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▼ 時刻は遂に翌日の日曜日に入ったが、堂内では鬼踊りが続き、身動きのとれない拝殿で最後の盛り上がりに誰もが酔いしれていた。 |
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翌日に入った鬼踊り 2012.9.23 00:01
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▼ やがて、榊を持ち黄色の頬被りをした東区・元門車(げんもんしゃ)の〆切たちが堂入りし、神輿出発の刻限が迫っていることを示威したが、あっという間に堂外に消えた。 |
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黄色の頬被りをした〆切(東区元門車)が榊を持って入場 00:06
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▼ 間もなく、純白の装束に身を包んだ鈴木俊彦宮司が幣殿の東側から颯爽と現れ、渡御奉告祭が始まった。 |
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撮影:2009.9.26 |
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▼ 遠州灘福田海岸での浜垢離で先供が波打ち際から持ち帰った12個の小石が神輿の周りに置かれ、鈴木宮司の祝詞(のりと)奏上が行われた。 |
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鬼踊りの喧噪をバックに鈴木宮司による祝詞奏上 00:09
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▲▼ 渡御奉告祭は、その名の通り、神輿に鎮座する女神・矢奈比賣(やなひめ)に大国主命の待つ総社に向かうときが来たことを告げるセレモニーである。拝殿では、騒音をたてて踊り狂う集団がおり、幣殿では厳かな神事が執り行われている。静と動とが同居する不思議な光景がしばらく続く。 |
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▲▼
神輿の上の天井に取り付けられた鈴が鳴らされたのを見届けて、幣殿西側の出入口から外に出て、神職一行を待っていると、やがて白丁姿のビデオカメラマンを従えて神職たちが姿をあらわし、松明の明かりを頼りに、山神社に向かっていった。 |
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鈴木宮司ら神職一同が六ッ石のそばの山神社に到着すると、提灯と松明の明かりを頼りに、山神社祭(やまじんじゃさい)が執り行われた。 |
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▼ 鈴木宮司が放つ白い切り麻(ぬさ)が空を舞い、大気が浄められるなか、白衣正装の宮司による祝詞奏上があり、一番觸、二番觸、三番觸の儀が行われた。 |
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▼ 一番觸、二番觸、三番觸の使者には、先供から大榊が手渡され、觸鈴を持つ使者と共に山神社を出発する。 |
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山神社御祭/四 〜 |
先觸 |
に手渡す |
大榊 |
〜 00:16 |
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山神社御祭/五 〜榊を使者に手渡す |
御先供係 |
〜 00:16:52 |
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▲▼
「一番觸」の声がかかると、先供の世話方より觸榊(ふれさかき)が御山役(おやまやく)に渡され、野次(やじ)と呼ばれるお付きたちと共に觸番(ふればん)が觸鈴(ふれすず)を打ち鳴らしながら山を下り、「いちばーんぶれー」と連呼しながら
総社までの約1kmの道中を走り、全戸消灯となる神輿渡御が近いことを知らせる。 |
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山神社御祭/六 〜 |
一番觸 |
が山神社を出発!〜 00:17:08 |
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▼ 「二番觸」の声がかかり、觸榊が手渡されて觸番が出発すると、煙火(えんか)三発が打ち上げられ、それを合図に拝殿はじめ神輿渡御の道筋の照明が全て消された。
ここからはカメラの電源を切り、二番觸の野次の中に混じって、総社に向かった。 |
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山神社御祭/七 〜 |
二番觸 |
に榊を手渡す〜 00:18:30 |
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三番觸の榊 |
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おわたり(神輿渡御) |
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▼ 見付天神では、二番觸出発の煙火の合図で明かりが消されると、暗闇の中で鬼踊りに興ずる裸っぽの間を輿番が割って入り、神輿をお掻込(かいこ)み状態にして拝殿を下り、山神社まで近づくと、三番觸が出発する。觸番は神輿から離れないよう、ゆっくりと先導し、「さんばーんぶれ」と語尾を延ばさないように注意しながら連呼する。 |
暗闇の中で輿番が抱え持つ神輿が参道を下り、その後を追随する裸っぽたちを〆切たちが榊で鞭打ちながら狼藉を阻止する戦いが繰り広げられる。 |
旧東海道に出ると、輿番たちは神輿を担ぎ上げ、総社に向かって小走りに進む。神輿を追っかける裸っぽたちの群の後は全くの闇で、列をなして群衆が追従してくるわけではな
い。 |
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▲▼ 暗闇の街道に唯一西中区の舞車(まいぐるま)の提灯1個が点灯し、総社入口を示している。神輿はその前を右折して総社の参道に入る。舞車の提灯と御神酒献上係がその後に従う。 |
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拝殿前の総社門は低いため、神輿をお掻込(かいこ)み状態にして通過し、拝殿に到着する。西中区の地脇が輿番のときは総社門を通る前に鳳凰の飾りなどを外すが、権現の場合はそのまま通過する。 |
祭組によって神輿渡御の作法が異なるが、地脇は、かつて輿番のときに鳳凰を外す栄誉を得たことから、それを取り消すことなく、現在もその栄誉を担う子孫の手によって鳳凰を取り外すという奉仕が続いている。 |
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篝火 |
のそばを渡御する神輿/ |
総社 |
石鳥居 00:24 |
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撮影:曽根由香 2010.9.11 |
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▼
神輿が御旅所の総社に到着すると、煙火1発が上がり、それを合図に町内は光を取り戻す。ここから再びフラッシュ撮影が可能となった。 |
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▲▼ 総社の拝殿前では、神輿に追随してきた裸っぽたちが最後の盛り上がりを見せていた。拝殿に乱入しようとする気配があり、その進入を阻止する姿があった。神輿を追ってきた裸っぽたちは、それを楽しんでいるふうでもあり、御広前で最後の裸練りが行われた。 |
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↓二番觸 |
狼藉者を阻止する西中区梯団/総社拝殿前 00:37 |
舞車↓ |
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▼ 神輿が総社拝殿に安置されたあと、神輿総社着御祭(みこし・そうしゃ・ちゃくぎょさい)が執り行われてからお開きとなる。総社ではまだ神事が行われている一方で、神輿渡御にお供してきた裸っぽたちは、総社の西(左)の注連縄(しめなわ)に囲まれた納所(おさめどころ)で腰蓑納めをしたあと、三々五々帰途に着いた。 |
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▲▼ 西区二番觸は腰蓑を納めた後、拝殿前で隊列を整え、松本警固長を先頭に一団となって町会所に向かった。 |
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ふれすずの おともぬれおり あきのよわ |
Autumnal midnight, the sounds of message bells getting wet also. |
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二番觸・会所前の鬼踊り/壱 〜赤鈴を打ち鳴らす新尺俊勝世話役(4)〜 00:47
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▲▼ 腰蓑納めをしたあと一団となって戻ってきた西中区・二番觸の氏子たちは、雨のなか、町会所前の車道で、午前1時に交通規制が解かれるまで、最後の裸練りを楽しんだ。拝殿では人が多すぎて十分に発散することができなかったので、和田グループ参加者たちも觸鈴を振り回して、鬼踊りに興じた。 |
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二番觸・会所前の鬼踊り/弐 〜長谷川昇司世話役
(3)〜
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二番觸・会所前の鬼踊り/五 〜吉澤知秀(初)・岩田秀彦(2)〜
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▼ 全ての行事が終わり、一人の落伍者もなく、無事憩の家に引き揚げてきた和田グループは、褌を解いて更衣したあと、片山梯団長を囲んで全員で乾杯した。 |
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最大の東中区梯団を率いる片山梯団長を囲んで和田グループ全員の乾杯!/宿町老人憩の家 01:10
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▲▼
雨の中の「おわたり」となったが、全員、感動体験に興奮醒め止まぬ様子で、祭談義に花が咲いた。途中で筆者が一番お世話になった福代事務局長も座に加わり、再度乾杯した。 |
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歓談途中で松本邸からお呼びがかかり、和田グループ二番觸のメンバーは、松本邸にお邪魔して乾杯。奥様の手料理(特にちらし寿司は秀逸!)に舌鼓を打ちながら午前3時頃まで交歓させて頂いた。皆さん、お疲れ様! |
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二番觸・松本直希警固長ご夫妻を囲んで和田グループ二番觸4人の乾杯!/松本邸 01:42
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