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平成13年(2001)〜平成18年(2006) 再掲 |
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49句(うち褌句21) 累計:49(うち褌句21) |
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【凡例】 ▲:上の画像の説明文 ▼:下の画像の説明文 〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示
タイトル「例:小松神社裸参り」をクリック:別窓に作品「例:小松神社裸参り」を表示 |
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Wa☆Daフォトギャラリー〈 裸祭りシリーズ 〉の「ふんどし談義」には、褌の俳句 という頁があり、現在、180句を掲載している。10年間に詠んだ1300句から選んで壱〜九に掲載した俳句は全部で600句となったが、このうち褌句は136句あり、裸祭ファンのために、ここに再録し、本稿の〆としたい。なお、褌句以外でも褌着用の裸祭を詠んだ俳句も同時に収録している。 |
褌の表現は種々あるが、「褌(ふんどし)」「褌(こん)」「褌(ふん)」「ふんどし」「フンドシ」「ふどし」は、同じものである。北舟は、「フンドシ」の表現は使わない。この他、「相撲褌(まわし)」「赤褌(あかふん)」「白褌(びゃっこん)」「越中褌(えっちゅう)」「六尺褌(ろくしゃく)」などの用例がある。 |
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褌の英訳は、「loincloth 」「fundoshi loincloth 」「T-back loincloth 」「sash 」「fundoshi 」 など。お手本がないので、北舟が勝手に考えたものである。 |
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びゃっこん かんのこり |
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歳ひとつ重ねて白褌
寒の垢離 |
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鐵砲洲寒中水浴 |
Winter water ablution,
white loincloth aging a year. |
平成22年(2010)1月10日(日)
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拡大写真(1800X1216)528KB |
2010年年賀状/鐵砲洲稲荷神社寒中水浴大会(東京都中央区) |
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早春のてんころ舟や赤ふどし |
Players
each wearing
a red loincloth
rowing Tenkoro boats
for competition
in the early spring.
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毎年2月に京都府宮津市の天橋立海岸で行われている天橋立観光協会主催の名物イベント「寒中てんころ舟競争」。てんころ舟は地元の漁師があさり貝やジャコ漁などに使う舟で、それを2隻横に並べて使用する。赤ふんどし姿の10人が1組になって舟を操り、5チーム単位で往復600mの距離を競う。 |
広島県広島市 平成13年(2001)2月18日(日)
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当日は特設テントが設置され、甘酒やあつあつの寒ぶり大根などが無料で振るまわれる。最近では地元民だけでなく、舞鶴市の海上保安学校の学生など、遠くから参加するチームも増えているという。男子は全員赤の六尺褌を締めて漕ぐというのがルール。残雪が残る山々を背景に、寒さを吹き飛ばすてんころ舟競争は、早春の天橋立の風物詩である。 |
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今年も「第18回天橋立寒中てんころ舟競争」が行われ、京都新聞(internet)が「雪の中、赤ふんどし一枚の姿でかいをこぐ男子選手らの威勢良いかけ声が響いた。今回は、地元の丹後地方や京都市などから男性23チームと女性5チームが参加。スタート前は気温4度と寒く、時折横なぐりの雪が降る中、選手らは水しぶきを上げながら懸命にレースを展開、観光客ら約1万8千人(主催者調べ)の見物人から盛んな声援を浴びた。」と報じている。
「ふどし」は褌(ふんどし)の意。 この句は、褌を詠んだ英訳写真俳句の第1号である。 |
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裸祭りの嚆矢 |
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平成13年(2001)10月8日(月)の休日、家内と二人で兵庫県姫路市飾磨区須加に鎮座する浜の宮天満宮で開かれた秋季例大祭の宵宮に行った。平成13年(2001)10月20日に発表したこの作品は、裸祭りにカメラを向けた嚆矢(こうし)であり、そのロマンと感動に触発されて、以後、取材を重ね、日本一の裸祭りシリーズへと発展した。その記念として、10月15日(月)に取材した「灘のけんか祭り」と共に、筆者の顔写真を埋め込んでいる。 |
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ふんどしを締めて燃え立つ秋祭 |
loincloth brings you energy for the autumn festival. |
兵庫県南西部、播磨灘に臨む肥沃な平野は、播州平野と呼ばれる。その中心部に位置する姫路市の海岸一帯では、10月の祭り月になると、祭り一色で盛り上がる。 |
1年をこの日のために暮らしていると思われるほど、人々は血湧き肉踊る秋祭りに熱中する。「祭一色播州の秋」というポスターが沿線の駅構内に張られている。姫路市内だけでも約30の神社で秋祭りが執り行われ、10月は祭りで明け暮れる。 |
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灘のけんか祭り |
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松原八幡神社 |
兵庫県姫路市 |
平成13年(2001)10月15日(月) |
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「ヨーイヤサー」の勇ましいかけ声と太鼓の音が抜けるような秋晴れの空に吸い込まれていく。上気した赤い肌に白い祭りまわしをキリリと締め込んだ男たち。神輿がぶつかり屋台が揺れる。21世紀最初の平成13年(2001)10月15日(月)、兵庫県姫路市において、「灘(なだ)のけんか祭り」と呼ばれる松原八幡神社秋季例祭の本宮(ほんみや)が開かれ、15万人の大観衆が裸の男たちの熱い祭典を見守った。 |
★☆★彡 |
灘祭りとも呼ばれる灘のけんか祭りは、神輿を荒々しくぶつけ合う特異な神事のため、天下の奇祭だとか、全国の数あるけんか祭りの中で最大規模の祭りだといわれ、戦前から播州播磨を代表する祭りとして知られてきた。 |
応仁元年(1467)から始まった応仁の乱で松原八幡神社が焼失した際、領主・赤松正則は、社殿の再建に尽力し、その竣工祭に米200俵を寄進した。喜んだ氏子たちが木組みに米俵を積み上げて御旅山へ担ぎ上げたのが祭りの始まりだといわれている。 |
播州の男はふどし秋祭 |
Men
of Bansyu each wearing
a loincloth for autumn festivals. |
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松原八幡神社の秋祭りは、神輿同士がお互いに激しくぶつけ合う「神輿合わせ」で全国的に有名となった。そのさまが喧嘩をしているように見えることから、灘のけんか祭りと呼ばれるようになった。 |
激しく神輿をぶつけ合うのは、神功皇后(じんぐうこうごう)の三韓出兵の際、風待ちのために白浜の沖で停泊していた軍船が、波に揺られてぶつかり合う様子を表したものだという。また、これらの軍船に付着したゴイナ(牡蠣 かき)を削ぎ落とそうとする様子を表したものだともいわれている。いずれにせよ、神と人とが一体となり、五穀豊穣を願って行われる極めて特異な神事である。 |
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拡大写真(1400x1050)335KB |
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▲ 最初の練り合わせで、大変な事故が起こった。何万人という大観衆の見守る前で、神輿同士がぶつかった瞬間、神輿に乗っていた57歳の白装束の男性が転落した。 |
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秋日照る喧嘩祭に燃え尽きぬ |
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Autumn sun shining on the Kenka festival, a man has breathed his last.
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その直後、重さ350kgの神輿が倒れ、下敷きになった。直ぐに救出され、病院に運ばれたが、翌日の新聞で、心臓破裂で死亡したことが報じられた。 |
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▲▼ 神輿合わせを終えた3台の神輿が御旅山の坂道を上っていくと、いよいよ6台の豪華な屋台が次々に練り場に登場し、祭りは最高潮に達した。灘祭りの屋台は、豪華で大きい。4人の乗り子を乗せた重さ2トンの大屋台を支える練り子は、100人を超える。妻鹿に至っては600人という大勢力を誇る。 |
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「死ぬまでに一度は見て欲しい。」と地元の人は言う。イタリア旅行で知った「ナポリを見て死ね」という諺が脳裏を横切る。死亡事故は名誉の戦死で、祭りは平然と続けられる。地元民の灘のけんか祭りへの思いはそれほどまでに強く、ロマンあふれるものがある。 |
灘のけんか祭りを頂点とした播州の秋祭りは、昔からの伝統をかたくなに守り、世紀を超えても変わらない。地域の和。支える人々の心意気。ふる里への強い思い入れ...。播州から発せられるこの祭りの強烈なメッセージは、これからも人々の熱い思いを蘇らせてくれることだろう。 |
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秋高く翳す屋台や灘祭 |
Nada festival, people holding a wagon to the high sky of autumn.
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私は、家内と二人で、二階席から「灘のけんか祭り」を見て、今まで眠っていたDNAが目覚めたのか、これから先、日本古来から変質することなく続けられてきた日本の裸祭りを激写し、ホームページに発表していこうと決意した。Wa☆Daフォトギャラリー10周年の節目まで、裸祭りシリーズ108作を発表し、日本一のサイトになり得たのは、このときの感動が引き金になっており、「灘のけんか祭り」は、私の裸祭りに取り組む原点となった。 |
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鞍馬の火祭り |
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由岐神社 |
京都府京都市左京区鞍馬本町 |
平成14年(2002)10月22日(火) |
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火祭や鞍馬の宿の鉾飾 |
ひまつりや くらまのやどの ほこかざり |
Kurama
fire festival
displaying spears at villager's inns. |
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鞍馬の火祭りは、京都府京都市左京区鞍馬本町に鎮座する鞍馬寺(くらまでら)の鎮守社・由岐神社(ゆきじんじゃ)の例祭で、毎年10月22日に行われる。(雨天決行)
大小の松明を担いで「さいれーや、
さいりょう!」の掛け声とともに鞍馬街道を練り歩く紅蓮の炎の祭典として知られ、那智の火祭りや久留米市・玉垂宮(たまたれぐう)の鬼夜(おによ)とともに日本三大火祭りに数えられる。(撮影:さや)
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寒中神輿錬成会 |
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江ノ島寒中神輿錬成会 |
神奈川県藤沢市 |
平成16年(2004)1月18日(日) |
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正月や大人になりて初褌 |
しょうがつや おとなになりて はつふどし |
The New Year, the twenty-year-old man wearing loincloth for the first time. |
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午前11時から神奈川県藤沢市江ノ島片瀬海岸東浜で第23回江ノ島寒中神輿錬成会が開催された。江ノ島寒中神輿錬成会は、神社の祭礼ではなく、藤沢鎌倉神輿連合会(山口昌明会長)が主催する新成人を祝う祭典で、神輿愛好者約300人による年に一度の大会である。 |
明の春十人十色の褌かな |
あけのはる じゅうにんといろの ふどしかな |
Early spring, So many men, so many loincloths. |
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寒中神輿錬成会の担ぎ手は、みんな六尺褌を締めている。 神事の海中渡御であれば、白褌でなければならないが、このイベントは神事ではないため、このようなカラフルな褌ルックが実現した。 男たちは、各々気に入った褌を締め、しっかりと自己主張していた。 |
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寒の荒行 |
神奈川県鎌倉市 平成16年(2004)2月11日(水) |
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2月11日、鎌倉の長勝寺・寒の荒行を見に行った。荒行僧たちは全部で23人。100日間に及ぶ過酷な荒行を終え、最後の水行を行った後、出身寺院に帰るという。 |
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寒の空水行僧の褌の白 |
かんのそら すいぎょうそうの こんのしろ
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Sky
of the coldest seazon,
White of the loincloth
the buddist bathing.
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和良比はだか祭り |
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皇産霊神社 |
千葉県四街道市和良比 |
平成16年(2004)2月25日(水) |
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平成16年(2004)2月25日(水)千葉県四街道(よつかいどう)市和良比(わらび)に鎮座する皇産霊(みむすび)神社で裸祭りが行われた。東京駅から四街道駅までJR総武線快速で40分。南口から徒歩15分で皇産霊神社に着く。 もとは大六天神社(第六天神社)であったが、明治の神仏分離により、この地区の吉祥院にあった皇産霊神社を合祀したもので、現在は皇産霊神社と呼ばれる。 |
空映す泥田に春の兆あり |
Signs
of spring at muddy rice fields reflecting the sky.
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午前11時から社殿で「祭礼の儀」と呼ばれる式典が始まった。神主によるお祓いや祝詞奏上(のりとそうじょう)などの後、11時半から「直会の儀(なおらいのぎ)」に移り、氏子関係者が社務所で腹ごしらえをしたあと、午後1時から「和良比はだか祭り」の本番が始まった。 |
春田晴褌締めて騎馬合戦 |
Fine day at spring rice field,
playing at cavalry battles
wearing loincloth. |
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和良比はだか祭りは、江戸末期から行われている伝統行事で、四街道のどろんこ祭りとも呼ばれる。ふんどし姿の男衆が五穀豊穣と子供たちの健やかな成長を祈って赤ん坊の顔に水田の泥を塗ったり、騎馬戦や泥の掛け合いを行う文字通りの泥だらけの祭りである。もともと旧暦の3月25日に行っていたものが、1ヶ月繰り上がって、毎年2月25日に行われている。 |
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三社祭 |
平成16年(2004)5月15日(土) |
東京三大祭りのひとつ 東京都台東区浅草で三社祭の町神輿連合渡御が催された。晴天に恵まれ、初夏の陽気の中で大いに盛り上がった。 |
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江戸子のセイヤで担ぐ大神輿 |
Big portable shrine,
rising on their shoulders
at the shout of "seiya!"
by traditional Tokyoite. |
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浅草神社では法被を着ていた氏子も、浅草寺の境内に入ると、法被を脱ぎ、褌一丁で気勢を上げる神輿もみられた。 |
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江戸子の白ふんどしや夏祭 |
Summer festival,
A traditional Tokyoite of white loincloth. |
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祭り衣装は、股引が大半となっているが、股引をはかない人たちもいる。中には写真のように、半纏を尻端折りして堂々と褌姿をアピールしている人たちも目につく。 |
三社祭自慢の褌尻端折 |
さんじゃさい じまんのふどし しりはしょり |
Sanja festival,
a guy of loincloth, proudly tucking up his kimono. |
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おしぐらんご |
平成16年(2004)6月20日(日) |
岡山県笠岡市の「おしぐらんご」は、源平合戦の舟戦を起源とし、約800年前から伝わる伝統行事である。白幟(しろのぼり)の源氏と赤幟(あかのぼり)の平家の二手に分かれ、それぞれ紅白の幟を立てた四丁櫓の和船に各々紅白の褌を締めた裸形の男たちが乗り込み、海水を掛け合いながら速さを競う勇壮な祭りである。 (撮影:ちばあきお) |
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夏の海今に伝わる舟戦 |
なつのうみ いまにつたわる ふないくさ |
Traditional boat battle
on the summer sea. |
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地域に根付く伝統的な祭りの継承が危ぶまれている昨今、この「おしぐらんご」が笠岡独自の魅力として、途絶えることなく代々受け継がれて、後世に残っていって欲しいものである。 |
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江ノ島天王祭 |
平成16年(2004)7月11日(日) |
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江ノ島のどっこい神輿褌の白 |
えのしまの どっこいみこし こんのしろ |
White is the fundoshi-loincloths,
Dokkoi mikoshi of Enoshima island. |
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今日午前中晴天に恵まれ、神奈川県藤沢市の江ノ島で八坂神社の天王祭が開かれた。午前9時半から江島神社辺津宮(えのしまじんじゃ・へつのみや)の境内で、式典が行われた後、狭い石段や参道を下り、江の島ヨットハーバーの北西にある公園の特設スロープから入水。30分ほどであったが、江の島大橋の東側海域で神輿の海中渡御が行われた。 |
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波の間に浮きつ沈みつ夏祓 |
Summer purification
drifting up and down on the waves. |
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群青の海に入りたる神輿かな |
A portable shrine
goes
into the deep blue sea. |
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しおぬきの しみずにけぶる みこしかな |
The portable shrine looks dim
in the fresh water washing seawater away. |
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博多祇園山笠 |
平成16年(2004)7月14日(水) |
福岡県福岡市博多の夏を告げる博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)が開かれた。昭和54年(1979)に国から重要無形民族文化財の指定を受けたこの夏祭は、櫛田神社の祇園例大祭で、760年の歴史を持つ。(撮影:ちばあきお 大庭靖雄) |
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益荒男や山笠清道を駆け抜けり |
ますらおや やませいどうを かけぬけり |
Brave men ran
through
the purified road
with a yama
on their shoulders. |
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山笠を舁く赤銅色の赤手拭 |
やまかさを かくしゃくどういろの あかてのごい |
Sun-tanned akatenogoies*
carrying a yama
on their shoulders. |
*
main force of carriers |
博多祇園山笠の凄さは、何といっても締め込みと呼ばれる褌の着用を徹底しているところにある。一人の例外もなく、女の子までが褌姿で街を闊歩しているのには驚く。 |
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安城寺川狩り |
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久万川・川狩り場 |
愛媛県松山市安城寺 |
平成16年(2004)10月7日(水) |
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松山市安城寺で行われる川狩りは、勝岡八幡神社秋季例祭当日の宮入り前に、神輿青年頭取や一体走りの青年たちが褌姿になり、神輿を久万川に担ぎ入れて、流水で祓い清める行事で、勝岡八幡神社の旧神主(かんぬし)柳原家の伝承に由来するものだという。(撮影:ちばあきお) |
川狩りや褌衆の頬被 |
Kawagari festival, the naked guys
of loincloth
cover their heads and cheeks
with a hand towel. |
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昔、安城寺にあった柳原神主家の屋敷一隅の小社に金無垢の御神体が祀られていた。ある年この御神体を勝岡八幡神社に合祀することになり、神遷(しんせん)*しようとしたところ、神社石段下までは事無く進んだが、それより上へは一歩も進み得ず、幾度か試みた挙げ句、神輿を洗い清めて出直すことを思い立ち、川狩りして出直したところ、今度は不思議にも御神体がやすやすと石段を上がることができたという。 |
以来、昭和42年(1967)までは久万川でこの行事が行われていたが、川の汚染のため中断されていた。平成12年(2000)10月、地元の粘り強い要望が実を結び、「愛媛県のふるさとの川づくり事業」による施設が竣工し、伝統行事である「川狩り」が33年ぶりに復活した。現在は、一体走りが終わった日の夕方に行われている。 |
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神遷(しんせん):御神体を神輿で遷すこと。 |
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坂越の船祭り |
兵庫県赤穂市
平成16年(2004)10月10日(日) |
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兵庫県赤穂市坂越(あこうし・さこし)に鎮座する大避(おおさけ)神社で船渡御祭が開催された。赤穂市を流れる千種川(ちくさがわ)の東、坂越湾に向かって建つ大避神社は、JR播州赤穂駅から東方4kmに鎮座する。(撮影:ちばあきお) |
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天高し坂越の浦の櫂伝馬 |
The sky is high,
large paddle boats
at Sakoshi beach. |
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秋の暮伝馬曳きゆく渡御船団 |
あきのくれ でんまひきゆく とぎょせんだん |
The evening late in autumn,
Rowboats towing
the convoy carrying a portable shrine. |
大避神社船渡御祭は、「坂越の船祭り」と呼ばれ、今から300年ほど前の江戸時代、坂越が繁栄を極めた時期に始まったといわれる。「坂越の船祭り」は平成4年(1992)国の無形民俗文化財に選定され、使用する船も兵庫県有形民族文化財に指定されている。 |
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秋の海島の御旅所暮れゆきぬ |
Autumn sea, the lodging shrine on the island
darkening. |
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生島(いきしま)は坂越の沖合100mほどに浮かぶ周囲わずか1.6kmの小島で、古来より大避神社の神地として人の入ることが禁じられていたため、樹相が原始のままの状態を保っており、国の天然記念物に指定されている。 |
生島には大避神社の御旅所と樹林の奥に祭神・奏河勝の墓と伝えられる円墳があり、本祭の前日には墓参が行われる。生島の名は秦河勝が生きてこの地に着いたので名づけられたという。船渡御祭は、この御旅所への船による神幸祭である。 |
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平成16年(2004)10月17日(日)、千葉県船橋市に鎮座する船橋大神宮で子ども相撲が奉納された。奉納相撲の主催者は、船橋大神宮奉納相撲執行委員会であるが、実質は氏子青年部。毎年10月20日の秋期例大祭に相撲が奉納されるが、平日は学校があるので、当日は大人のみとし、日曜日に子供の部が行われている。 |
太陽を身いっぱいに宮相撲 |
Dedicatory
sumo mach, exposing whole bodies
to the sun. |
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船橋大神宮の奉納相撲は、約400年前に徳川家康が鷹狩りで船橋に滞在した際、地元漁師の子供たちが相撲を取って見せたところ、大変喜んだ家康がこれを神社に奉納したことに始まるという。 |
家康の船橋御殿が廃止された後も、その広大な地所を与えられた大神宮の祭礼に相撲は欠かせない行事となった。江戸時代には行司の差し違いがあるたびに力士の応援者同士で喧嘩が起きたところから「船橋のけんか相撲」の異名がつき、関東でも屈指の草相撲として名を馳せたという。 |
船橋大神宮の奉納相撲は、戦後の混乱を脱した昭和25年(1950)に再開され、一時中断があったあと昭和54年(1979)に復活。その後四半世紀を迎え、今年は土俵を新調したとのことで、伝統の奉納相撲を幾久しく伝えていこうという意気込みが感じられた。 |
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夫婦岩注連縄張り |
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響灘二見夫婦岩 |
山口県下関市豊北町 |
平成17年(2005)1月2日(日) |
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白ふどし注連張りわたる夫婦岩 |
しろふどし しめはりわたる めおといわ |
White T-back loincloths,
A sacred straw rope hanging
across Meoto-iwa the conjugal rocks. |
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平成17年(2005)1月2日(日)、長門(ながと)の国、山口県下関市豊北町で、響灘(ひびきなだ)二見(ふたみ)で夫婦岩(めおといわ)注連縄張り(しめなわはり)が行われた。この行事は、160年前から毎年正月2日、豊漁と海上安全を祈り、地元二見の男たちが褌一丁の裸形になり、厳寒の日本海で身を清め、大注連縄(おおしめなわ 長さ約30m、重さ約120kg)を張り上げるもので、海に生きる男たちの勇ましさを感じさせる新春の風物詩である。(撮影:ちばあきお) |
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筥崎宮玉せせり |
平成17年(2005)1月3日(月) |
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福岡市東区箱崎(はこざき)に鎮座する筥崎八幡宮(はこざきはちまんぐう)で玉取祭(たまとりさい)(玉せせり)が開かれた。(撮影:ちばあきお) |
豊漁豊作・商売繁盛の恵比須信仰にもとづく年始の占いという側面を持つ筥崎宮の玉取祭は、500年ほど前の室町時代に始まったもので神功皇后の三韓遠征の際に竜神が干珠(かんじゅ)と満珠(まんじゅ)を献上したという伝説によるものといわれる。 |
楼門はベニヤ板で囲われ、四角な穴が開けられた入口には神官の顔が見える。 |
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あら玉の水散り走る玉せせり |
Scramble for the ball,
splash of the water,
in the New Year. |
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競り子たちは、最後の力を振り絞って玉を奪い合った結果、今年は陸組(おかぐみ)が神官に宝珠を手渡し、陰陽二つの宝珠がめでたくそろったところで祭りが終わった。陸組が勝ったので、今年は五穀豊穣が約束されることになった。 |
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寒中水浴大会 |
平成17年(2005)1月9日(日)
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本日午前11時から東京都中央区湊一丁目に鎮座する鐵砲洲稲荷(てっぽうずいなり)神社において第50回寒中水浴大会が開催された。 |
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褌を締めて禊の寒の水 |
Wearing a loincloth,
purification ceremony
with water
of the cold season. |
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女性を含む38名が裸になり、中川宮司の号令により櫓漕(ろこぎ)運動などで身体を温めた後境内のキャンパス製の水槽に浸かり、新年の無病息災を祈念した。 |
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氷背に祈る裸の赤き肌 |
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あら玉の水に洗わる身と心 |
Ice on back,
red skin
the naked prayer. |
Mind and body
purified
in the cold water
of New Year. |
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西大寺会陽 |
平成17年(2005)2月19日(土) |
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2月19日(土)岡山市・西大寺観音院で「西大寺会陽」が行われた。500年の伝統あるこの神事は、岡山県の重要無形文化財であり、寒風のなか、深夜9000人の裸たちが一対の宝木(しんぎ)を争う勇壮な祭祀で、備前の国に春を呼ぶ風物詩となっている。(撮影:ちばあきお) |
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西大寺九千人の会陽かな |
さいだいじ きゅうせんにんの えようかな |
Saidaiji temple,
Eyo the contest for talisman
by nine thousand naked men. |
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2005年10月20日(木)千葉県船橋市に鎮座する船橋大神宮で奉納相撲が行われた。四百年前の江戸時代から続く伝統の宮相撲は、戦後落ち着きを取り戻した昭和25年(1950)に再開され、今年で55年目になるという。 |
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木漏日の宮相撲はや四百年 |
The ritual sumo match
already passed
four hundred years
under the sun
streaming through
the leaves of trees. |
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午前11時、幼児によるこども相撲のあと、まわし(相撲褌)一本の選手たちが東西に勢揃いして個人戦の競技が始まった。今年の参加者は50名で、その内40名が地元自衛隊関係者。10名が部外からの参加者という。出場者名簿を見せてもらうと、木更津市から連続15回参加した人がいるほか、東京大学相撲部の名もあった。 |
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続寒中水浴大会 |
平成18年2006年1月8日(日) |
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白褌に気合込めたる寒の垢離 |
びゃっこんに きあいこめたる かんのこり |
The midwinter purification,
pumped up
with white loincloths. |
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東京都中央区湊一丁目に鎮座する鐵砲洲稲荷神社の寒中水浴大会は、東京の新春の風物詩として知られるが、今年も雲一つ無い晴天に恵まれ、2006年正月8日(日)午前11時から拝殿前の境内で51回目の大会が開催された。 |
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江ノ島寒中神輿 |
神奈川県藤沢市 平成18年(2006)1月8日(日) |
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初春や潮に練込む神輿かな |
はつやるや しおにねりこむ みこしかな |
Early spring,
portable shrines
rush to
the tidal waves. |
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絶好の行楽日和となり、2年ぶりに湘南は江ノ島・片瀬海岸東浜に出掛けた。江ノ島寒中神輿錬成会は、藤沢鎌倉神輿連合会が主催するもので、藤沢・鎌倉両市の神輿愛好者による年に一度の大会である。 |
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國府宮はだか祭 |
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國府宮 |
愛知県稲沢市 |
平成18年(2006)2月10日(金) |
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をさな児も褌しめる厄落 |
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初春やはだかで埋まる國府宮 |
おさなごも ふんどししめる やくおとし |
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はつはるや はだかでうまる こうのみや |
Exorcism,
An infant also wears
fundoshi loincloth. |
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Early spring,
Kouno-miya shrine
overflowing
with naked men. |
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平成18年(2006)2月10日(金)愛知県稲沢市(いなざわし)に鎮座する國府宮(こうのみや)で恒例の裸祭りが開かれた。國府宮の裸祭りは正しくは儺追神事(なおいしんじ)といい、毎年旧正月の13日に斎行される。儺追笹(なおいざさ)を奉納した裸男(はだかおとこ)たちが厄を落とすべく全裸の神男(しんおとこ)に触れようと揉み合う勇壮な祭りで、江戸時代の末頃から始まったという。今年は9千人のはだか男と14万人の観衆が國府宮に押し寄せ、大規模な裸のページェントが繰り広げられた。 |
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しおざわ雪譜まつり/山伏滝行 |
新潟県南魚沼市塩沢 2006年2月18日(土) |
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山伏の肌ほとばしる雪解水 |
やまぶしの はだほとばしる ゆきげみず |
Melted snow
gushing from the skin
of yamabushi
the itinerant Buddhist. |
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2006年2月18日(土)、新潟県南魚沼市塩沢で「第22回しおざわ雪譜(せっぷ)まつり」が開催された。午前10時から始まった「山伏水行之儀」が行われたのは、機織り(はたおり)の神・巻機権現(まきはたごんげん)として崇められる山岳修験道の霊山・巻機山(まきはたやま)(1967m)の登山口にあるC水(しみず)と呼ばれる村落で、JR塩沢駅から車で15分ほどで着く。 |
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「山伏水行之儀」は、天台系の里山伏である本山修験宗(ほんざんしゅげんしゅう)の巻機山萬学院(まきはたやま・まんがくいん)住職・田村昌法(たむらしょうほう)さん59歳が主催する滝行(たきぎょう)である。里山伏(さとやまぶし)と呼ばれる山伏は、新潟県と高知県にしか見られないといわれる。 |
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江戸っ子!三社祭 |
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淺草神社 |
東京都台東区浅草 |
平成18年(2006)5月19日(金)〜21日(日) |
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観音に差し上ぐ神輿江戸ふどし |
かんのんに さしあぐみこし えどふどし |
A portable shrine
raised up
for Kannon,
the loincloths of Edo. |
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淺草神社の祭礼・三社祭は、氏子44ヵ町と浅草組合(あさくさくみあい)で構成される淺草神社奉賛会の主催により、毎年5月17・18日に近い金・土・日に行われる。平成18年(2006)は5月19・20・21日に催行された。(撮影:志村清貴) |
観音を背負ふ江戸っ子三社祭 |
かんのんを せおうえどっこ さんじゃさい |
Sanja festival, a traditional Tokyoite
carrying Kannon*on his back.
*Kannon : the Goddess of Mercy |
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三社(さんじゃ)様・三社権現の名で親しまれる淺草神社は、淺草寺観音堂(本堂)正面から東60mに鳥居があり、その奥に拝殿がある。祭神は隅田川で観音像をすくい上げた檜前浜成(ひのくまのはまなり)・竹成(たけなり)の兄弟とその像を小堂に奉安した土師真中知(はじのまつち)である。 |
5月20日(土)は絶好の晴天に恵まれ、町神輿の連合渡御が行われた。正午までに〈西部16町会〉〈南部16町会〉〈東部12町会〉の合計44ヵ町から107基の神輿が観音裏広場に集合した。これだけ多くの神輿が一同に会するのは壮観の一語に尽きる。 |
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また、少なくとも170団体以上の睦会(むつみかい 同好会)が全国から集まり、各町会の半纏を借りるなどして地元の氏子たちと共に神輿を担ぐ。三社祭の担ぎ手は、三日間で、総勢3万人以上になると推計されている。 |
夜渡の三社神輿や白ふどし |
よわたりの さんじゃみこしや しろふどし |
A Sanja portable shrine
in the gathering dusk,
Each wearing white fudoshi. |
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スイス夏の旅 |
平成18年(2006)7月7日(金)〜7月16日(日) |
2006年7月、阪神航空のツアー「ワンダフルスイス10日間」に参加し、スイスを旅した。ツアー参加者は28名。年で最も美しい夏のスイスの旅を満喫した。 |
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谷底のふんどし村や滝の音 |
A sash-like village
on the bottom
of a gorge, a sound of a waterfall. |
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車窓の素晴らしい景観に見とれていると、ヴェンゲンを通過して間もなく、電車は深い谷を下りはじめた。長さ300mもあるシュタウプバッハの滝が見え、ラウターブルンネンの細長いふんどしのような村が谷底にあった。 |
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重陽の烏相撲 |
平成18年(2006)9月9日(土) |
京都府京都市北区 上賀茂神社 |
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カアコオと烏鳴きたる宮相撲 |
かあこおと からすなきたる みやずもう |
Sumo matches
of a Shinto ritual,
the cawing of crows
kaa-koo. |
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立砂や相撲ふ童子の白褌 |
たてずなや すまうどうじの しろふどし |
A pear of sand cones,
white fundoshi sash
of sumo children wrestling. |
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2006年9月9日(土)京都府京都市北区に鎮座する上賀茂神社(かもがもじんじゃ)で烏相撲(からすずもう)が開催された。上賀茂神社は、正式名を賀茂別雷神社(かもわけ・いかづちじんじゃ)といい、平成6年(1994)に「古都京都の文化財」として他の寺社と共に世界文化遺産に登録された。祭神は賀茂別雷大神(かもわけ・いかづちのおおかみ)という。 |
9月9日を重陽(ちょうよう)というのは、九は陽の数で、月と日が重なるため。午前10時から上賀茂神社本殿で斎王代(さいおうだい)や相撲童子(すもうどうじ)32名ら関係者が出席し、菊花を献じて無病息災を祈願する重陽神事が斉行され、午前11時頃から細殿(ほそどの)南庭で、相撲童子による烏相撲が奉納され、斎王代が上覧した。 |
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少年のふぐり見えもす宮相撲 |
Sumo matches
of a Shinto ritual,
a boy's pouch of skin
appears by chance. |
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菊酒のかほり仄かに賀茂神社 |
Kamo shrine, faint scent
of chrysanthemum sake
in the air. |
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境内では重陽の節句にちなんで、無料の菊酒が振る舞われた。葵の文様が刻み込まれた酒器には、黄菊(きぎく)が漬け込まれた御神酒(おみき)が入っており、若くてハンサムな神官が一人づつ盃に清酒を注いでくれた。口に含むと仄かな菊の香りがあり、秋の気配を感じた。 |
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若宮八幡裸祭り |
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若宮八幡神社 |
大分県豊後高田市 |
平成18年(2006)11月3日(金) |
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豊後高田市裸祭り保存会が主催する若宮八幡神社裸祭りは、正式には「若宮八幡神社秋季大祭/裸祭り」といい、「御神幸の川渡し」とも呼ばれる。永保4年(1084)に荒行のひとつとして始められたといわれ、今年で923回目となる。 |
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褌(ふんどし)をキリリと締め込んだ輿丁(よちょう)と呼ばれる担ぎ手たちが宮神輿を担いで桂川を渡り、本宮(もとみや)から下宮(しもみや)へ渡御(お下り)して二泊した後、下宮から本宮へ還御(お上り)する夜の川渡し神事である。毎年旧歴10月14、15、16日の最も近い金・土・日に行われる。 |
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篝火を縫ひて神輿の川渡る |
The portable shrine
crosses the river
threading the way
through the bonfires. |
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輿丁らの揃ひの白褌川神輿 |
よちょうらの そろいのびゃっこん かわみこし |
The portable shrine at the river,
white fundoshi loincloth
the uniform of the carriers. |
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川渡の滴るふどし秋夕べ |
かわたりの したたるふどし あきゆうべ |
Autumn evening, their loincloth
dripping
by the river crossing. |
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