|
|
|
|
|
平成18年(2006) |
|
|
64句 累計:243 |
|
|
【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示
タイトル「例:小松神社裸参り」をクリック:別窓に作品「例:小松神社裸参り」を表示 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
初春や地球も狭しウェブ行脚 |
Early spring,
Walking on the Web
around the small earth. |
|
|
2006年元旦0時0分0秒丁度に発信アイコンをクリックし、メーリング・リストに登録させて頂いている約200人の愛読者に年賀カード(写真)を送った。 |
この写真は、2005年12月30日、清水港から出港した遊覧船の上で撮影したもので、合成写真ではない。 |
船尾に群がる鴎を狙って懸命にシャッターを切っていたところ、鴎が太陽を掴(つか)んだかのように感動の画像を切り取っていた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
続寒中水浴大会 |
平成18年2006年1月8日(日) |
|
白褌に気合込めたる寒の垢離 |
びゃっこんに きあいこめたる かんのこり |
The midwinter purification,
pumped up
with white loincloths. |
|
東京都中央区湊一丁目に鎮座する鐵砲洲稲荷神社の寒中水浴大会は、東京の新春の風物詩として知られるが、今年も雲一つ無い晴天に恵まれ、2006年正月8日(日)午前11時から拝殿前の境内で51回目の大会が開催された。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
江ノ島寒中神輿 |
神奈川県藤沢市 平成18年(2006)1月8日(日) |
|
初春や潮に練込む神輿かな |
はつやるや しおにねりこむ みこしかな |
Early spring,
portable shrines
rush to
the tidal waves. |
|
|
絶好の行楽日和となり、2年ぶりに湘南は江ノ島・片瀬海岸東浜に出掛けた。江ノ島寒中神輿錬成会は、藤沢鎌倉神輿連合会が主催するもので、藤沢・鎌倉両市の神輿愛好者による年に一度の大会である。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
一筋の川光明の冬の景 |
ひとすじの かわこうみょうの ふゆのけい |
The dazzling reflection
of the river
makes a scroll
of
winter scene. |
|
1月22日(日)の朝、我が家のベランダの外は雪景色だった。東京は土曜日が久しぶりに雪が降り、都心では7cmの積雪があった。 |
今年は日本海側が大雪で、除雪が間に合わず、自衛隊が出動するという事態になっている。太平洋側では晴天が続き、東京で近年にない降雪となったが、この程度の積雪で大騒ぎしては、申し訳ない気がする。 |
東京都青梅市 平成18年(2006)1月22日(日)
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
國府宮はだか祭 |
|
國府宮 |
愛知県稲沢市 |
平成18年(2006)2月10日(金) |
|
|
|
|
をさな児も褌しめる厄落 |
|
初春やはだかで埋まる國府宮 |
おさなごも ふんどししめる やくおとし |
|
はつはるや はだかでうまる こうのみや |
Exorcism,
An infant also wears
fundoshi loincloth. |
|
Early spring,
Kouno-miya shrine
overflowing
with naked men. |
|
平成18年(2006)2月10日(金)愛知県稲沢市(いなざわし)に鎮座する國府宮(こうのみや)で恒例の裸祭りが開かれた。國府宮の裸祭りは正しくは儺追神事(なおいしんじ)といい、毎年旧正月の13日に斎行される。儺追笹(なおいざさ)を奉納した裸男(はだかおとこ)たちが厄を落とすべく全裸の神男(しんおとこ)に触れようと揉み合う勇壮な祭りで、江戸時代の末頃から始まったという。今年は9千人のはだか男と14万人の観衆が國府宮に押し寄せ、大規模な裸のページェントが繰り広げられた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
しおざわ雪譜まつり/山伏滝行 |
新潟県南魚沼市塩沢 2006年2月18日(土) |
|
山伏の肌ほとばしる雪解水 |
やまぶしの はだほとばしる ゆきげみず |
Melted snow
gushing from the skin
of yamabushi
the itinerant Buddhist. |
|
2006年2月18日(土)、新潟県南魚沼市塩沢で「第22回しおざわ雪譜(せっぷ)まつり」が開催された。午前10時から始まった「山伏水行之儀」が行われたのは、機織り(はたおり)の神・巻機権現(まきはたごんげん)として崇められる山岳修験道の霊山・巻機山(まきはたやま)(1967m)の登山口にあるC水(しみず)と呼ばれる村落で、JR塩沢駅から車で15分ほどで着く。 |
|
|
|
|
「山伏水行之儀」は、天台系の里山伏である本山修験宗(ほんざんしゅげんしゅう)の巻機山萬学院(まきはたやま・まんがくいん)住職・田村昌法(たむらしょうほう)さん59歳が主催する滝行(たきぎょう)である。里山伏(さとやまぶし)と呼ばれる山伏は、新潟県と高知県にしか見られないといわれる。 |
|
|
護摩壇の紅蓮の炎雪解風 |
ごまだんの ぐれんのほのお ゆきげかぜ |
Snow-melting wind, bright red flames
on a
holy-fire platform
for invocation. |
|
早春の千灯ゆらぐ越の里 |
そうしゅんの せんとうゆらぐ こしのさと |
A village of Niigata, one thousand of
candles
flickering
in early spring. |
|
雪を踏み固めてつくられた巨大な護摩壇の中央にうずたかく積み上げられた生の柴木(しばき)に点火されると、白煙が立ち上がり、やがて巨大な炎となって夜空を焦がしていった。 |
|
|
山伏たちは護摩壇の西に置かれた護摩木(ごまぎ)を火焔に投じ、一枚一枚心を込めて炊きあげていった。護摩木のあとは神札で、同じく護摩壇の西側に積み上げられた古いお札や達磨などが火の中に投げ込まれていった。 |
山伏だけでは間に合わないとみえ、祭典関係者や一般の人たちが護摩壇に上がり、お炊きあげが続いた。護摩壇の巨大な炎と、その周りに奉納された千本を数える大きな蝋燭の炎とがあいまって、雪上の幻想的な光景が見事に演出された。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2006年梅の旅 |
平成18年(2006)3月16日(木) |
茨城県水戸市 偕楽園 |
|
南崖の梅いにしへの風雅かな |
なんがいの うめいにしえの ふうがかな |
The plums
on south cliff,
of old taste. |
|
偕楽園・南門の近くに「南崖(なんがい)の梅」が咲いており、正岡子規の句碑が建っていた。 |
崖急に梅ことごとく斜なり 子 規 |
|
|
|
|
いうまでもなく、南崖は南に面した崖(がけ)のことで、子規は急斜面の崖に咲く梅の木がすべて斜めに生えていることに野趣を感じたのだろうか。子規と並んで筆者の駄作を披露するのは気が引けるが、名園の梅を眺むれば、歌心も湧いてくるというもの。 |
|
|
梅が香の沢たちのぼる筑波山 |
うめがかの さわたちのぼる つくばやま |
Scent of plums
rising
along the swamp
of Mt.Tukuba. |
茨城県つくば市にある筑波山(つくばさん)(標高876m)の梅林では、丁度「第33回筑波山梅まつり」の最中で、ウイークデーにもかかわらず駐車場入口が渋滞しており、超人気スポットであることがよく分かった。梅も七分咲きとなり、見頃を迎えていた。 |
東京都青梅市 吉野梅郷 |
かほりたつ梅は吉野のおらが山 |
Fragrant plums
are
on my mountain
of Yoshino. |
|
|
|
|
あちこち旅をして梅の花を撮影して思うことは、平地の梅林は変化に乏しく、奥行きを十分に感じられないので、たとえ大量に植えられていたとしても、その素晴らしさを十分に感じ取ることは難しい。桜も同じことがいえる。 |
|
|
せいぜい、目に入る数本の木の下で、ご馳走に舌鼓を打ちながら鑑賞するということになる。その点、山や谷に植えられた梅は立体的に鑑賞でき、スケール感が新たな感動を引き出してくれる。筑波山や吉野梅郷が人気が高いのは、変化に富んだ景観を楽しむことができるからである。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
日本の野鳥を撮る旅 |
平成18年(2006)3月18日(土) |
横浜市戸塚区舞岡公園 |
|
この日はこのメジロともう一羽のペアが梅の蜜を狙っていたので、息を凝らしてポイントを定めて待っていたら、嬉しいことに嵌ってくれた。
(撮影:横山 稔) |
|
梅が香に目白の遊ぶ佳き日かな |
うめがかに めじろのあそぶ よきひかな |
An auspicious day, a white-eye playing |
with the scent of plum blossoms. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
宮島の春雨桜 |
平成18年(2006)10日(月) |
|
家内と共に2泊3日の日程で中国路を旅した。中国地方の桜の開花は、例年になく遅れ、この日は、春雨桜を鑑賞することとなった。 |
|
春林に雲湧き出づる厳島 |
Clouds coming out
on the spring forest
at Itsuku-shima. |
|
朝桜山塔霞む利休雨 |
Cherry blossoms in the morning,
the mountain and pagoda
look hazy
in the gray green rain. |
|
|
|
|
|
|
|
春霖雨人影絶えし太鼓橋 |
A long spring rain,
nobody seen
on the arched bridge. |
4月11日(火)、山口県岩国市に入った。錦帯橋は、市内を流れる錦川(にしきがわ)に架かる橋で、江戸時代より日光の神橋(しんきょう)、甲斐の猿橋(えんきょう)と並び日本三名橋と呼ばれた。その精巧で特異な構造が高く評価され、大正11年(1922)に国の名勝に指定された。 |
|
|
|
|
|
|
山口県萩市 |
国指定史跡・萩城下町は、菊屋横丁、伊勢屋横丁、江戸屋横丁、呉服町すじなどの道があり、江戸時代の地図が使えるといわれるほど当時の街並みがそのまま残されている。 |
白壁の菊屋横丁春の雨 |
しらかべの きくやよこちょう はるのあめ |
A spring rain,
Kikuya alley
of white walls. |
|
純白の海鼠(なまこ)壁の土蔵や土塀、武家屋敷、町屋などを見るにつけ、明治維新の立役者たちを多数輩出したかつての栄華が偲ばれる。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
島根県鹿足郡津和野町 |
津和野路や稲成鳥居の花の雨 |
つわのじや いなりとりいの はなのあめ |
Paths in the province of Tsuwano,
a rain on the cherry blossoms
at Inari-torii. |
津和野川が流れる津和野盆地を見下ろす山上にある太皷谷稲成神社は、産業発展、願望成就の大神として代々津和野城主の崇敬厚く、四季を問わず参拝者を集めている。 |
|
|
|
|
正月には数十万人が訪れるという。全国4万社ある稲荷神社の中で「稲成」と書くのはここ一社だけで珍しい。津和野のシンボルともいえるこの神社の参道には、トンネルのように連なる朱塗りの鳥居があり、千本鳥居と呼ばれている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
江戸っ子!三社祭 |
|
淺草神社 |
東京都台東区浅草 |
平成18年(2006)5月19日(金)〜21日(日) |
|
|
|
|
|
|
観音に差し上ぐ神輿江戸ふどし |
かんのんに さしあぐみこし えどふどし |
A portable shrine
raised up
for Kannon,
the loincloths of Edo. |
|
淺草神社の祭礼・三社祭は、氏子44ヵ町と浅草組合(あさくさくみあい)で構成される淺草神社奉賛会の主催により、毎年5月17・18日に近い金・土・日に行われる。平成18年(2006)は5月19・20・21日に催行された。(撮影:志村清貴) |
観音を背負ふ江戸っ子三社祭 |
かんのんを せおうえどっこ さんじゃさい |
Sanja festival, a traditional Tokyoite
carrying Kannon*on his back.
*Kannon : the Goddess of Mercy |
|
|
|
三社(さんじゃ)様・三社権現の名で親しまれる淺草神社は、淺草寺観音堂(本堂)正面から東60mに鳥居があり、その奥に拝殿がある。祭神は隅田川で観音像をすくい上げた檜前浜成(ひのくまのはまなり)・竹成(たけなり)の兄弟とその像を小堂に奉安した土師真中知(はじのまつち)である。 |
5月20日(土)は絶好の晴天に恵まれ、町神輿の連合渡御が行われた。正午までに〈西部16町会〉〈南部16町会〉〈東部12町会〉の合計44ヵ町から107基の神輿が観音裏広場に集合した。これだけ多くの神輿が一同に会するのは壮観の一語に尽きる。 |
|
また、少なくとも170団体以上の睦会(むつみかい 同好会)が全国から集まり、各町会の半纏を借りるなどして地元の氏子たちと共に神輿を担ぐ。三社祭の担ぎ手は、三日間で、総勢3万人以上になると推計されている。 |
夜渡の三社神輿や白ふどし |
よわたりの さんじゃみこしや しろふどし |
A Sanja portable shrine
in the gathering dusk,
Each wearing white fudoshi. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
海上保安庁観閲式 |
平成18年(2006)5月28日(日) |
|
5月27日(土)28日(日)の両日、東京湾羽田沖で巡視船艇71隻、航空機20機のほか、警察、税関、消防、海上自衛隊、米国沿岸警備隊(USCG)の艦船が参加して、海上保安庁恒例の「観閲式及び総合訓練」が実施された。 |
|
夏の海富士山頂によう候 |
なつのうみ ふじさんちょうに ようそろう |
The sea of Summer,
steady
for the peak
of Mt. Fuji. |
|
夏衣デッキに並ぶ挙手の礼 |
Summer uniforms, salute on the deck. |
|
|
|
|
|
五月晴白一色の単縦陣 |
Fine weather in May,
white boats marching
in file. |
伊藤英明・加藤あい主演の海猿(うみざる)効果で、海上保安庁や海上保安官の名が社会の隅々まで知れ渡ったためか、見学希望者が多く、幸運にも観閲船隊4隻の乗船券を手に入れることができた観客は、二日間で八千人(招待六千人・公募二千人)を数えた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
スイス夏の旅 |
平成18年(2006)7月7日(金)〜7月16日(日) |
|
2006年7月、家内と二人で阪神航空のツアー「ワンダフルスイス10日間」に参加し、スイスを旅した。ツアー参加者は28名。実質7日間のツアーは好天に恵まれ、1年で最も美しい夏のスイスの旅を満喫した。 |
|
山炎ゆるアルペンローゼの川向かふ |
The mountain of alpine roses
burning crimson,
on the other side of the river. |
|
ツアー3日目、レーティッシュ鉄道 Rhätische Bahn (RhB)サンモリッツ駅に行き、氷河特急ファーストクラスのパノラマ車両に乗り、アンデルマットまで5時間の鉄道の旅を楽しんだ。 |
|
|
|
|
|
|
カウベルのやはらかき音夏山路 |
A mountain path in summer,
Gentle sounds of cow bells. |
|
ツアー4日目の7月10日(月)、朝早く起きると、部屋のベランダからマッターホルンのモルゲンロート(朝焼)が見えた。翌日もモルゲンロートを観察することができたので、ラッキーだった。 |
朝焼くるマッターホルンを見上げをり |
I'm looking up
the morning glow
of Matterhorn. |
|
雪渓の連山空を深うする |
The mountain ranges
with snow valleys,
deepening the sky. |
|
|
|
|
|
|
|
アルプスの岩山宿す夏の湖 |
あるぷすの いわやまやどす なつのうみ |
The rocky mountain
reflected in the summer lake
of Alps. |
|
GGB ゴルナーグラート駅から下りの電車に乗り、ローテンボーデン Rotenboden で下車して、リッフェルベルク Riffelberg までの一区間を1時間半かけて歩くトレッキングを楽しんだ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
マッターホルンの登山基地として発展してきたツェルマット は、スイス・アルプスの谷間を北流するマッターフィスパ川 Matter Vispa に沿って開けた標高1,620m、人口3,700人ほどの細長い村である。 |
夏山路エーデルワイスの綿毛かな |
あるぷすの いわやまやどす なつのうみ |
The path
on the summer mountain,
The fuzz
on a edelweiss. |
|
アルペンローゼとエンツィアンと共にアルプス三大名花の一つに数えられるエーデルワイスは、スイスの国花である。でも自生しているのを見るのは困難なほど減少している。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
アルプスの針峰黒き大雪渓 |
Black steep peaks
of Alps,
the big valley
covered with snow. |
|
笠雲や夏の峰白きモンブラン |
A cap cloud, the white peak
of summer Mont Blanc. |
|
眩しきはユングフラウの夏の峰 |
Dazzling
is the summer peak
of Jungfrau. |
|
アイガーの朝焼の峰旅の宿 |
Hotels for travelers,
the morning glow
of the top of Eiger. |
|
|
|
|
|
|
|
|
車内でおにぎり弁当を食べながら車窓の素晴らしい景観に見とれていると、ヴェンゲン Wengen を通過して間もなく、電車は深い谷を下りはじめた。長さ300mもあるシュタウプバッハの滝 Staubbach-fäll が見え、ラウターブルンネンの村が谷底にあった。 |
谷底のふんどし村や滝の音 |
A sash-like village
on the bottom of a gorge,
a sound of a waterfall. |
|
ヨーデルの宴の続く夏の夜半 |
Yodel dinner show,
lasting
in the middle
of summer night. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
目指せ!ヘルンリ・ヒュッテ |
平成18年(2006)7月28日(金)〜8月7日(月) |
|
前年にスイスアルプスに位置するアラリンホルンに登頂したことから、もう一度マッターホルンを間近に見たいとの思いで、マッターホルンの中腹に位置するヘルンリ・ヒュッテ(ヘルンリ小屋)までの登山を計画した。(撮影:沖本陽子) |
|
見あぐればピッツ・ベルニナ夏氷河 |
みあぐれば ぴっつべるにな なつひょうが |
The summer glacier,
looking up at Piz Bernina. |
|
夏氷河主峰がつまの昼餉かな |
なつひょうが しゅほうがつまの ひるげかな |
The summer glacier, eating lunch |
with a garnish of the highest peak. |
|
|
|
|
|
アルプスの白蛇の如き夏氷河 |
あるぷすの はくじゃのごとき なつひょうが |
The summer glacier,
like a white snake of the Alps. |
|
クレバスの虎口を渡る夏氷河 |
くればすの ここうをわたる なつひょうが |
The summer glacier,
passing by the tiger mouth. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
これまでに500人を超える命を奪ってきたマッターホルンは、これからも山を愛する者たちが目指す巨人として君臨し続けることだろう。 |
雲を吐くマッターホルン夏の天 |
The summer sky,
Matterhorn emitting a cloud. |
|
磐梯山と猪苗代湖に挟まれた猪苗代町に野口英世記念館がある。明治9年(1876)11月9日に生まれて上京するまでの19年間を過ごした生家は、建てられて200年近く経った今も当時の姿が保たれている。 |
いざ行かむヘルンリ・ヒュッテ夏の嶺 |
The summer ridge,
Let's go to Höornli Hütte. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
重陽の烏相撲 |
平成18年(2006)9月9日(土) |
京都府京都市北区 上賀茂神社 |
|
カアコオと烏鳴きたる宮相撲 |
かあこおと からすなきたる みやずもう |
Sumo matches
of a Shinto ritual,
the cawing of crows
kaa-koo. |
|
立砂や相撲ふ童子の白褌 |
たてずなや すまうどうじの しろふどし |
A pear of sand cones,
white fundoshi sash
of sumo children wrestling. |
|
|
|
|
|
|
2006年9月9日(土)京都府京都市北区に鎮座する上賀茂神社(かもがもじんじゃ)で烏相撲(からすずもう)が開催された。上賀茂神社は、正式名を賀茂別雷神社(かもわけ・いかづちじんじゃ)といい、平成6年(1994)に「古都京都の文化財」として他の寺社と共に世界文化遺産に登録された。祭神は賀茂別雷大神(かもわけ・いかづちのおおかみ)という。 |
9月9日を重陽(ちょうよう)というのは、九は陽の数で、月と日が重なるため。午前10時から上賀茂神社本殿で斎王代(さいおうだい)や相撲童子(すもうどうじ)32名ら関係者が出席し、菊花を献じて無病息災を祈願する重陽神事が斉行され、午前11時頃から細殿(ほそどの)南庭で、相撲童子による烏相撲が奉納され、斎王代が上覧した。 |
|
|
|
|
|
|
少年のふぐり見えもす宮相撲 |
Sumo matches
of a Shinto ritual,
a boy's pouch of skin
appears by chance. |
|
菊酒のかほり仄かに賀茂神社 |
Kamo shrine, faint scent
of chrysanthemum sake
in the air. |
|
境内では重陽の節句にちなんで、無料の菊酒が振る舞われた。葵の文様が刻み込まれた酒器には、黄菊(きぎく)が漬け込まれた御神酒(おみき)が入っており、若くてハンサムな神官が一人づつ盃に清酒を注いでくれた。口に含むと仄かな菊の香りがあり、秋の気配を感じた。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
浦祭母が米壽の祝島 |
うらまつり ははがべいじゅの いわいしま |
A fishing village festival,
celebrating
mother's eighty-eighth birthday
at Celebration Island. |
|
この三連休を利用して、家内の母の米寿を祝うため、家内の実家のある広島県呉市に旅し、子や孫が大崎上島(おおさきかみじま)の木江(きのえ)にあるきのえ温泉「ホテル清風館」に一泊して長寿を祝った。 |
平成18年(2006)10月7日(土) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
戦艦大和の故郷 |
広島県呉市 |
平成18年(2006)10月8日(日) |
|
家内の母の88歳の米寿祝いに戦艦「大和」が建造された広島県呉市に旅した。 |
|
洋館の講堂残る島の秋 |
A Western-style auditorium
still remains
in the island of autumn. |
|
|
|
|
|
天然の良港である呉港は、古くは村上水軍の一派が根城にしていたが、明治以降、呉鎮守府(くれ・ちんじゅふ)が置かれ、戦後はその跡地に呉地方総監部が設置されて、海上自衛隊の艦艇や潜水艦の基地として知られる。 |
呉市は第二次世界大戦中は、帝国海軍の重要拠点として40万人を越える人口を擁し、日本十大都市のひとつに数えられる繁栄を誇った。その頃、呉海軍工廠(くれ・かいぐんこうしょう)(海軍直轄の工場)で秘密裏に建造された世界一の大艦巨砲を誇る戦艦が「大和」であった。 |
|
|
|
|
江田島に木霊す喇叭秋の天 |
The sounds of a bugle
echoing
high in the autumnal sky
at Etajima island. |
|
行く秋や菊のご紋の艦首かな |
Late autumn, the Imperial crest
of a chrysanthemum
on the bow. |
|
回天に涙す世代秋彼岸 |
Autumnal equinoctial week, the generation
shed tears
to see a suicide torpedo. |
|
秋の潮潜水艦の巨体かな |
Autumnal tide,
a huge body
of the submarine. |
|
|
|
|
|
|
呉市が経営する大和ミュージアムは、正式名を「呉市海事歴史科学館」といい、明治以降軍港として栄えた呉の歴史や基幹となった製鋼や造船などの科学技術を展示することを目的に、日露戦争の日本海海戦から100年目、太平洋戦争終戦60年目に当たる平成17年(2005)4月23日に開館した。 |
|
|
大和ミュージアムの最大の目玉は、呉で建造された戦艦「大和」の十分の一模型である。開館から385日目の2006年7月1日に来館200万人目を迎える盛況で、8月30日現在で224万人、平成18年度来館者数もすでに50万人を突破し、63万人となっている。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
日本の野鳥を撮る旅 |
平成18年(2006)10月29日(木) |
横浜市戸塚区舞岡公園 |
|
柿メジロと呼ばれる組み合わせだが、なかなか姿勢が掴みにくく、1時間かかって漸(ようや)く撮影できた。(撮影:横山 稔) |
|
柿ひとつ目白が餌となりにけり |
かきひとつ めじろがえさと なりにけり |
A persimmon
finally pecked
by a white-eye. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
若宮八幡裸祭り |
|
若宮八幡神社 |
大分県豊後高田市 |
平成18年(2006)11月3日(金) |
|
|
|
|
|
豊後高田市裸祭り保存会が主催する若宮八幡神社裸祭りは、正式には「若宮八幡神社秋季大祭/裸祭り」といい、「御神幸の川渡し」とも呼ばれる。永保4年(1084)に荒行のひとつとして始められたといわれ、今年で923回目となる。 |
|
褌(ふんどし)をキリリと締め込んだ輿丁(よちょう)と呼ばれる担ぎ手たちが宮神輿を担いで桂川を渡り、本宮(もとみや)から下宮(しもみや)へ渡御(お下り)して二泊した後、下宮から本宮へ還御(お上り)する夜の川渡し神事である。毎年旧歴10月14、15、16日の最も近い金・土・日に行われる。 |
|
篝火を縫ひて神輿の川渡る |
The portable shrine
crosses the river
threading the way
through the bonfires. |
|
輿丁らの揃ひの白褌川神輿 |
よちょうらの そろいのびゃっこん かわみこし |
The portable shrine at the river,
white fundoshi loincloth
the uniform of the carriers. |
|
川渡の滴るふどし秋夕べ |
かわたりの したたるふどし あきゆうべ |
Autumn evening, their loincloth
dripping
by the river crossing. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
霧の桂林紀行 |
平成18年(2006)11月16日(木)〜19日(日) |
|
2006年の秋、家内と共にクラブツーリズムのツアーに参加し、山水画で有名な中国の桂林( けいりん Guilin )に旅した。成田から広東省の省都・広州まで空路5時間(復路は4時間)、広州から桂林まで空路1時間。3日間連泊し、じっくりと霧の桂林を堪能することができた。 |
|
竹舟に糊口を漱ぐ秋の河 |
Autumn river, they are earning
their daily bread
on a bamboo raft. |
|
墨客の描きし奇峰霧の中 |
The mist lay over
the strange hills
painted by experts in ink drawing. |
|
|
|
|
|
|
|
漓江船奇山竹舟五里霧中 |
Riko river boats,
strange hills and bamboo
boats
enveloped in the mist for ten miles. |
|
行く河の霧の彼方に我もまた |
The river flows
over the mist, so do I. |
|
桂林や久遠の流れ霧襖 |
Keirin, never ending flow
through the fog curtain. |
|
|
|
|
|
|
|
霧時雨漓江に遊ぶ竹筏 |
きりしぐれ りこうにあそぶ たけいかだ |
Misty shower in late autumn,
the bamboo rafts
floating on Riko river. |
|
漓江は、ゆるやかなときを刻みながら悠久の流れを絶やすことがない。桂林の地に豊かな恵みをもたらし、少数民族の日々の暮らしを支え、独自の文化を育んできた。 |
桂林の奇山果てなし桂花 |
けいりんの きざんはてなし かつらばな |
Flowers of fragrant olives,
boundless hills of strange
at Keirin. |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
山水を包み込む煙霧や朦朧とした霧雨は、清らかな水となってこの地に潤いをもたらし、世俗を超越した旅情や感性をかき立ててくれる。 |
鵜飼火や湖に棹さす竹筏 |
うかいびや うみにさおさす たけいかだ |
The lanterns of cormorant fishing,
a man managing a bamboo raft
with a pole on the lake. |
|
竹排(ツーパイ)(竹筏)に乗った鵜匠が鵜を操って鵜飼を披露してくれた。日本とは違って、鵜にはロープがついておらず、魚を捕らえると舟に戻ってくるように訓練されている。 |
川鵜の首にはロープの代わりに獲物を飲み込まないように紐が巻かれている。舳先のランプは、昔夜店で懐かしいカーバイトランプ。 |
|
|
|
|
|
|
|
|