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▼ 宮司ら神職たちの禊が終わると、元気な長老・鈴木暁二さん(80歳)を肩車に御輿先供係(みこしさきともがかり)と書かれた浜印(はまじるし)を持つ旗手を先頭に、六尺褌姿の先供(さきとも)たちが氏子一番乗りで海に入った。 |
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御輿先供係 |
の |
浜垢離 |
/壱 〜遠州灘・福田浜に入る〜 2012.9.19 10:58 |
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元気な長老・鈴木暁二さん(80歳)↓ |
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▲▼ 保存会作成によるガイドブックの「裸祭のこころえ(平成24年版23頁)」によると、「禊(浜垢離)の身なりは町印手拭いのはちまき、晒布(さらし)の褌(ふんどし)とすること」と定められている。 |
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▲▼ 褌の種類や締め方までは規定されていないので、どんな褌をどのように締めるのかは自由であるが、神職以外には越中褌は見られず、神輿先供係の2名の旗手のように前袋式(まえぶくろしき)六尺褌、いわゆる水褌(すいこん)が殆どである。 |
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御輿先供係の浜垢離/参 |
見付天神裸祭保存会・鈴木亨司会長↓ |
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▲ 少数派であるが、長老を肩車した人のように前垂式(まえだれしき)に締めている人もいる。東中区の片山千代三梯団長(ていだんちょう)も前垂派で、それぞれにこだわりがある。 |
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▲▼
ガイドブックが規定する禊装束は、腹巻の規定がないので、普通に読めば、神職のように鉢巻と褌だけで、腹巻は認められないと解するのが妥当だと思われるが、殆どの人は腹巻を締めている。 |
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御輿先供係の浜垢離/五 〜大波の洗礼!(アニメーション)
〜
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▲▼
布が貴重だった江戸時代のことを考えると、海に入るのは褌一丁が当たり前で、腹巻などはあり得ないと思われるが、白晒布の腹巻・褌は御大祭の正装であることから、浜垢離でも容認されているのであろう。しかし、規約通り、全員腹巻なしの方がすっきりして良い。 |
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御輿先供係の浜垢離/六 〜引き揚げる鈴木会長と先供係たち〜 10:58
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▼ 先供たちは、寄せ来る大波を浴びて垢離(こり)を取ったあと、荒波に洗われて丸くなった小石を拾い、浜砂と海水を桶に汲み取った。浜砂と海水は御大祭前日の「御池(みいけ)の清祓(きよはらい)」に、小石は御大祭の「御輿出御祭」に使われる。 |
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御輿先供係の浜垢離/七 〜神事に使う海水と浜砂・小石〜 11:01
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ライフガード
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▼ 遠州灘は、発達した低気圧の影響で、雨と大波が打ち寄せる時化模様のため、救助員が配置され、浜垢離の安全を確保していた。今年の配備は、去年と違って、サーフ・パトロール
SURF PATROL の隊員たちだった。 |
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サーフ・パトロール SURF PATROL
の隊員たち
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▼ 続いて烏帽子(えぼし)・白丁(はくちょう)上下・白足袋・草鞋(わらじ)姿の輿番(こしばん)たちが権現(ごんげん)の浜印を掲げ、旗手を先頭に海に入り、心身を清めた。輿番だけは裸にならず、神輿を担ぐときと同じように上衣の袖を肩までたくし上げ、袴の股立ち(ももだち)を取った勇壮なスタイルである。 |
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輿番 |
・東区 |
権現 |
の浜垢離/壱 10:59 |
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↓権現・小西大作警固長 |
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輿番 |
・ |
権現 |
の浜垢離/弐 〜巨大な波の来襲!〜 |
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▲▼
これまで見てきたように、神職、先供、輿番共に巻波となって打ち寄せる磯波に翻弄され、転んだり流されたりと、悪戦苦闘の浜垢離である。 |
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去年は、台風による高波のため、波に打たれることを避けて足を波に洗われる程度だったが、今年は大波に向かって果敢に挑戦したため、頭から海水を被るという今までにない勇壮な光景となった。 |
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輿番 |
・ |
権現 |
の浜垢離/参 〜アニメーション〜 |
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輿番 |
・ |
権現 |
の浜垢離/四 〜円陣の中で〜 |
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▼ 28の祭組は、見付天神から遠い地区から順に並んだ西区・西中区・東中区・東区の4つの梯団(ていだん)に所属し、それぞれ8・4・11・5の祭組で編成され、見付天神・拝殿でフィナーレの鬼踊りが行われる堂入りは、梯団毎の順番で行われる。浜垢離もその順に添っているらしく、輿番に続き、西区梯団に所属する一番觸(一番町)が真っ先に海に入った。 |
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西区 |
一番觸 |
の浜垢離/壱 11:03 |
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▲▼ 一番觸(いちばんぶれ)は、浜垢離、堂入り、鬼踊り、山神社からの觸番の発進など、見付天神裸祭を語るには欠かせない祭組である。白褌に白鉢巻という質素な出で立ちは、神事にふさわしく、清潔感があふれている。 |
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一番觸・大島秀敏警固長↓ |
西区 |
一番觸 |
の浜垢離/弐 11:04 |
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▲▼ 見付天神の氏子たちの垢離取りは、粛々と行うのではなく、波をかぶりながら押し合い、腕を振り上げ、觸鈴(ふれすず)を打ち鳴らし、「オイッショ、オイッショ!」の掛け声と共に地団駄(じだんだ)踏んで汐に練り込むという、さながら本祭の深夜に拝殿で行う鬼踊りを思わせる勇壮な垢離取りである。これを見ると、浜垢離から既に見付天神裸祭の本番が始まっているといえよう。 |
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あきさめに ぬるるびゃっこん はまのこり |
Water purification
at beach, wet white loincloth in the autumnal rain. |
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西区 |
一番觸 |
の浜垢離/四 〜アニメーション
〜 |
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▲▼ 四度目の取材ともなれば、名前は分からなくとも顔なじみの人が多い。特に、一番觸は、全員褌を徹底させていて、祭装束は申し分なく、また、御大祭での鬼踊りも一番目立っていて、エース級が揃っている。 |
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西区 |
一番觸 |
の浜垢離/五 11:06 |
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↓鈴木敏三さん(79歳) |
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▼ 見付天神裸祭で目につくのは、次代を背負う子供たちの姿が多いことである。28の祭組は、それぞれ「子供連」を編成して世話役が付きっきりで指導し、保護育成に当たっている。 |
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▲▼
見付天神裸祭保存会の祭り規約に従い、全員褌を徹底し、ロープに囲った子供たちを連れて海に入ったのは、西区梯団に属する水陣(すいじん)(水堀みずほり)である。警固長は望月哲さん。しっかりした指導が行われており、3年前の取材当初から見ていて惚れぼれするほど、勇壮で美しい禊ぎだった。 |
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▲▼ 今年は波が荒く、低学年の小学生には厳しい浜垢離となった。大人たちにしっかりと守られてはいるものの、不安からか、終始命綱にしがみついていたのが印象的だった。 |
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西区 |
水陣 |
の浜垢離/参 〜命綱にしがみつく子供たち〜 |
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▼
予想通り、大波の一撃を食らい、転倒したり、波打ち際(なみうちぎわ)まで運ばれてきたりして、大自然の威力を体験していた。私も度々大波の直撃を受けたが、何とか踏みとどまって激写することができ、カメラも無事だった。 |
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西区 |
水陣 |
の浜垢離/四 〜大波の一撃!〜 |
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月松社(境松) |
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水陣 |
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西区 |
水陣 |
の浜垢離/六 〜アニメーション
〜 |
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月松社(境松) |
水陣 |
一番觸 |
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▼ 荒波に揉まれた禊を終えて引き揚げてきたところで、記念撮影を提案したところ、三列横隊に整列してポーズをとってくれた。水陣には、これからも浜垢離・御大祭の模範集団として、全員褌を率先垂範してもらいたい。 |
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西区 |
水陣 |
の浜垢離/七 〜砂浜で記念撮影〜 11:28 |
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▼
翌日の静岡新聞には、「見付天神裸祭の安全祈願」「男衆が勇壮に浜垢離」「心身清めいざ本番」という見出しが踊る浜垢離の記事が社会面に4段抜きで掲載された。そこに大きく添えられた写真は、水陣を撮影したもので、勇壮で美しく、見事なものだった。別の新聞では、この日、約2,000人が浜垢離に参加したと報じられていた。 |
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翌日の静岡新聞に5段抜きで掲載された水陣の浜垢離 2012.9.20
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▼ 西区・玄社(げんしゃ)は、水陣同様、子供に至るまで全員褌を徹底させており、こちらも取材当初から目についていた。子供たちを引き連れ、比較的浅い波打ち際で元気に水浴びをしている姿は、とても頼もしく楽しそうだった。 |
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西区 |
玄社 |
の浜垢離/壱 〜
全員褌のホープたち〜 11:08 |
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玄社・北村淳警固長↓ |
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西区 |
玄社 |
の浜垢離/弐 〜
波に練り込む氏子たち〜 |
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▼ 西区・玄社(げんしゃ)の村松和義さんは、私の顔を覚えておられ、「今年のガイドブックの表紙に載りました」と声を掛けてくれた。これまでのガイドブックの表紙は、集団の画像ばかりだったが、今回はその中でも村松さんが強調された扱いとなっている。彼にとっては一生の記念となったことだろう。 |
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西区 |
玄社 |
の浜垢離/参 〜
平成24年版ガイドブックの表紙を飾った玄社・村松和義さん〜 |
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↓玄社・村松和義さん |
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