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平成16年(2004) |
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52句 累計:110 |
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寒中神輿錬成会 |
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江ノ島寒中神輿錬成会 |
神奈川県藤沢市 |
平成16年(2004)1月18日(日) |
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正月や大人になりて初褌 |
しょうがつや おとなになりて はつふどし |
The New Year, the twenty-year-old man wearing loincloth for the first time. |
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午前11時から神奈川県藤沢市江ノ島片瀬海岸東浜で第23回江ノ島寒中神輿錬成会が開催された。江ノ島寒中神輿錬成会は、神社の祭礼ではなく、藤沢鎌倉神輿連合会(山口昌明会長)が主催する新成人を祝う祭典で、神輿愛好者約300人による年に一度の大会である。 |
明の春十人十色の褌かな |
あけのはる じゅうにんといろの ふどしかな |
Early spring, So many men, so many loincloths. |
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寒中神輿錬成会の担ぎ手は、みんな六尺褌を締めている。 神事の海中渡御であれば、白褌でなければならないが、このイベントは神事ではないため、このようなカラフルな褌ルックが実現した。 男たちは、各々気に入った褌を締め、しっかりと自己主張していた。 |
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雪の白川郷 |
岐阜県大野郡白川村 平成16年(2004)2月6日(金) |
2004年2月6日(金)、家内と共に日本唯一の人の現住する世界遺産を見に白川郷(しらかわごう)に出かけた。白川郷は岐阜県の北西部にある。 |
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振り向けば雪の切れ目に合掌屋 |
Turning toward wooden houses with a steep rafter roof,
through the break in the snow. |
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白川郷のライトアップは非常に人気がある。この日も大勢の |
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観光客が見学に訪れていた。大雪のため、展望台からはライトアップは見えなかったが、坂を下りる途中、奇跡的にお伽の国のような白川郷が見えた。 |
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寒の荒行 |
神奈川県鎌倉市 平成16年(2004)2月11日(水) |
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2月11日、鎌倉の長勝寺・寒の荒行を見に行った。荒行僧たちは全部で23人。100日間に及ぶ過酷な荒行を終え、最後の水行を行った後、出身寺院に帰るという。 |
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寒の空水行僧の褌の白 |
かんのそら すいぎょうそうの こんのしろ
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Sky
of the coldest seazon,
White of the loincloth
the buddist bathing.
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多摩川の細き流れや枯葎 |
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たまがわの ほそきながれや かれむぐら |
Dry grass,
the narrow stream of Tama river. |
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枯葎:冬の季語。夏に繁殖した雑草も冬は見る影もなく枯れ果てる。普通、枯葎は冬の枯れ果てた雑草をいうが、金葎という植物の枯れたものをいうこともある。ここでは一般の用例。 |
我が家のベランダから見える多摩川の冬分は水量が少ない。枯葎と同様に、細く、緩やかで、ひっそりと寂しい。 |
東京都青梅市 平成16年(2004)2月15日(日) |
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和良比はだか祭り |
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皇産霊神社 |
千葉県四街道市和良比 |
平成16年(2004)2月25日(水) |
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平成16年(2004)2月25日(水)千葉県四街道(よつかいどう)市和良比(わらび)に鎮座する皇産霊(みむすび)神社で裸祭りが行われた。東京駅から四街道駅までJR総武線快速で40分。南口から徒歩15分で皇産霊神社に着く。 もとは大六天神社(第六天神社)であったが、明治の神仏分離により、この地区の吉祥院にあった皇産霊神社を合祀したもので、現在は皇産霊神社と呼ばれる。 |
空映す泥田に春の兆あり |
Signs
of spring at muddy rice fields reflecting the sky.
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午前11時から社殿で「祭礼の儀」と呼ばれる式典が始まった。神主によるお祓いや祝詞奏上(のりとそうじょう)などの後、11時半から「直会の儀(なおらいのぎ)」に移り、氏子関係者が社務所で腹ごしらえをしたあと、午後1時から「和良比はだか祭り」の本番が始まった。 |
春田晴褌締めて騎馬合戦 |
Fine day at spring rice field,
playing at cavalry battles
wearing loincloth. |
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和良比はだか祭りは、江戸末期から行われている伝統行事で、四街道のどろんこ祭りとも呼ばれる。ふんどし姿の男衆が五穀豊穣と子供たちの健やかな成長を祈って赤ん坊の顔に水田の泥を塗ったり、騎馬戦や泥の掛け合いを行う文字通りの泥だらけの祭りである。もともと旧暦の3月25日に行っていたものが、1ヶ月繰り上がって、毎年2月25日に行われている。 |
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平成16年(2004)3月14日(第2日曜日)、東京都八王子市高尾町で開かれた高尾山薬王院による大火渡り祭を見に行った。京王線・新宿駅から高尾山口(たかおさんぐち)駅まで約50分で到着。駅を出て左、道路沿いに5分ほど歩けば、会場の薬王院祈祷殿広場に着く。日頃見慣れない山伏姿の僧侶による迫力ある火焔の荒行を見学できたお陰で、密教と修験道の生きた体験ができた。 |
春の山火渡祭の法螺一斉 |
Blowing
together
on a conch shell at fire walking asceticism in a spring mountain. |
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薬王院は高尾山上にあって、正式には高尾山薬王院有喜寺(ゆうきじ)といい、弘法大師空海(こうぼうだいし・くうかい)が開いた真言宗(しんごんしゅう)の智山派(ちざんは)の大本山である。天狗で知られる薬王院は、関東屈指の霊山として多くの信者や観光客、ハイカーなどで四季を通じて賑わいをみせる。 |
高尾山薬王院は、奈良の大仏を建立した聖武(しょうむ)天皇の勅命により、行基(ぎょうき)によって奈良時代の8世紀半ばに創建されたとされる。行基が薬師如来を刻んで本尊として安置したことから、薬王院の名がつけられたという。その後、空海が高尾山で祈祷をささげ、不動明王像を刻んで安置した。やがて、当寺は真言宗智山派の大本山となり、成田山新勝寺(なりたさん・しんしょうじ)、川崎大師平間寺(かわさきだいし・へいけんじ)とともに、関東の三大本山として知られるようになった。 |
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吉野梅郷 |
東京都青梅市 平成16年(2004)3月14日(日) |
穏やかな晴天のなか、満開を迎えた吉野梅郷(よしのばいごう)の梅の花を見に行った。吉野梅郷は、東京の奥座敷と呼ばれる秩父多摩甲斐国立公園の玄関口にあり、JR青梅線・日向和田(ひなたわだ)駅から二俣尾(ふたまたお)駅に至る多摩川右岸(南側)の東西4kmに広がる地域である。 |
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一山を咲き上りたる梅の花 |
Plum
blossoms spreading
over the whole mountain
up to the top.
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吉野街道が走るこの地域は、青梅市の「梅の公園」をはじめ、地元農家の梅園や吉川英治記念館などが点在し、200品種約25,000本の梅の木が紅白の花をつけ、ほのかな香りを漂わせる関東一の梅の里である。
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そよ風に散る白梅やたいこ橋 |
White plum blossoms falling by a gentle breeze
at the arched bridge.
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毎年3月1日から31日まで「梅祭り」が開かれ、露店などが出て連日賑わいを見せる。期間中の土・日・祝日には色々な催しがあり、観梅客がどっと押し寄せる。 |
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吉野梅郷の中心地・青梅市「梅の公園」は、山の斜面を利用した4.5haの敷地に120種1,500本の梅の木が植えられている。周辺には都立天満(てんま)公園や民営の梅園、果実栽培用の梅畑が広がっている。
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鎌倉まつり |
神奈川県鎌倉市 平成16年(2004)4月11日(日) |
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緋袴の静の舞や春の色 |
ひばかまの しずかのまいや はるのいろ |
Shizuka's dance
of deep red hakama
spreading
spring atomosphere. |
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花の香や神前に舞ふ白拍子
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はなのかや しんぜんにまう しらびょうし |
A classic dancer dancing in front of Shinto gods,
fragnant with cherry brossoms. |
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第46回鎌倉まつりを見に行った。JR新宿駅から新宿湘南ラインを利用すれば、約1時間で鎌倉駅に着く。11日は、鎌倉大仏を見学したあと、午後から鶴岡八幡宮に行った。 |
午後3時から鶴岡八幡宮・舞殿(まいでん)で鎌倉まつり初日のフィナーレとなる静の舞が鎌倉観光協会より奉納された。今年の演者は、藤間流の藤間寿美霞(ふじますみか)さんで、当時の衣装を忠実に再現した装束で現れ、艶やかで美しい舞を披露し、観客を魅了した。 |
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流鏑馬の鏑矢の音風光る |
やぶさめの かぶらやのおと かぜひかる |
An arrow of
archery on horseback
whistling,
A wind of spring
glistening. |
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4月18日(日)、「鎌倉まつり」のフィナーレを飾る「流鏑馬(やぶさめ)」が鶴岡八幡宮の馬場で行われた。 |
今年は武田流の流鏑馬だった。腰を浮かして乗るので、馬の上下動が伝わらずに、うまく的を射ることができる。これほどの古式ゆかしい装束で800年前と変わらぬ流鏑馬が続いているのは、全国的にも珍しいという。 |
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塩船観音の躑躅
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平成16年(2004)4月28日(土) |
東京都青梅市の塩船観音は、ツツジで有名な古刹である。毎年4月中旬から5月中旬にかけて「つつじ祭り」が催される。 |
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鐘の音を聞きつ躑躅の小径かな |
A path of azaleas, the sounds of a temple bell. |
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約15種類17,000本のツツジが摺り鉢状の境内に早咲き・中咲き・遅咲きと順に開花し、4月下旬から5月のゴールデンウィークにかけてピークを迎える。 |
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秩父・芝桜の丘 |
平成16年(2004)4月30日(金)
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秩父羊山(ちちぶ・ひつじやま)公園にある芝桜の丘は、埼玉県秩父市の武甲山(ぶこうさん)のふもとにある。 |
秩父のシンボル・武甲山(1,295m)は、市街地の南にそびえる名山で、秩父地方の人々にはなじみ深い山で、信仰の山でもある。関東百山にもその名が見える。 |
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秩父路や野山の奥の芝桜 |
Country Chichibu,
Moss phlox blooming broadly
on the inner part of
the fields and mountains. |
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田園風景を楽しみながら芝桜の丘に着くと、一面カラフルな芝桜の畑が目に飛び込んできた。羊山公園の南側にある芝桜の丘には11,700m2の畑地に
、9種類約245,000株の芝桜が植えられている。 |
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青梅大祭 |
平成16年(2004)5月3日(月)
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ゴールデンウィークの5月3日(月/祝)、東京都青梅市の旧青梅市街地で住吉神社例大祭が開かれた。地元では青梅大祭といい、青梅で一番盛大な祭りである。 |
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競ひ合ふ狐ひょっとこ山車の上 |
A fox competing with
a hyottoko the clown
on the floats. |
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夏祭猿と戯る大五郎 |
Daigoro the kid
playing with a monkey at
the summer festival. |
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三社祭 |
平成16年(2004)5月15日(土) |
東京三大祭りのひとつ 東京都台東区浅草で三社祭の町神輿連合渡御が催された。晴天に恵まれ、初夏の陽気の中で大いに盛り上がった。 |
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江戸子のセイヤで担ぐ大神輿 |
Big portable shrine,
rising on their shoulders
at the shout of "seiya!"
by traditional Tokyoite. |
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浅草神社では法被を着ていた氏子も、浅草寺の境内に入ると、法被を脱ぎ、褌一丁で気勢を上げる神輿もみられた。 |
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江戸子の白ふんどしや夏祭 |
Summer festival,
A traditional Tokyoite of white loincloth. |
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祭り衣装は、股引が大半となっているが、股引をはかない人たちもいる。中には写真のように、半纏を尻端折りして堂々と褌姿をアピールしている人たちも目につく。 |
三社祭自慢の褌尻端折 |
さんじゃさい じまんのふどし しりはしょり |
Sanja festival,
a guy of loincloth, proudly tucking up his kimono. |
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おしぐらんご |
平成16年(2004)6月20日(日) |
岡山県笠岡市の「おしぐらんご」は、源平合戦の舟戦を起源とし、約800年前から伝わる伝統行事である。白幟(しろのぼり)の源氏と赤幟(あかのぼり)の平家の二手に分かれ、それぞれ紅白の幟を立てた四丁櫓の和船に各々紅白の褌を締めた裸形の男たちが乗り込み、海水を掛け合いながら速さを競う勇壮な祭りである。 (撮影:ちばあきお) |
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夏の海今に伝わる舟戦 |
なつのうみ いまにつたわる ふないくさ |
Traditional boat battle
on the summer sea. |
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地域に根付く伝統的な祭りの継承が危ぶまれている昨今、この「おしぐらんご」が笠岡独自の魅力として、途絶えることなく代々受け継がれて、後世に残っていって欲しいものである。 |
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江ノ島天王祭 |
平成16年(2004)7月11日(日) |
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今日午前中晴天に恵まれ、神奈川県藤沢市の江ノ島で八坂神社の天王祭が開かれた。午前9時半から江島神社辺津宮(えのしまじんじゃ・へつのみや)の境内で、式典が行われた後、狭い石段や参道を下り、江の島ヨットハーバーの北西にある公園の特設スロープから入水。30分ほどであったが、江の島大橋の東側海域で神輿の海中渡御が行われた。 |
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江ノ島のどっこい神輿褌の白 |
えのしまの どっこいみこし こんのしろ |
White is the fundoshi-loincloths,
Dokkoi mikoshi of Enoshima island. |
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波の間に浮きつ沈みつ夏祓 |
Summer purification
drifting up and down on the waves. |
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群青の海に入りたる神輿かな |
A portable shrine
goes
into the deep blue sea. |
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しおぬきの しみずにけぶる みこしかな |
The portable shrine looks dim
in the fresh water washing seawater away. |
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博多祇園山笠 |
平成16年(2004)7月14日(水) |
福岡県福岡市博多の夏を告げる博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)が開かれた。昭和54年(1979)に国から重要無形民族文化財の指定を受けたこの夏祭は、櫛田神社の祇園例大祭で、760年の歴史を持つ。(撮影:ちばあきお 大庭靖雄) |
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益荒男や山笠清道を駆け抜けり |
ますらおや やませいどうを かけぬけり |
Brave men ran
through
the purified road
with a yama
on their shoulders. |
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山笠を舁く赤銅色の赤手拭 |
やまかさを かくしゃくどういろの あかてのごい |
Sun-tanned akatenogoies*
carrying a yama
on their shoulders. |
*
main force of carriers |
博多祇園山笠の凄さは、何といっても締め込みと呼ばれる褌の着用を徹底しているところにある。一人の例外もなく、女の子までが褌姿で街を闊歩しているのには驚く。 |
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ブライトホルン登頂の旅 |
平成16年(2004)7月23日〜8月1日 |
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夫婦揃って郵船トラベルの「夢のブライトホルン登頂チャレンジ10日間」に参加した。ツアー4日目にツェルマットに入り、ブライトホルンの登頂を挟んで、ツェルマットに3泊、モンテ・ローザ・ヒュッテに1泊して、マッターホルン周辺の登山やハイキングを堪能した。(撮影:沖本陽子) |
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アイゼンのクレバス越えや夏山路 |
あいぜんの くればすごえや なつやまじ |
Summer mountain path,
going beyond the crevasses
with climbing spikes. |
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夏の朝マッターホルンの赤嶺かな |
なつのあさ まったーほるんの あかねかな |
Summer morning,
the red peak of the Matterhorn. |
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夏空に真白き巨峰モンブラン |
なつぞらに ましろききょほう モンブラン |
Mont Blanc the great peak,
pure white to the summer sky. |
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夏山路エーデルワイスに出会う旅 |
なつやまじ エーデルワイスに であうたび |
Summer mountain path,
a journey to meet an edelweiss. |
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梵鐘のひとつ鳴りたる蓮の池 |
ぼんしょうの ひとつなりたる はすのいけ |
Temple bell
tolls once
at
the lotus pond. |
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鶴岡八幡宮の源平池は、正面の太鼓橋から左右に広がる池。 頼朝の勝利を祈って、妻の政子が造らせたといわれる。 |
かつて政子が東の池に源氏の白旗を表す白蓮を、西の池に平家の 赤旗を表す紅蓮を植えたのでこの名がついたという。 |
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神奈川県鎌倉市
平成16年(2004)8月3日(火) |
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軽井沢の夏 |
長野県北佐久郡軽井沢町 平成16年(2004)8月10日(火)
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JR軽井沢駅から草津行きの草軽交通バスに乗ると25分ほどで白糸の滝に着く。湯川の水源に当たるこの滝は、高さ3m、幅70mの苔むした岩肌を数百条もの清水が白糸のように落下し、清楚でとても美しい。日光が当たると絹糸のような煌めきを放つ。水は透明度が高く、冷たくて気持ちが良い。 |
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白糸や滝の飛沫の中に居る |
しらいとや たきのしぶきの なかにいる |
Being
in the spray
of Shiraito falls. |
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JR軽井沢駅周辺や旧軽井沢、新軽井沢などの目抜き通りを外れると、あとは森そのものであり、ホテルやペンション、民家や別荘などは鬱蒼と茂った木々の中にある。 |
揺籃の杜より出ずる草清水 |
ようらんの もりよりいずる くさしみず |
Clear water is springing out
from the forest of the cradle. |
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軽鴨のまどろむ池の木陰かな |
かるがもの まどろむいけの こかげかな |
A spot-billed duck dozing off
in the shade of a tree
by the pond. |
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浅間山鬼押出し |
長野県 平成16年(2004)8月12日(木) |
軽井沢からバスで鬼押し出しに行った。目の前に浅間山の噴煙がモクモクとあがり、夏雲のようだった。軽井沢の北西に位置する浅間山は長野県北佐久郡と群馬県吾妻郡にまたがる標高2,560mの複式活火山で、数千年前に火口が形成されて噴火を繰り返し、山頂部の釜山は現在も活動中である。 |
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噴煙の夏雲のごと浅間山 |
The thick smoke
rising from Mt. Asama
looks like summer clouds. |
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夏の北アルプス縦走 |
平成16年(2004)8月12日(木) |
北アルプスは、日本アルプスの主部で、日本海沿岸の親不知(おやしらず)付近から急激に高度を増し、新潟、富山、長野、岐阜の4県にまたがって続く大山脈である。南北の延長約70km、東西の幅約25kmで、標高は奥穂高岳の3,190mを最高に3,000m級の峰が並ぶ。昭和9年(1934)、中部山岳国立公園に指定された。(撮影:青木憲一) |
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夏夕日赤壁の槍天を突く |
The summer sun
setting low
under the sky,
the red cliff of Mt. YARI
reaching high
in the sky. |
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アルピニスト憧れの槍ヶ岳に初めて登頂したのは、江戸末期の山岳修行僧・播隆上人(ばんりゅうしょうにん 1786-1840)で、ウインパーのマッターホルン初登頂より37年も前の文政11年(1828)の夏だったという。その後、槍ヶ岳に登った英国人ガウランドが山頂からの景観を「ジャパニーズ・アルプス」と命名。この名称は、やがて明治25年(1892)に登頂した英国人ウエストンによって世界に広められ、Mt. YARI の存在が世界の登山家に知られるようになった。 |
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大姑娘山の花園
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中国 平成16年(2004)8月25日(水) |
標高5,025mの大姑娘山(タークーニャン)は、中国四川省の省都成都(チェンドゥ)から北西200kmのアパ・チベット族自治州にある四姑娘連山(スークーニャン
シャン)の端に位置する。 登頂には、アイゼンやピッケルなどの装備や特殊な技術を必要としないが、キャンプ地を標高の高い位置に移して登頂する方法をとるので、遠征隊の気分が味わえる。(撮影:南光 優) |
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翠巒の虞美人草や空の青 |
すいらんの ぐびじんそうや そらのあお |
Field poppies
on the green mountains, blue of the sky. |
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幽谷の岩陰ひとつ薄雪草 |
ゆうこくの いわかげひとつ うすゆきそう |
An edelweiss
beside the lonely rock
in a deep valley. |
高度を上げて行くにしたがってスイスの高山で撮ったエーデルワイスとそっくりな綿毛のふっくらとした薄雪草(エーデルワイス)が見られるようになった。 |
エーデルワイスの花言葉は「気高く毅然とした勇気」「純潔と不死」。スイスの国花であり、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」中の曲名としても知られる。 |
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霧の上高地 |
長野県 平成16年(2004)9月10日(金) |
立川からクラブツーリズム(株)による上高地日帰りバスツアーに参加した。八王子インターから中央道に入り、長野道を経て一般道に下り、沢渡(さわんど)、中の湯、釜トンネルを経て、上高地に入った。 |
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秋の池立ち枯れし木の影長し |
The autumn
pond,
the shadow
of the standing trees blighted
lays long
on the water. |
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黙々と猿の頬張る秋薊 |
もくもくと さるのほおばる あきあざみ |
A monkey fills
his mouth
with thistles
in silence. |
中部山岳国立公園にある上高地は、長野県北西部、南安曇郡(みなみあずみぐん)安曇村(あずみむら)にあり、特別名勝、特別天然記念物に指定された景勝地である。 |
穂高(ほたか)連峰や焼岳(やけだけ)、霞沢岳(かすみさわだけ)に囲まれ、槍ヶ岳(やりがたけ)を源流とする梓川(あずさがわ)に沿って標高1,500m、長さ16km、幅500mほどの細長い盆地が続く。 |
田代橋付近の森の中でニホンザルに出会った。子猿が一匹遊んでいる姿が何とも可愛い。 |
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巾着田の曼珠沙華 |
埼玉県日高市 平成16年(2004)9月19日( 日) |
家内とともに巾着田(きんちゃくだ)の曼珠沙華(まんじゅしゃげ
彼岸花)を見に行った。西武池袋線池袋駅から西武秩父(ちちぶ)線高麗(こま)駅まで特急で45分。そこから歩いて15分ほどで巾着田に着く。 |
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やはらかき木漏れ日のもと曼珠沙華 |
The cluster
amaryllises
under the soft sunbeams
streaming
through the leaves of trees. |
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近くの日和田山(ひわだやま)から眺めると、高麗川に囲こまれた水田が巾着のように見えるので、川原田(かわはらだ)と呼ばれるこの地は、昔から巾着田と呼ばれてきたという。巾着田は広さが16.7haあり、高麗川に沿って長さ1.5kmの堤防が築かれ、総延長2kmの散策路がある。
昔は全て水田だったが、現在では一部を残して休耕田(きゅうこうでん)となっており、日本一の曼珠沙華の群生地として知られるようになってからは、コスモス畑のほか、ふれあい広場やグラウンド、牧場、駐車場などに利用されている。 |
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巾着田の南部から東部に至る高麗川沿いのニセアカシア林に入ると、100万本といわれる曼珠沙華が地面を覆い尽くしていた。息を呑むほどの光景で、赤い曼珠沙華の数の力に圧倒される。 |
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大原はだか祭り |
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九十九里浜 |
千葉県夷隅郡大原町(現・いすみ市) |
平成16年(2004)9月23日(木) |
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平成16年(2004)9月23日(木)秋分の日、千葉県夷隅郡大原町(現・いすみ市)で恒例のはだか祭りが開かれた。大原はだか祭りは、江戸時代から行われ、天保年間(1829〜)から祭りのしきたりや組織ができたという伝統ある祭りで、毎年9月23・24日の2日間にわたって行われる。 |
日輪を掴みし神輿空に舞ふ |
The mikoshi, dancing in the sky, grabbing the sun. |
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上半身裸の男たちによって大原地区の十社に東海・浪花の両地区から参集した合計18社の連合神輿が一斉に外房の九十九里浜の太平洋に担ぎ込まれ、揉み合う「汐ふみ」が祭りのハイライト。勇ましく、雄々しく、神輿が海の中を駆け巡り、投げ上げられる様は感動的である。 |
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秋の白川郷 |
岐阜県大野郡白川村 平成16年(2004)10月7日(木) |
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白川郷には約100軒の合掌造りの家屋が建ち、そのうち50軒が人の住む民家である。なかでも萩町は、合掌造りの民家が一番よく集積している集落として知られる。大きい家には20〜30人もの大家族が生活していたという。 |
白川郷の秋は、稲の刈り取りも殆ど終わり、どぶろく祭のあと、冬ごもりに入る。 |
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仏堂も籠り入りたる刈田かな |
Reaped rice
fields,
the Buddhist temple
in seclusion. |
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安城寺川狩り |
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久万川・川狩り場 |
愛媛県松山市安城寺 |
平成16年(2004)10月7日(水) |
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松山市安城寺で行われる川狩りは、勝岡八幡神社秋季例祭当日の宮入り前に、神輿青年頭取や一体走りの青年たちが褌姿になり、神輿を久万川に担ぎ入れて、流水で祓い清める行事で、勝岡八幡神社の旧神主(かんぬし)柳原家の伝承に由来するものだという。(撮影:ちばあきお) |
川狩りや褌衆の頬被 |
Kawagari festival, the naked guys
of loincloth
cover their heads and cheeks
with a hand towel. |
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昔、安城寺にあった柳原神主家の屋敷一隅の小社に金無垢の御神体が祀られていた。ある年この御神体を勝岡八幡神社に合祀することになり、神遷(しんせん)*しようとしたところ、神社石段下までは事無く進んだが、それより上へは一歩も進み得ず、幾度か試みた挙げ句、神輿を洗い清めて出直すことを思い立ち、川狩りして出直したところ、今度は不思議にも御神体がやすやすと石段を上がることができたという。 |
以来、昭和42年(1967)までは久万川でこの行事が行われていたが、川の汚染のため中断されていた。平成12年(2000)10月、地元の粘り強い要望が実を結び、「愛媛県のふるさとの川づくり事業」による施設が竣工し、伝統行事である「川狩り」が33年ぶりに復活した。現在は、一体走りが終わった日の夕方に行われている。 |
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神遷(しんせん):御神体を神輿で遷すこと。 |
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坂越の船祭り |
兵庫県赤穂市
平成16年(2004)10月10日(日) |
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兵庫県赤穂市坂越(あこうし・さこし)に鎮座する大避(おおさけ)神社で船渡御祭が開催された。赤穂市を流れる千種川(ちくさがわ)の東、坂越湾に向かって建つ大避神社は、JR播州赤穂駅から東方4kmに鎮座する。(撮影:ちばあきお) |
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天高し坂越の浦の櫂伝馬 |
The sky is high,
large paddle boats
at Sakoshi beach. |
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秋の暮伝馬曳きゆく渡御船団 |
あきのくれ でんまひきゆく とぎょせんだん |
The evening late in autumn,
Rowboats towing
the convoy carrying a portable shrine. |
大避神社船渡御祭は、「坂越の船祭り」と呼ばれ、今から300年ほど前の江戸時代、坂越が繁栄を極めた時期に始まったといわれる。「坂越の船祭り」は平成4年(1992)国の無形民俗文化財に選定され、使用する船も兵庫県有形民族文化財に指定されている。 |
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秋の海島の御旅所暮れゆきぬ |
Autumn sea, the lodging shrine on the island
darkening. |
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生島(いきしま)は坂越の沖合100mほどに浮かぶ周囲わずか1.6kmの小島で、古来より大避神社の神地として人の入ることが禁じられていたため、樹相が原始のままの状態を保っており、国の天然記念物に指定されている。 |
生島には大避神社の御旅所と樹林の奥に祭神・奏河勝の墓と伝えられる円墳があり、本祭の前日には墓参が行われる。生島の名は秦河勝が生きてこの地に着いたので名づけられたという。船渡御祭は、この御旅所への船による神幸祭である。 |
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平成16年(2004)10月17日(日)、千葉県船橋市に鎮座する船橋大神宮で子ども相撲が奉納された。奉納相撲の主催者は、船橋大神宮奉納相撲執行委員会であるが、実質は氏子青年部。毎年10月20日の秋期例大祭に相撲が奉納されるが、平日は学校があるので、当日は大人のみとし、日曜日に子供の部が行われている。 |
太陽を身いっぱいに宮相撲 |
Dedicatory
sumo mach, exposing whole bodies
to the sun. |
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船橋大神宮の奉納相撲は、約400年前に徳川家康が鷹狩りで船橋に滞在した際、地元漁師の子供たちが相撲を取って見せたところ、大変喜んだ家康がこれを神社に奉納したことに始まるという。 |
家康の船橋御殿が廃止された後も、その広大な地所を与えられた大神宮の祭礼に相撲は欠かせない行事となった。江戸時代には行司の差し違いがあるたびに力士の応援者同士で喧嘩が起きたところから「船橋のけんか相撲」の異名がつき、関東でも屈指の草相撲として名を馳せたという。 |
船橋大神宮の奉納相撲は、戦後の混乱を脱した昭和25年(1950)に再開され、一時中断があったあと昭和54年(1979)に復活。その後四半世紀を迎え、今年は土俵を新調したとのことで、伝統の奉納相撲を幾久しく伝えていこうという意気込みが感じられた。 |
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奥久慈雨情 |
茨城県 平成16年(2004)11月15日(月) |
クラブツーリズム主催のバス旅行に参加し、家内と二人で茨城(いばらき)県北部に位置する奥久慈(おくくじ)を散策した。生憎の雨模様だったが、晩秋の紅葉がしっとりと雨に濡れ、味わい深い旅となった。 |
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燈籠の瀧に誘ふ山小径 |
A mountain path,
a lantern invites us
to a waterfall. |
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月待の滝は、久慈川の支流が作り出す落差15m、巾10mの三筋に落下する小さな滝であるが、カエデやブナに囲まれ、春夏秋冬いつ見ても素晴らしい風情があるといわれている。 |
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本堂の人影絶えし冬構 |
ほんどうの ひとかげたえし ふゆがまえ |
The winter posture
of the main hall of the temple,
no one appears
any further. |
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2004年12月31日は豪雪になった。お陰で、世界遺産に登録されている五箇山(ごかやま)・相倉(あいのくら)と白川郷の雪景色を撮影することができた。 |
白川郷は前日降った雪が積もっていたような感じで、2004年2月のライトアップの写真と比べると積雪は僅かで、豪雪地帯のこれからの冬ごもりを暗示する降雪だった。 |
岐阜県大野郡白川村 平成16年(2004)12月31日(金) |
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山塊を超えて雪国合掌屋 |
Beyond the mountains, wooden houses with a steep rafter roof in a snow country. |
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