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 旅紀行日本の裸祭り

2012年2月18日改訂

今 日

昨 日

十五夜の月

拡大写真(1400x1050)291KB

初春の蘇民ふんどし白晒  北舟

2007年3月11日制作

最終ミーティングをする山本グループ

最終ミーティングをする山本グループ(黒石寺蘇民祭/岩手県奥州市水沢区)

 

天下一の奇祭

黒石寺・寺紋

黒石寺蘇民祭

 

妙見

 
 

妙見堂みょうけんどう

 本堂に向かって左(西)側の石段を登り切った正面に妙見堂があり、北斗星が権化(ごんげ)したとされる妙見菩薩が祀られている。妙見堂の左側の参道を300mほど登ったところに古い妙見堂の跡があり、「奥の院」又は「奥の妙見様」と呼ばれ、昔の蘇民祭の鬼子登(おにごのぼり)では奥の院まで登ったことが記録に残されている。

狛犬と石段と妙見堂

狛犬と石段と妙見堂

   現在、旧正月七日の夜10時から始まる裸参りでは、瑠璃壺川、薬師堂、妙見堂の順に三回巡って、家内安全、厄災消除(やくさいしょうじょ)の祈願をする。
妙見堂を護る 狛犬こまいぬ

妙見堂を護る狛犬

 

三十三観音霊場さんじゅうさんかんのんれいじょう

 黒石寺は、奥州三十三観音霊場の第二十五番札所であり、江刺(えさし)三十三観音霊場の第七番札所である。
 奥州三十三観音霊場は、旧陸奥国(むつのくに)(現在の青森県・岩手県・宮城県・福島県)にある33ヵ所の観音霊場で、保安4年(1128)から行われるようになったという。黒石寺はで、境内の西方に釈迦観音堂があり、千手観音像が祀られている。また、妙見堂の石段の左(西)側には、三十三観音が並んでいる。

狛犬の西に整列する三十三観音

狛犬の西に整列する三十三観音

拡大写真(1400x1050)391KB

 

妙見菩薩みょうけんぼさつ

 妙見菩薩は仏教における信仰対象である菩薩の一つであるが、他のインド由来の菩薩とは異なり、中国の星宿(せいしゅく)思想から来たもので、北極星を神格化したものであることから、通常は大黒天や毘沙門天・弁才天と同じ天部に分類されている。
 古代中国の思想では、北極星(北辰とも)は天帝と見なされた。これに仏教思想が流入して「菩薩」の名が付けられ、妙見菩薩と称するようになった。「妙見」とは「優れた視力」の意で、善悪や真理をよく見通す者だという。

妙見堂にお参りする山さん

妙見堂にお参りする山さん

 

玄武げんぶ

に乗った 妙見菩薩みょうけんぼさつ
 妙見堂に安置される像高75cmの妙見菩薩像は、童顔の武将仏で玄武(亀と蛇の合体した想像上の動物)に乗り、唐服を着て剣を持つ。脇侍(わきじ)は北斗七星を示す北斗菩薩。道教(どうきょう)・陰陽道(おんみょうどう)の影響が強く、武運長久、国家安穏、五穀豊穣の尊神であるが、物事(ものごと)の真相を見極める霊力があるとされ、眼病平癒(がんびょうへいゆ)の霊力を持つといわれる。
東内御堂ひがしうちみどう に移された

妙見みょうけん

菩薩像ぼさつぞう

妙見菩薩像

拡大写真(1370x1400)312KB

 
黒い 隕石いんせき
 上の写真の右上の三方(さんぽう)に載せられた隕石(流星)といわれる駝鳥(だちょう)の卵大の黒い石は、御神体で、いつもは妙見菩薩像や脇侍とともに本堂の東内御堂(ひがしうちみどう)に安置されており、私が撮影した後、夜の裸参りに備えるために、正規の位置である妙見堂に移された。
筵小屋むしろごや

蘇民そみん

食堂

蘇民食堂

 
歴代ポスターを展示した 蘇民食堂そみんしょくどう
 参道中央部の西側に大きな筵(むしろ)小屋が建てられ、てんぷらうどん、きつねうどん、おでん、お茶、ジュース、缶ビールなどの精進料理が食べられる食堂となっていた。中に入ると、座布団代わりの稲藁(いなわら)の大きなサークルの中に炭火が焚かれていた。

歴代ポスターを展示した食堂

歴代ポスターを展示した食堂

パノラマ写真(2000x1024)376KB

 

 筵(むしろ)で出来た壁には、歴代の蘇民祭ポスターが飾られ、山さんと昇ちゃんが写っているポスターがあった。ポスターは、奥州市(旧水沢市)が作成した縦103cm x 横73cm の大きなもので、パネル化されていて光っているため、後日、昇ちゃんの貴重な所蔵品をお借りして撮影した。

山さんが載ったポスター
昇ちゃんが載ったポスター

        ↓山さん

         ↓昇ちゃん
山さんが載ったポスター 昇ちゃんが載ったポスター

拡大写真(990x1400)195KB

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本堂

外陣げじん

ガイド役を勤める昇ちゃん

本堂外陣でガイド役を勤める昇ちゃん

   青年部の精進小屋の西方、食堂の北側に青年部の窓口が設置され、お札(ふだ)やお守り、写真集などの売店を兼ねた「まつり案内所」兼「争奪戦参加受付所」となっている。
青年部の窓口

青年部の窓口

   参道東側の筵(むしろ)小屋は、飲食物の売店となっており、ビールや甘酒、ごま餅磯辺焼き、唐揚げ豆腐、みそコンニャクなどの精進料理が売られていた。
 「不許葷酒入山門」(葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず)は禅宗だけでなく、天台宗も同じ戒律を持つが、禅寺同様、酒は酒として飲むのではなく、知恵の湯である般若湯(はんにゃとう)として飲むので、寺の境内や精進小屋で堂々と飲酒できる。
参道東側にある精進料理の売店

参道東側にある精進料理の売店

   黒石寺の門前道路の南側にテント小屋があり、蘇民袋のミニチュアや小間木、角燈、写真集など蘇民祭グッズの土産物が売られていた。

蘇民祭グッズの販売

蘇民祭グッズの販売

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蘇民褌そみんふんどし

販売
 蘇民祭に参加する人のために、「黒石寺蘇民祭」の朱印が押された白晒木綿の褌と地下足袋が1セット2000円で売られていた。蘇民褌の単体販売があれば、記念に購入する人も増えるものと思われる。

「黒石寺蘇民祭」の朱印入り褌の販売

「黒石寺蘇民祭」の朱印入り褌の販売

拡大写真(1400x1050)330KB

  初春の蘇民ふんどし白晒  北舟 

はつはるの そみんふんどし しろざらし

   昼間挨拶に立ち入った青年部の精進小屋を覗くと、内部は大量の炭火で温かく、稲藁(いなわら)が布団代わりのように敷き詰められており、その上に横になって般若湯を飲みながら出番を待つ人たちの姿が見られた。

出番を待つ青年部の精進小屋

出番を待つ青年部の精進小屋

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   昼と夜の2回、境内を巡って祭りが始まる前の表情をカメラに収めて帰ってくると、山本グループの面々は、炭火を囲む稲藁の座布団に坐って、最後の打ち合わせの最中だった。いよいよ本番を待つばかりとなった。

炭火を囲んで最終ミーティングをする山本グループ

炭火を囲んで最終ミーティングをする山本グループ

拡大写真(1400x1050)291KB

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