上総国一ノ宮(かずさのくに・いちのみや)「玉前神社(たまさきじんじゃ)」の第2回大寒禊(だいかんみそぎ)が九十九里浜(くじゅうくりはま)一宮海岸(いちのみやかいがん)で行われた。

大寒の海の禊や褌の白

White are the loincloths,
purification at sea in the coldest season.

だいかんの うみのみそぎや こんのしろ

  開催に先立ち、Wa☆Daフォトギャラリーに 第2回玉前神社大寒禊のご案内 を掲示して和田グループ第二期生を募集したところ、石川、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知から参集した18人(初心者13人)が禊に参加した。
  筆者を加えると、昨年の和田グループは4人だったが、今年は19人の大勢力となった。また、1月9日(日)に開催された第56回鐵砲洲寒中水浴大会に引き続き参加した人は約15人にのぼり、今後、正月第2日曜日の鐵砲洲寒中水浴大会と第4日曜日の玉前神社大寒禊と連続して禊を行うルートが定着することとなろう。

大寒の大波浴びる褌衆

Men of loincloth,
bathing huge waves in the coldest season.

だいかんの おおなみあびる ふどししゅう

 また、和田グループには参加しなかったが、Wa☆Daフォトギャラリーの募集広告を見て、直接神社に申し込んで北海道などから参加した人もおり、今年の禊行者は、過去最高の27人だった。

 今回は、晴天に恵まれたものの、大波が打ち寄せ、禊をしながら大祓詞(おおはらえことば)を奏上することが難しく、波に足を取られて転倒したり、引き波で沖に流されないように踏ん張ったりと、大波に翻弄される禊となった。

寒垢離を終えて鳥船濡れ褌

Wet loincloth,
rowing a Torifune boat after
water purification in the coldest season.

かんごりを おえてとりふね ぬれふどし

  禊を終わったあとの感想を聞くと、波に気を取られて祝詞(のりと)奏上ができなかったという人が多く、祝詞をやめるか、波打ち際で行い、振魂をしながら海中禊を行う方式とした方が良いという意見もあった。

「玉前神社大寒禊’11」 2011.1.23 撮影・制作:和田義男

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なぎさ に入る

褌衆ふどししゅう

渚に入る褌衆

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二段波の襲来 11:04

二段波の襲来 11:04

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波打ち際で艪漕ぎ運動 11:16

波打ち際で艪漕ぎ運動 11:16

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★彡 日本初の写真俳句 ★彡

. 俳句「海の風景」文頭
 
東京 2009年3月16(月)晴 俳句「海の風景」1,000句達成! 2009年3月13日(金)夜、旅紀行ジャパン第110集「早春の山形蔵王」 をアップし、4句を俳句「海の風景」に追加し、「蔵王山霧氷の華の極まれり」の句で遂に1000句となった。2000年7月16日の第1句「枇杷の木を揺すりゐし子ら玉の汗」から数えて足かけ10年、実質8年8ヵ月かかって達成した。「継続は力なり」を信条にコツコツと積み上げてきたが、矢張り感無量である。

 最初は成算があるわけではなく、目標のない船出だった。海の風景をと思ってスタートしたが、途中で種切れとなり、タイトルと各集のカバー写真だけが海の風景となった。駄作の積み重ねだったが、たまに良い句も生まれており、「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」の諺は、私の写真だけでなく、俳句にも当てはまった。(^^; 

 「世界の旅の写真館」のお陰で、最近は、感動写真集の34人の同志の方々からも写真が寄せられるので、世界中から集まるロマンと感動の写真を見ながら、主として通勤電車の中で発句した。こうしてみると、芭蕉の「奥の細道」の世界版という感じがし始め、句想を練るときには、芭蕉の気分になるから楽しい。

 最近は、写真俳句が流行っており、森村誠一さんのアスパラ写真俳句塾など、新聞社やプロが主宰するフォーラムなどもあるが、少なくともinternetの世界では、その先駆けはこの俳句「海の風景」である。しかも全句英訳付きというのは、誰もやっていない。手前味噌で恐縮だが、自己宣伝しないと誰も云ってくれないし、それでは分からないので、あえてアピールさせて頂く。人がやっていないことをやるのは、誠に痛快で、気持ちが良い。(^^

 現在満62歳になったばかりで、心技体はとても充実している。これからも芭蕉になったつもりで、世界中の旅の風景を17文字に変換してゆきたい。次の目標は2,000句である。それが達成できるまで、この世に存在することを神に祈りたい。
 
東京 2008年8月15日(金)晴   kinuko   様より

南ドイツの旅 残暑お見舞申し上げます 南ドイツの旅の画像有難う御座いました。爽やかな田園風景素晴らしいですね ロマンチック街道の麦畑等は見て居るだけで暑さを忘れさせます。

今回も即吟で沢山句を詠まれて居ますね どれを取っても素晴らしいです 和田先生はブログで写真俳句を出されたら如何でしょうか? お忙しいと思いますが俳句を詠んで居る人達がきっと喜んでくれると思います。有難う御座いました。
 
おはようございます。写真俳句のご提言有り難うございます。ご主旨は、単独のブログをということだろうと拝察していますが、既に「俳句・海の風景」という英訳付き写真俳句を発表しておりますので、単独のブログと代わりません。

朝日新聞のアスパラ塾がメジャーで、森村誠一さんの著書もありますが、最初に写真俳句をはじめたのは私ですし、英語俳句もあわせたものは、世界広しといえども他に例がありません。既に850句ほどになり、これからも旅にあわせて拙句を発表してゆきたいと思っていますので、ご期待下さい。有り難うございました。

東京 2007年12月29日 旅と俳句 60歳という還暦を迎えた平成19年(2007)は、1月1日の「509 初景色亥年還暦浪漫旅」からはじまり、第15集706句の「観世音秋桜揺るる散歩道」まで、約200句を創った。当面の目標である1000句まで、そんなに遠い道のりではなくなった。お陰様でアクセス件数も9万件を超えた。大変有り難いことだと思う。私は怠け者なので、どうしても発句しないといけない状況に追い込まれないと俳句が作れない。Wa☆Daフォトギャラリーというinternetのホームページに発表の機会があったからこそ、ここまで歩いてくることが出来た。

それだけではない。旅をしたからこそ、色々なテーマに向かって17文字の世界一短い詩を考え、自分なりの世界を築くことができた。旅の作品には、自分の写真であれ、感動写真集作者の写真であれ、必ず俳句を付けるというルールをいつのまにか作り、自分に厳しくそのノルマを課したからこそ、700句という俳句が生まれた。作品の編集途上の通勤電車の中で、どの写真にどのような俳句を付けようかと考え、発句した。通勤鞄の中には「季寄せ」が入っている。それで季語を検索しながら、写真にふさわしいものをひねり出していった。「吟行」というスタイルがある。私は、旅の現場では撮影に夢中になっているので、吟行する余裕がない。私の吟行は、JR青梅線河辺駅から中央線新宿駅までの1時間10分の通勤電車の中である。

駄作が多いことは百も承知している。しかし、素人の自分がこゝまで歩んでこれたのは、Wa☆Daフォトギャラリーという日本一のフォトギャラリーが生まれたお陰である。感動写真集の多くの仲間や、リピーター客、Googleという勝手に宣伝してくれる検索エンジン会社など、予期せぬ幸運と偶然と声援と、少しばかりのアイデアに支えられたからだろう。「自己顕示欲が強い男だ」という陰口があることも想像できる。しかし、自分の一生は一度しかチャンスがない。「
Going my way」「継続は力なり」を信条に、来年も自分をアピールし、自己満足と少しだけの社会貢献ができることを信じて、歩き続けよう。

英訳は骨の折れる作業である。なぜ英訳するのかと自問すれば、「誰もやっていないから」という答えしかない。英文俳句も700句を超えたのは凄いことだと、自分を誉めてやりたい。気力体力の続く限り、来年もマイペースで歩いてゆこう。明日には、未知の何かが起こることを期待して・・・。


東京 2007年7月2日 旅と感性 本日、第13集をアップ、北欧の旅シリーズの第一弾「夏のコペンハーゲン」の8句を追加した。既に600句を超え、数は順調に増えているが、レベルが上がったかどうかについては、写真技術ほどの上達はないというのが実感である。芥川龍之介は生涯約600の俳句を残しているという。質的には雲泥の差があるとしても、少なくとも量的には彼を上回ったことになり、とても愉快である。

いつの頃からか
和田フォトの作品には自作の俳句を必ず載せることをルールとしてきた。半ば義務として、疲れた身体に鞭打って、通勤電車の中で、使い慣れた角川の季寄せとメモ帳を広げ、思索にふける。朝の寝ぼけた部分が残る頭でも、ロマンと感動をタップリと受けた旅の記憶から実景が鮮明に蘇り、楽しい創作タイムが始まる。

旅は、感性を刺激する。世界の情景の前に、次々と発句が生まれる。湯水のようにとは行かないが、それでもどんどんできる。その中から良さそうな句を選び、推敲する。これが苦しいが、良い文句が絞り出せたときのうれしさは格別である。旅をしなければ、頭に浮かぶ情景は貧しく、生まれる詩句もまた貧しいだろう。そう思うと、「旅に出ることで感性に磨きがかかる」ということに気がついた。私のような才能に乏しい凡才でも、旅を続けることで、沢山シャッターボタンを押して、まぐれの名作を切り取ることができ、また、俳諧の世界でもまぐれに良句が生まれることがある。「旅は感性を育てる」からだろう。けだし名言だと自画自賛!(^^;

ともあれ、「継続は力なり」を信じて、これからも駄作を大量に詠んで行こう。そのうち何かがあることを信じて・・・。


東京 2007年1月2日
 俳句の目的と効用 2006年12月13日(水)、12年かかって500句目の俳句「広州の瑠璃の館の秋寂びぬ」をアップした。俳句「海の風景」は、50句づつ束ねて10集が完成し、11集目に入った。「フォトギャラリーに俳句は必要か。」「俳句の英訳はなぜ?」「褌の俳句を続けるのはなぜ?」などと自問しながら、「継続は力なり」を信条に、ここまでやってきた。「駄作ばかりで、進歩していないのではないか。」とも思う。それは多分そうかも知れない。

しかし、俳句にはたった17文字で写真では表現できない余韻や深みや浪漫がある。読者の解釈如何で、味わいがいかようにも変化する。俳句のお陰で、簡潔明瞭な文章が書けるようになった。英訳付き俳句や褌句は、裸祭りシリーズのように誰もやっていないジャンルである。どんなテーマでもよいから誰もやっていないことをやること自体に意義があり、手間暇かかるが、自慢となり、歓びとなる。迷ったときは、前向きに進むのが正解だと信じ、これからも1000句を目指して、一歩々々歩いてゆくことにする。そのうち、なにかが見えてくるに違いないことを信じて・・・。


東京 2005年8月15日
 継続は力なり 二年前の盆休みに句集のコメントを記載してもう2年経つ。今日、300句を超えたため、一集を50句単位にしているので、第七集を追加した。最近は、毎日100人前後のゲストがあり、俳句も手を抜けなくなった。五年間で5万件を超え、リピーターも増えている。フォトギャラリーに説明文を加え、BGMを設定し、そして俳句を挿入するという作業は、大変だが、馴れてしまうと結構楽しいものだ。

 下手な俳句も、たまには自己満足できるものが増えてきた。何より、英訳を施すことで、俳句の意味がより鮮明になり、深みを増してくるように思う。英訳も最近はコツを覚え、どう訳して良いか分からないようなことはなくなった。英訳できないような句はあり得ないし、あったとすればそれは悪首なのだろう。俳句に写真と英訳をつけ、解説する。このような構成の句集は私以外には存在しない。

 「海の風景」というタイトルも、陸に上がった河童となってしまった今では、ふさわしくないかも知れないが、せめて、カバー写真だけでも海の風景を入れて続けていきたいと思う。どこまで続くか分からないが、「継続は力なり」を信じて、やれるところまでやってみたい。


東京 2003年8月16日
 「俳句海の風景」の継続 8月の盆休みで日本列島は里帰りのシーズンだ。今週は会社全体が夏休みなので、私も休みを取っているが、東京は雨続きで、外出ができない。一日中、家の中で過ごしている。お陰で、未編集の作品を数本、一気に仕上げてアップすることができた。また、これまでの作品に手を加えたりして、時間を有効に使っている。

 
俳句「海の風景」は、50句を束ねてアップしており、既に第4集に入っている。今年の4月に神戸から東京に転勤となり、海の句が殆どなくなってしまった。タイトルを修正しようかとも考えたが、既に2年を超えるシリーズとして定着しており、タイトルは従来のままとすることにした。

 世界の旅の写真館としてWa☆Daフォトギャラリーはこれからも歩み続けてゆくが、それとともに、この俳句も続けてゆきたい。そして、英訳と写真とをあわせて添えてゆく。このような試みは私しかやっていないと思う。かなり骨の折れる作業であるが、やる価値はあると思う。


神戸 2002年8月11日
 暑い夏が続いている。昨日は夏休みの帰省ラッシュのピークを迎えた。おかげさまで、Wa☆Daフォトギャラリーも無事に二周年を迎え、毎月一万件のアクセスをいただけるサイトに成長した。一周年記念として始めた俳句「海の風景」も未だに続いており、遂に百句を超えてしまった。読み返してみると、駄作もあるが、なかなか良い句だと自慢したくなるような作品もある。

 徒然日記を書くごとに折々の俳句を挿入し、それを俳句「海の風景」に写し、英訳と解説文を加えてきた。この作業もかなり大変だが、何とか続けてきた。俳句は本来のフォトギャラリーとは必然性のないコンテンツではある。しかし、映像と17文字の言葉の違いこそあれ、情景を写し取ることには違いがない。むしろ情報過多の映像より、シンプルな文字の方が味わい深いこともあるのではないだろうか。私の拙句をそれなりに楽しみにして下さる読者もおられるようで、励ましのmailをいただくと、止められなくなる。写真の方も風景写真から始まって祭りや花の写真まで手を広げてビッグサイトになってしまったが、今更引き返すこともできない。これからも情熱と体力の続く限り、現在のコンセプトで進んでいきたい。
 

神戸 2001年7月29日 平成13年4月1日、広島から神戸に赴任。俳句は、相変わらず月に一回うつみ会に7句を投句し、高橋三洋子先生の添削と講評を受けている。いわば通信教育という形で続いており、先生のご厚意に感謝申し上げる。

 昨年7月から個人のホームページ・Wa☆Daフォトギャラリーを始めて1年余りになる。アクセス13,000件を突破し、すっかり軌道に乗ってきた。そこで一周年記念として、これまで徒然日記の冒頭に折々の俳句を載せてきたので、それを集めて、俳句「海の風景」というタイトルにまとめ、それに写真とコメントを付けてみた。また俳句の英訳もつけた。英訳にも意訳が入り、イメージの広がりが期待できる。

 まだまだ素人の域を出ていないが、当ホームページのビジターに海の素晴らしさや季節感などを画像と同様に感じとっていただければ有り難い。わずか17文字でイメージ(画像)を表現できれば幸いだ。これまで海で仕事をしてきた経験を生かし、海の風景を一幅の絵のように切り取ってみたい。これが作者のテーマでありコンセプトである。ただ、海の句に限定したわけではないので、折々の身近な風景を適宜織り込んでいきたい。

パノラマの神戸の港春霞

風光る館の空に風見鶏

Panoramic view
of Port Kobe
in the spring haze.

A weathercock on the roof
under sky
with a glistening wind.


広島 2000年4月23日
 平成12年4月1日、函館から広島に赴任した。友人から勧められ、俳句同好会「うつみ」に入会、月一の例会に出ることになった。仕事の合間を見て俳句づくりに専念する毎日が始まった。稚内在任中から俳句を創作していたので、ある程度の自信があるが、句会に出席し、先生に講評を仰いだり、添削を受けるのは初めてである。少し緊張するが、楽しみながら自然流で俳句をつくりたい。先生の俳号は高橋三洋子で、正岡子規の弟子である高浜虚子の流れを汲むという。種田山頭火のような自由律の俳句ではなく、古典派ともいうべき俳句で、キチッとした季語が必要であり、自然で平易なものでなければならないと教わった。

白藤や水面に鯉の浮き沈み

草鞋揺る仁王門より遍路発つ

Carp sink and float
to the surface
under white wisteria.

Pilgrims started
 thorough Deva gate
on which straw sandals swinging. 


稚内 1994年3月26日
 平成6年は吹雪で明けた。日本最北端の地・稚内市に来て一年足らずであるが、現在貴重な冬の体験を積みつつある。窓の木枯らしを聞きながらテレビで正岡子規のドキュメント・ドラマを見ていたら、ふと、この稚内市を中心とした宗谷の出来事を点描してみたら面白いのではないかと思った。今まで俳句などというのは創ったことがないが、挑戦するのも楽しいのではないか。稚拙ではあるが、北国の思い出をファイルする趣旨で詠んでみたところ、アッという間に百首を越えてしまった。思ったより簡単である。粗製濫造気味ではあるがこれからも続けたい。俳号は日本最北端の地にちなんで北舟とした。

正月や昆布拾いの海人ふたり

流氷の接岸告げる尾白鷲

Two fishermen
pick up kelp
on New Year's Day.

A white-tail eagle signals
the arrival of drift ice
to the coast.

日本伝統俳句会 現代俳句協会 インターネット俳句会 俳句センター 帆船 俳句庵 HAIKU for PEOPLE

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