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本堂の前に参道を挟んだ広場があり、本堂に向かって左(西)側で柴燈木登(ひたきのぼり)が行われる。参道右(東)の筵(むしろ)小屋が我々が起居した精進小屋で、その東には鐘楼堂があり、更に東奥に庫裏(くり)がある。 |
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本堂と我々の精進小屋 |
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拡大写真(1400x1050)423KB |
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庫裏(くり)は石垣に建つ屋根付土塀に囲まれている。年輪を重ねた杉の木々の間から低く差し込む木洩れ日が土塀に光りと影の濃淡を描いている。石垣に沿って一直線に続く苔生(こけむ)した参道が美しい。 |
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拡大写真(1400x1050)391KB |
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蘇民祭は、柴燈木登(ひたきのぼり)、別当登(べっとうのぼり)、鬼子登(おにごのぼり)と三度の登(のぼり)がある。「登(のぼり)」とは庫裏(くり)から本堂(薬師堂)に出向くことをいい、その出発点が庫裏の門である。 |
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門を入ると、正面に庫裏(くり)と呼ばれる住職などの居住区がある。パンフレットでは黒石寺と表示されている。 |
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庫裏の更に東側には寺務所や土蔵などがあり、寺務所の南側の庭に蘇民祭の「お立木」(オタテギ)が建てられていた。お立木は祭場の目印となるもので、祭りの当日それを目印に神々が天から降りてくるといわれている。 |
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寺務所と蘇民祭のお立木 |
寺務所↓ |
↓お立木 |
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パノラマ写真(2000x800)355KB |
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お立木は1月21日に檀家によって建てられたもので、高さ2m、直径2mほどの門松のようなもの。一本の笹竹(ささだけ)に大きな鏑矢(かぶらや)のような依代*(よりしろ)が取り付けられている。空に向かって弓矢を引き絞っているように見え、この矢は丑寅(うしとら)の方角に向けられているという。 |
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日本の民俗学の先駆者・柳田國男は「祭には必ず木をたてるということ、これが日本の神道の古今を一貫する特徴の一つであった。」と記しているが、神仏混淆の独特の宗教観が伺われて、興味深い。 |
*依代:憑代。神霊が招き寄せられて乗り移るもの。樹木・岩石・人形などの有体物で、これを神霊の代りとして祭る。かたしろ。 |
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拡大写真(1400x1050)353KB |
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寺務所の土間に置かれたテーブルの上に裸参りで使用される手桶が5つ置かれていた。作成年代が古いものと新しいものとがあり、大きさが異なる。裸参りの参加者はここに集合し、手桶や角燈などを借り受け、総代を先頭に列をなして出発する。 |
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寺務所に置かれた水垢離用の手桶 |
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拡大写真(1400x1050)180KB |
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寺務所の土間を右に行くと台所があり、大きな竈(かまど)に二つの湯釜が置かれ、薬湯(やくとう)が煮えたぎっていた。蓋をずらすと白い蒸気が立ち登り、柄杓(ひしゃく)で薬湯をお椀に取って呑むと、薬師如来のご加護を受けて風邪を引かず、無病息災に暮らすことができるという。 |
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寺務所の |
竈 |
の湯釜から |
薬湯 |
を汲むKUMAちゃん |
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この薬湯(やくとう)は、旧正月7日の朝、檀家総代が塩をまいて竃を清めた後、裏山の沢から引いてきた清水を焚いた白湯(さゆ)で、呑むときには息を「ふーふー」吹いて冷ますと霊験が吹き飛ばされて効き目がなくなるので要注意。 |
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蘇民祭にやって来た人は、是非、この霊験あらたかな薬湯(やくとう)を口にすることをお勧めするが、パンフレットに記載されていないため、知らないで帰る遠来の客も多い。檀徒は元旦からお精進に入っており、口にするのは白湯だけで、お茶は飲まないという。 |
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寺務所の裏庭は、フェンスで囲まれていて、中が見えないようになっている。こゝには裏山の沢から引かれて常時清水が流れている井戸がある。 |
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この井戸水は、薬湯に使われているほか、旧正月七日の夜、檀家、親方、厄年連の中で「役持ち」といわれる人たちが素裸になって水垢離する清水でもある。「役持ち」は、蘇民祭の重要な役割を果たす人たちで、鬼子を背負う人、袋出しをする人、袋に刀を入れる人などである。 |
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以前は素裸の水垢離を公開していたが、全裸ビデオが流れて、アダルトサイトなどで悪用されるなど、公序良俗に反する弊害が指摘されたため、現在は非公開となっている。未だにそのビデオからキャプチャーした全裸写真を掲載しているサイトがあるのは残念である。 |
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